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Cascade Locks, OR/ Day133/ Zero Day25
9/1(Wed) Zero Day25
“Just One Hiker”

雨は昨日から降り続いている。
アメリカらしい青空を見なくなって1週間以上経っている。
ブレックファストはモーテルに付いているので楽だ。
外に食べに行くことを考えると安いモーテルと対して変わりが無いように思う。

9月1日だ。
とうとう9月になったのだ。
始まりから4ヶ月。
予定ではあと4週間でフィニッシュする。
まだその実感は湧かない。

雨が降っているので、道具の補修や荷物のまとめをする。
食料は昨日全て送り終えたが、今日は日本へ送る荷物とカナダへ送る荷物を分ける。
まだゴールまで4週間ほどあるのだが。とうとうこの時が来たのだと思う。
バウンスボックスの中身を慎重に分けて行く。
要らないものはHiker Box。
まだ取っておく必要がありそうな物は日本行き。
ハイキング終了後に使いたいものはカナダへ。

だらだらと作業していたのであっという間に昼になっている。
午後になって雨も上がり陽が指して来る。
準備を終えた荷物をPost Office(PO)へ持っていく。
その前にPacific Crest Trail Pub でPCTグッズを購入。
PCTの地図が書いてあるはがきは日本へ向けて書くつもり。
職員は昨日と違っていたが、こちらも慣れた様子だ。
PO内のHiker Boxに必要の無いものを置いて行く。

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その後町を散策。
街というべきか、町というべきか。
散策するほど何かがあるわけでもない。
メインストリートに沿ってしかほとんど建物もないのだから。
ここからワシントン側へ行き東に向かえばもっと大きな街がある。
車なら10分か15分だろう。
そのせいもあってか、この町には最低限のものに収まっている。
その代わり、全て歩きだけで簡単に移動できる距離。
スルーハイカー達と同じで、ミニマル+One、位でちょうど良い。

町の外れにキャンプ場がある。
外れと言っても橋のたもとから10分もかからない。
キャンプ場近くにはハンバーガーとアイスクリームを売りにしたスタンドショップがある。
これは食べずにはいられない。

アメリカには普通にある町のハンバーガーショップ。
日本のラーメン屋のようなものか。
定食屋というべきか。
はたまたそば屋か。

たいていこういった店は上手いハンバーガーを出す。
ここもご多分に漏れずといったところのようで、頻繁に車が訪れる。
僕はシンプルにベーコンチーズバーガーを注文。
それから悩んだあげくにミルクシェイクを注文してみる。

ハンバーガーもフレンチフライも申し分ない味で大満足。
ミルクシェイク片手にモーテルへ引き返す。
久しぶりの太陽の陽射しは暑い。
雨が乾き空気がむっと立ち上がる様にかんじる。

葉書を書こうと思っていたが、ベッドに横になったら寝ていたようだ。
きっとこれがPCTから出す最後の葉書になるのだろう。
いろいろ書きたいことがありすぎて上手くまとまらないかも知れないな。
書いた葉書は全部で6枚。
妻、親、兄弟、友人たちに宛ててだが、一枚は自分に向けてだ。
今この思いや気持ちを忘れないように。
もし忘れた時にまた思い出せるように。
優しい気持ちになれるように。

夕食はChar Burgerへ行く。
もしかしたらハイカーがいるかもと思ったが、それらしい風体の人はいないようだ。
今日は町中でもそれらしい人は見ることがなかった。
ということは、この町にPCTハイカーは僕一人か。

このレストランは地元の人に愛されているレストランなのだろう。
いっぱいにはなってないけれどいつも人が入っている。
さて何を食べようか。
軽く済ませようと思っていたが、また明日からのハイキングを考えると力が欲しい。
ってことは肉だな。
ステーキに決定。

出て来たステーキは思った以上に柔らかく肉の旨味がある。
アメリカのステーキというともっと固くて赤身だけのイメージだがこれは違う。
時が経てば大きく味わいも変わるものだ。
確かに今までの旅路の中の食事は想像以上のものがほとんど。
いつの間にかアメリカの食事も美味しくなっていたのだ。
それとも自分の味覚が変わってしまったのだろうか。

モーテルに戻りコンピューターの前へ。
メールを見てみると日本の職場からメッセージがある。
最近全然連絡していなかったからだろう。
せっかくなので電話をしてみる。
現在地の報告とだいたいの帰国予定を伝える。
さてはてどうなることやら。

