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Timberline Lodge, OR to Cascade Locks, OR/ Day131– 132/ Hiking Day104- 105/2110.8mi-2155.2mi/44.4mi
8/30(Mon) Hiking Day104/ 28mi/ 7:00am- 8:00pm (13:00) /NB 2139mi
”Dear Trail”

Timberline Lodge の目覚め。
やはりベッドで寝ると疲れがよく取れる。
部屋から妻に電話をする。
短い時間でも妻と話が出来ると気持ちが落ち着く。
あと少し。
あと一ヶ月。

まだほとんどの人は起きていない。
僕もこんなに早く出たくは無かったが、今日も少々距離が長い。
でもきっとチャーリーがいたら、ブレックファストを食べてから、ときかなかっただろう。

外は雨が降っている。
装備をと気持ちを整えて行こう。
フロントにはコーヒーが既に出ていた。
少しだけ温かいコーヒーを飲んで出発としよう。

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霧で何も見えない。
だいぶ明るくなってきている。
やっぱり寒い。
早く動き出して体を暖めよう。

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今日はまず下りから始まる。
Mt. Hoodの山肌の雪で削られた深い谷を幾度も越える。
ジグザグに谷に降りては登り返すのだ。
まさに名前がZigzag Canyonというのだから面白い。

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寒いが気温も風も昨日ほどでは無い。
少しずつ標高を下げて行くとまた深い森が現れる。
雨も小降りになり、いつしか止んでいる。
Sandy Riverに着いてゆっくり休憩を取れる。
少し開けて良く踏まれている場所が谷の近くにある。
きっとキャンプする人が多いのだろう。
Sandy Riverの流れは、今は中央に少ししか無い。
けれど、川幅を見ると氾濫したら恐ろしいのだろう。
その川を横切って進む。

また歩き出してしばらくすると分岐が現れる。
Romana Fallsに行くのだ。
この滝への道は地図によってはAlternate Route扱いだ。
オフィシャルではどちらだかわからないが、僕の持っている地図ではこちらが正しい道となるらしい。
どちらのルートもほぼ平行に走る。
だったらせっかくだし綺麗だという滝を見ておきたい。
デイハイカーの姿を見かけるようになる。
滝などのポイントがあるだけにアクセスがしやすいのだろうか。
きっと近くにTHがあるのかも知れない。

気温がぐっと上がってきた。
雨ももう降りそうに無いので、いつものハイキングスタイルに戻る。
少し荒れた森の中を歩き、それほどしないで水の落ちる音が聞こえる。

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その滝は豪快では無く、日本の白糸の滝の様に静かな佇まい。
日本人特有と言われる侘び寂びの感覚。
しかし、ここにも同じように感じる人達がたくさんいるのだろう。
だから、この滝を“美しい”と感じるのだと思う。

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運良く偶然に倒れた丸太をちゃっかり使った橋を渡る。
手すりまで付けてしまうとは、さすがだ。
谷底まで下りたトレイルはまた登り返す。
そこからはしばらく退屈な森歩きが続いて行く。

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東面には深い森が広がっている。
そして、この葉は石楠花だろう。
まるで奥秩父や奥多摩を歩いている気分だ。
西には湖があるようだが、濃い木々にその全貌は見えない。

稜線はアップダウンを繰り返しながら緩やかに上へ伸びていく。
退屈ではあるがトレイルには必要な部分でもある。
面白いばかりがロングハイキングではないから。
ハイキングが生活なのであれば、つまらないことだってたくさんあるのだ。

森はなおも深く広がっている。
いつまで歩けば良いのだろう。
どこまで歩けば変化するのだろう。
時間は確実に過ぎているのだから、距離も確実に伸びているはずだ。

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景色が代わり映えしない今日だが、意外と楽しんでいる自分がいる。
歩いていて楽しいのだ。
時々こんな気持ちになる。

湖も通り過ぎしばらくたった頃、水場に到着。
PVCのパイプからちょろちょろとでているのだ。
日本だと良くあるのだが、アメリカではなかなか珍しい。
この後の水の確保を考えると、今日の夜に必要な分はここで欲しい。

水で重くなったバックパックを担ぎまた歩き始める。
すぐにトレイル脇のキャンプサイトが見つかる。
そこにはテントを張ったハイカーの姿がある。
少しだけ会話をすると、Sobo のスルーハイカーだという。
ここで、という気持ちが傾げるがまだ今日の目的は先だ。

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だいぶ日暮れてくる。
まだまだ森は変わらずに深い。
時間はもう7:00pmになるところだ。
だが、もう一息、まだまだ。