再びPackraft のことを考える。
Alpacka Raftというメーカーの舟が欲しい。
非常に軽量コンパクトになるし価格も安い。
軽いのでどこでも持っていける。
バックパックに全て詰め込んで気軽な旅ができるのだ。
White Water だって大丈夫だし、気軽な川旅にも良いだろう。

。。。。。。。。。。。。。。。。
買ってしまおう。
妻への言い訳は、、、まあ、なんだろう、きっと大丈夫かな。
正直どれを買って良いのか悩むが、勧めてくれた友人の通りにしてみよう。
ちょっと具合が悪くたって使っているうちに慣れてくるだろうし。
なんとかなるさ。
、、、、、、、えいっ!

その後部屋に戻ってロスの友人に電話してパックラフトを購入したことを話す。
いつものことだがついつい長話になってしまう。
今度一緒にパックラフィティングしようと約束する。
日本のどこでできるのかも、何をどうしたら良いのかもわからない。
でもなんとか遊ぶことはできるだろう。

バスタブでゆっくりとお湯に使って体を癒す。
やはりお湯に浸かる方が体の疲れが抜けて行くような気がして気持ちよい。

本当は明日の準備をして寝るつもりが、そのまま片付けられずに寝ることに。
いつものことだけど。
そのいつもの日常がまた明日から始まる。
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by hikersdepot | 2012-12-30 22:55 | PCT 2010 by Turtle
Timberline Lodge, OR to Cascade Locks, OR/ Day131– 132/ Hiking Day104- 105/2110.8mi-2155.2mi/44.4mi
8/30(Mon) Hiking Day104/ 28mi/ 7:00am- 8:00pm (13:00) /NB 2139mi
”Dear Trail”

Timberline Lodge の目覚め。
やはりベッドで寝ると疲れがよく取れる。
部屋から妻に電話をする。
短い時間でも妻と話が出来ると気持ちが落ち着く。
あと少し。
あと一ヶ月。

まだほとんどの人は起きていない。
僕もこんなに早く出たくは無かったが、今日も少々距離が長い。
でもきっとチャーリーがいたら、ブレックファストを食べてから、ときかなかっただろう。

外は雨が降っている。
装備をと気持ちを整えて行こう。
フロントにはコーヒーが既に出ていた。
少しだけ温かいコーヒーを飲んで出発としよう。

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霧で何も見えない。
だいぶ明るくなってきている。
やっぱり寒い。
早く動き出して体を暖めよう。

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今日はまず下りから始まる。
Mt. Hoodの山肌の雪で削られた深い谷を幾度も越える。
ジグザグに谷に降りては登り返すのだ。
まさに名前がZigzag Canyonというのだから面白い。

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寒いが気温も風も昨日ほどでは無い。
少しずつ標高を下げて行くとまた深い森が現れる。
雨も小降りになり、いつしか止んでいる。
Sandy Riverに着いてゆっくり休憩を取れる。
少し開けて良く踏まれている場所が谷の近くにある。
きっとキャンプする人が多いのだろう。
Sandy Riverの流れは、今は中央に少ししか無い。
けれど、川幅を見ると氾濫したら恐ろしいのだろう。
その川を横切って進む。

また歩き出してしばらくすると分岐が現れる。
Romana Fallsに行くのだ。
この滝への道は地図によってはAlternate Route扱いだ。
オフィシャルではどちらだかわからないが、僕の持っている地図ではこちらが正しい道となるらしい。
どちらのルートもほぼ平行に走る。
だったらせっかくだし綺麗だという滝を見ておきたい。
デイハイカーの姿を見かけるようになる。
滝などのポイントがあるだけにアクセスがしやすいのだろうか。
きっと近くにTHがあるのかも知れない。

気温がぐっと上がってきた。
雨ももう降りそうに無いので、いつものハイキングスタイルに戻る。
少し荒れた森の中を歩き、それほどしないで水の落ちる音が聞こえる。

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その滝は豪快では無く、日本の白糸の滝の様に静かな佇まい。
日本人特有と言われる侘び寂びの感覚。
しかし、ここにも同じように感じる人達がたくさんいるのだろう。
だから、この滝を“美しい”と感じるのだと思う。

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運良く偶然に倒れた丸太をちゃっかり使った橋を渡る。
手すりまで付けてしまうとは、さすがだ。
谷底まで下りたトレイルはまた登り返す。
そこからはしばらく退屈な森歩きが続いて行く。