雲が多いせいもあるが一気に暗さが増してくる。
太陽もいよいよ山に近づいて来ている。
ずっと真っすぐ北北東に向かっていたトレイルが東に曲がる。
この場所からはいろんな有名な山を一望できるポイントらしい。
残念なことに雲が多くて見ることはできない。
けれど、西に落ちる陽に輝く山は美しい。

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もうすぐ暗くなる。
ライトを出そうか迷うがきっと直ぐのはずだ。
予想通りジープロードが見える。
PCTが一旦合流するのだが、その直ぐのところに整地されたキャンプサイトがある。
Indian Spring Campに到着、時間は8:00pmを少し回っている。
テントを張ったハイカーが一人、焚き火の準備をしている。
とても暖かそうだ。

挨拶をしてから、まずはとっとと今日の我が家を設営。
その間に風が強くなって来て、気温はぐっと下がってくる。
食事を自分一人で取ってしまおうかと思ったが、いや旅は道連れなんとやら。
一つしかないテーブルとベンチに腰掛けているハイカーの向かいに行く。
“ここ良いかい?”
“ああ、もちろんだよ”

焚き火は心の奥まで暖めてくれる。
今日の疲れが癒されていく。
もう一つの重要な癒し、質素な食事を取りながら談話する。
彼は遠くアリゾナ州からハイキングをしにきているのだという。
休みの関係でそれほど長くは取れないそうだ。
しかし、アメリカ中を歩きに行っていると言う。
若い時にはハイキングを楽しんでいたが、子育てや仕事でできずにいたらしい。
それを再会したのが数年前。
日本でもそういう人達の声をたくさん聞いたことがある。
だからこそ彼は道具にも興味があるという。
僕の使う幕や火器を面白そうに見ている。

“君はArizona Trailを知っているかい?”とハイカー。
“アリゾナトレイルは知らないなぁ”僕は答える。
“とても良いトレイルだよ。4月初旬がおすすめの季節さ”
話を聞いていたらワクワクしてくる。
あの有名なグランドキャニオンも通過するらしい。
まだPCTも歩き終わっていないというのに。
我ながら困ったものだ。
けれど、ぜひ歩いてみたいと思う。

今日は13時間、長い距離だったが良い一日となる。
面白い景色ではなかったけど楽しく歩けたことが嬉しい。
明日はあと14miで街に着く。
Oregonの終わり、Washingtonの始まりの街、Cascade Locksだ。
また明日も楽しく歩けたら嬉しい。


8/31(Tue) Hiking Day105/ 16mi/ 6:35am- 12:55pm (6:20) /NB 2155mi
“Done Oregon that Passing under Tunnel Fall”

朝の気温はそれほど低く無いように感じる。
外を見ると真っ白の世界。
雲の中に入っているようだ。
いつも通り準備をし、雲の中ハイカーに別れを告げて出発する。

ショートカットの急斜面を下っていく。
今日歩くトレイルはEagle Creekと呼ばれている。
良くある名前だが、ここは有名な場所があるのだ。
思いの外の急斜面に膝がつらい。
時間も予定以上にかかってしまう。
道も踏まれているが整備はあまりされていないようだ。

やっと数字の付いたトレイルに出てからは順調に進む。
今日到着予定のCascade LocksはPCTで最低標高点。
トレイルはクリークの中を緩やかに下っていく。

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多様な植物。
覆い繁る森。
細いトレイル。
奥多摩の森の中を歩いている様な錯覚。
植物が水の豊かさを享受しているのが良く分かる。
岩を削って作られた道にも多くの苔が張り付いている。

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Eagle Creekはきっと有名なトレイルなのだろう。
トレイルに沿って数多くのキャンプサイトが見受けられる。
7 1/2 mi Campという名前の整地されたサイト以外にもたくさんある。
ややあり過ぎるくらいだ。
しかしこのクリーク自体綺麗だからどこも楽しいだろう。
一つ一つのサイトは比較的離れているし、木も多いから隠れられる。
もし機会があればもう一度ここに来てキャンプをしたいと思う。

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滝はPCTで珍しくないが、いかにも“渓谷の滝”という感じ。
懐かしく、そして楽しい。
沢登りでもできそうな感じだ。
次は上からは見えないが、2段、いや3段の滝だろうか。
ずいぶん高低差があるようにみえる。

前方から大きな水音が聞こえてくる。
いよいよ、このクリークの目玉のご登場のようだ。
その名もTunnel Fall。
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滝自体も長く、ダイナミックだが、滝の裏を通れるようにトンネルが掘ってある。
そこまでの道も岩盤を削って作ってあるのだ。
水平歩道みたいなものだろうか。

滝の大きさも勢いも僕の小型デジタルカメラでは約不足だ。
まあ良いさ。
目的が人に見せるためではないのだから。
せっかくだから写真だけではもったいないので動画も撮っておこう。
帰ったら妻に見せてあげたい。
もし誰かと一緒だったらもっと楽しかったかもと思う。
でも一人でも十分楽しい。

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とても荒削りのトンネルだ。
中は水浸しで、天井からも水が落ちてくる。
きっと地面にしみ込んだ水だろう。
少ない陽の光を頼りに植物も生えている。
ほんの少しのアドベンチャーはあっという間に終了だ。

デイハイカーたちとすれ違いながらグングン下って行く。
すれ違う人の数もだいぶ増えたような気がする。
まだ歩く距離はあるのに気持ちは街に飛んで行っている。

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THにはだれもおらず、静かだ。
数台の車はすれ違ったデイハイカーのものだろう。
ここからどう行ったらよいかが分からない。
僕も持っているおおまかな地図ではどうしようも無い。
道路を辿れば街には下りられるがハイキングルートがあるらしいのだ。

しばしうろうろ。
うろうろ。
こっちかな。
あっちかもな。
結局見つからない。

仕方ないので道路を歩いて行くことにしよう。
しばらくして幹線道路へぶつかる、I-Hwy84だ。
東に進路を変えてハイウェイに沿って進む。
こんなところを歩いているのがとても場違いに感じる。
道路をくぐるように道は続く。
どうやらここはバイクロードのようだ。
進むしかないか。

ところが意外に良い道だった。
樹木の雰囲気も車が全く見えないところも良い。
舗装路なのだが、苔むしているところをみると利用は少ないらしい。
Historic Columbia River Highwayという立派な名前も付いているようだ。
車の音が近いので向かっている方向は合っているのだろう。
まあ、歩くことだけはいっちょまえにできるはずだから、間違っていたら歩こう。

川がちらりと見える。
あれがColumbia Riverだ。
道はどうやら終点で車止めがみえる。
左手には大きな橋、The Bridge Of Gods。
あれを渡るとWashington州。
そう、Oregonの終着点、Cascade Locksに着いたのだ。

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なんとか1:00pm前に着くことができた。
Cascade Locksはとても小さな街で道沿いに1km内で全てが収まっているようだ。
Char Burger というレストランの前を通り、隣のBest Westernへ向かう。
ちょっと贅沢なモーテルだがコインランドリーが必ずあるし、コンピューターもある。
向かいにはそれよりも安いモーテルがあるが、設備的にこちらを選ぶ。

しかし、ハイカーには少々敷居が高い玄関。
意を決して入る。
カウンターでHiker Discount がないか尋ねる。
するとあるというのだ、ついてる!
おそらく通常は100ドル位するのだろうが、ディスカウントが入り70ドル位。
もっと安いモーテルがたくさんあるけれど、日本の宿泊費に比べれば安いものだ。
ここで2 nights過ごすことにする。

部屋に入り、まずすることはシャワーと着替え。
洗濯もいろいろしたいが、それ以上に急ぐことがある。
荷物のピックアップと発送だ。
その前にもっと大事な昼飯も食べなくちゃ。

Char Bergerはカウンターで注文していくDeli形式の店。
しかし、そのメニューはとてもがっつりしていてどれも素晴らしい。
今日の気分はパワーを蓄えたいのでハンバーガーを注文する。
このレストランはColumbia Riverに沿っていて景色が美しい。
この川を下流に向かうとたった50miほどでPortlandへ着いてしまうらしい。
訪れたことのない街なので興味がある。
ハイカーによっては補給のために街に下りることがあるらしい。

雨がまた降り出す。
割と強い降り方だ。
まずはPOに向かい、バウンスボックスの回収に行く。
それから向かいにあるPubへ。
このPubの名前は『Pacific Crest Trail Pub』。
名前の通りハイカーフレンドリーで荷物を預かってくれる。
店内ではPCTグッズ販売している。
店の裏手を借り荷物の仕分けをする。
Washingtonセクションは街での補給が容易ではないので、あらかじめ食料を送る必要がある。
Bendに寄った時にこの街で買えそうのない食料だけ送っておいたのだ。
その中身を確認してから、向かいのグロセリーで足りない物を買いに行く。
見た目には小さく無いグロセリーだが、予想通り品揃えは偏りがある。
地元のニーズに合わせた結果なのだろう。
そして買っておいたフリーズドライの食料も無い。