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東面には深い森が広がっている。
そして、この葉は石楠花だろう。
まるで奥秩父や奥多摩を歩いている気分だ。
西には湖があるようだが、濃い木々にその全貌は見えない。

稜線はアップダウンを繰り返しながら緩やかに上へ伸びていく。
退屈ではあるがトレイルには必要な部分でもある。
面白いばかりがロングハイキングではないから。
ハイキングが生活なのであれば、つまらないことだってたくさんあるのだ。

森はなおも深く広がっている。
いつまで歩けば良いのだろう。
どこまで歩けば変化するのだろう。
時間は確実に過ぎているのだから、距離も確実に伸びているはずだ。

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景色が代わり映えしない今日だが、意外と楽しんでいる自分がいる。
歩いていて楽しいのだ。
時々こんな気持ちになる。

湖も通り過ぎしばらくたった頃、水場に到着。
PVCのパイプからちょろちょろとでているのだ。
日本だと良くあるのだが、アメリカではなかなか珍しい。
この後の水の確保を考えると、今日の夜に必要な分はここで欲しい。

水で重くなったバックパックを担ぎまた歩き始める。
すぐにトレイル脇のキャンプサイトが見つかる。
そこにはテントを張ったハイカーの姿がある。
少しだけ会話をすると、Sobo のスルーハイカーだという。
ここで、という気持ちが傾げるがまだ今日の目的は先だ。

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だいぶ日暮れてくる。
まだまだ森は変わらずに深い。
時間はもう7:00pmになるところだ。
だが、もう一息、まだまだ。

雲が多いせいもあるが一気に暗さが増してくる。
太陽もいよいよ山に近づいて来ている。
ずっと真っすぐ北北東に向かっていたトレイルが東に曲がる。
この場所からはいろんな有名な山を一望できるポイントらしい。
残念なことに雲が多くて見ることはできない。
けれど、西に落ちる陽に輝く山は美しい。

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もうすぐ暗くなる。
ライトを出そうか迷うがきっと直ぐのはずだ。
予想通りジープロードが見える。
PCTが一旦合流するのだが、その直ぐのところに整地されたキャンプサイトがある。
Indian Spring Campに到着、時間は8:00pmを少し回っている。
テントを張ったハイカーが一人、焚き火の準備をしている。
とても暖かそうだ。

挨拶をしてから、まずはとっとと今日の我が家を設営。
その間に風が強くなって来て、気温はぐっと下がってくる。
食事を自分一人で取ってしまおうかと思ったが、いや旅は道連れなんとやら。
一つしかないテーブルとベンチに腰掛けているハイカーの向かいに行く。
“ここ良いかい?”
“ああ、もちろんだよ”

焚き火は心の奥まで暖めてくれる。
今日の疲れが癒されていく。
もう一つの重要な癒し、質素な食事を取りながら談話する。
彼は遠くアリゾナ州からハイキングをしにきているのだという。
休みの関係でそれほど長くは取れないそうだ。
しかし、アメリカ中を歩きに行っていると言う。
若い時にはハイキングを楽しんでいたが、子育てや仕事でできずにいたらしい。
それを再会したのが数年前。
日本でもそういう人達の声をたくさん聞いたことがある。
だからこそ彼は道具にも興味があるという。
僕の使う幕や火器を面白そうに見ている。

“君はArizona Trailを知っているかい?”とハイカー。
“アリゾナトレイルは知らないなぁ”僕は答える。
“とても良いトレイルだよ。4月初旬がおすすめの季節さ”
話を聞いていたらワクワクしてくる。
あの有名なグランドキャニオンも通過するらしい。
まだPCTも歩き終わっていないというのに。
我ながら困ったものだ。
けれど、ぜひ歩いてみたいと思う。

今日は13時間、長い距離だったが良い一日となる。
面白い景色ではなかったけど楽しく歩けたことが嬉しい。
明日はあと14miで街に着く。
Oregonの終わり、Washingtonの始まりの街、Cascade Locksだ。
また明日も楽しく歩けたら嬉しい。


8/31(Tue) Hiking Day105/ 16mi/ 6:35am- 12:55pm (6:20) /NB 2155mi
“Done Oregon that Passing under Tunnel Fall”