付け足しで買った物を持ってPubの裏手にまた向かう。
雨はいよいよ本降り。
*White Pass
*Snoqualmie Pass
*Dinsmore’s Hiker Haven
*Stehekin Resort
それと、最後のCanada内Manning Parkには最後のバウンスボックスを送る予定だ。

準備が遅い僕だが、時間が決まっていればこんなに急げる。
荷物は結構な量だが、グロセリーで借りたカートでまとめて運んでしまう。
Post Officeの職員はさっきも来たハイカーだとわかった顔だ。
しかし、彼もこの時期のハイカーには慣れているだろう。
無事食料を送る手はずを付けほっと一息。

Pubの裏手を片付けモーテルに戻る。
雨に降られながら歩いていると僕を呼ぶ声が聞こえる。
振り返るとそこにはTangentの姿が。
いつの間にか追い抜かれていたらしい。
きっとBendに寄っている時だろうか。
この街に来て初めて会ったハイカーだ。
僕が泊まったモーテルの向かいのモーテルにいるらしい。
しかも、General Leeとかみんな一緒に。

顔見せに部屋へ行くと、相変わらずの光景だ。
General Lee、Uncle Tom、Richard Wizard、Duffy、Axellaと勢揃い。
ベッドに入りビデオ鑑賞でくつろぐ。
傍らには散乱したビールの空き缶が。
部屋の中にはアルコールの匂いが強く漂っている。
ちょっとこれは長居には向かなそうだ。
後で一緒にPubで夕食を食べる約束をして部屋を出る。

モーテルの部屋で片付けをしながらしばしのんびりする。
ベッドが二つあるから広々使える。
靴を洗ったり、バックパックを洗ったり、やることが多い。

フロントには自由に使えるコンピューターがあるので調べものをする。
ハイキングのことではなくてPackraftという道具のことを調べている。
ロスの友人が教えてくれたよろしく無い遊び道具だ。
教えてもらってから3ヶ月。
ずっと考え続けている。
円高も進んでいるし、今がチャンスなのかも知れないのだ。
どうするべきか。
買うことは決まっているのだが、それがいつなのかが問題だ。

時間になったのでPacific Crest Trail Pubに向かう。
店に入ると既にみんな食べ始めているようだ。
席にはダフィとトム、テンジンしかいない。
その他の面子がいないのは酒を飲むために食費は削っているのだ。
テーブルの上には大きなPizza が並んでいる。
このPubはPizzaが名物になっているのだ。

僕も注文をするためにカウンターで注文をする。
そうしたら音と共にずぶ濡れのハイカーが入ってくる。
見慣れた顔、Guthookだ!
なんでこんなところにいるのだろう。
笑顔で彼は僕の名前を呼ぶ。

GuthookはここでPizzaを買ってTo Goにするらしい。
キャンプ場に滞在しているようだ。
“ガットフック、どうしてここにいるの?”
“なんだか疲れてしまってさ。一週間停滞中だよ”
Trail Daysに間に合うように大急ぎで歩いた影響なのだろう。
その疲れはもちろん体ではなく心に違いない。
“でも明日には出発さ”
“そうなんだ。僕は、明日はZeroで明後日発つよ”
せっかく追いついたのにまた離されてしまうな。
彼とはゆっくり話をしたいのだが、いまだチャンスがないのだ。

そのあと店に入って来たのはTransient。
こちらはずいぶん久しぶりでいつ会ったか思い出せないほどだ。
トランジェントはすこぶる変わり者。
いつも一人だが、一人の理由もわからなく無い。
彼の話している言葉の一部しかわからない僕でも彼が変わっているのはわかる。
久しぶりにあっても彼はみんなの気分を悪くしているようだ。
それでも話し続けている。

トムやダフィ、テンジンもみんな明日には出発するようだ。
明日のこの街はとても静かになってしまいそうだ。
“一緒に行こうよ”と言ってくれるのはありがたいが、少し休みたい。

部屋に戻って片付けの続き。
いつも以上に真面目に洗濯をする。
最後の州に着いたから、最後の州を歩くから。

夜遅くなって日本に電話をする。
妻も日本にいるみんなも元気な様だ。
生まれたばかりの姪っ子もすくすく育っているという。

外の雨は降り続き、止む気配はないようだ。
明日出発するハイカーのみんなが少し気がかりだ。
by hikersdepot | 2012-12-28 02:18 | PCT 2010 by Turtle


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