朝の気温はそれほど低く無いように感じる。
外を見ると真っ白の世界。
雲の中に入っているようだ。
いつも通り準備をし、雲の中ハイカーに別れを告げて出発する。

ショートカットの急斜面を下っていく。
今日歩くトレイルはEagle Creekと呼ばれている。
良くある名前だが、ここは有名な場所があるのだ。
思いの外の急斜面に膝がつらい。
時間も予定以上にかかってしまう。
道も踏まれているが整備はあまりされていないようだ。

やっと数字の付いたトレイルに出てからは順調に進む。
今日到着予定のCascade LocksはPCTで最低標高点。
トレイルはクリークの中を緩やかに下っていく。

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多様な植物。
覆い繁る森。
細いトレイル。
奥多摩の森の中を歩いている様な錯覚。
植物が水の豊かさを享受しているのが良く分かる。
岩を削って作られた道にも多くの苔が張り付いている。

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Eagle Creekはきっと有名なトレイルなのだろう。
トレイルに沿って数多くのキャンプサイトが見受けられる。
7 1/2 mi Campという名前の整地されたサイト以外にもたくさんある。
ややあり過ぎるくらいだ。
しかしこのクリーク自体綺麗だからどこも楽しいだろう。
一つ一つのサイトは比較的離れているし、木も多いから隠れられる。
もし機会があればもう一度ここに来てキャンプをしたいと思う。

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滝はPCTで珍しくないが、いかにも“渓谷の滝”という感じ。
懐かしく、そして楽しい。
沢登りでもできそうな感じだ。
次は上からは見えないが、2段、いや3段の滝だろうか。
ずいぶん高低差があるようにみえる。

前方から大きな水音が聞こえてくる。
いよいよ、このクリークの目玉のご登場のようだ。
その名もTunnel Fall。
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滝自体も長く、ダイナミックだが、滝の裏を通れるようにトンネルが掘ってある。
そこまでの道も岩盤を削って作ってあるのだ。
水平歩道みたいなものだろうか。

滝の大きさも勢いも僕の小型デジタルカメラでは約不足だ。
まあ良いさ。
目的が人に見せるためではないのだから。
せっかくだから写真だけではもったいないので動画も撮っておこう。
帰ったら妻に見せてあげたい。
もし誰かと一緒だったらもっと楽しかったかもと思う。
でも一人でも十分楽しい。

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とても荒削りのトンネルだ。
中は水浸しで、天井からも水が落ちてくる。
きっと地面にしみ込んだ水だろう。
少ない陽の光を頼りに植物も生えている。
ほんの少しのアドベンチャーはあっという間に終了だ。

デイハイカーたちとすれ違いながらグングン下って行く。
すれ違う人の数もだいぶ増えたような気がする。
まだ歩く距離はあるのに気持ちは街に飛んで行っている。

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THにはだれもおらず、静かだ。
数台の車はすれ違ったデイハイカーのものだろう。
ここからどう行ったらよいかが分からない。
僕も持っているおおまかな地図ではどうしようも無い。
道路を辿れば街には下りられるがハイキングルートがあるらしいのだ。

しばしうろうろ。
うろうろ。
こっちかな。
あっちかもな。
結局見つからない。

仕方ないので道路を歩いて行くことにしよう。
しばらくして幹線道路へぶつかる、I-Hwy84だ。
東に進路を変えてハイウェイに沿って進む。
こんなところを歩いているのがとても場違いに感じる。
道路をくぐるように道は続く。
どうやらここはバイクロードのようだ。
進むしかないか。

ところが意外に良い道だった。
樹木の雰囲気も車が全く見えないところも良い。
舗装路なのだが、苔むしているところをみると利用は少ないらしい。
Historic Columbia River Highwayという立派な名前も付いているようだ。
車の音が近いので向かっている方向は合っているのだろう。
まあ、歩くことだけはいっちょまえにできるはずだから、間違っていたら歩こう。

川がちらりと見える。
あれがColumbia Riverだ。
道はどうやら終点で車止めがみえる。
左手には大きな橋、The Bridge Of Gods。
あれを渡るとWashington州。
そう、Oregonの終着点、Cascade Locksに着いたのだ。

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なんとか1:00pm前に着くことができた。
Cascade Locksはとても小さな街で道沿いに1km内で全てが収まっているようだ。
Char Burger というレストランの前を通り、隣のBest Westernへ向かう。
ちょっと贅沢なモーテルだがコインランドリーが必ずあるし、コンピューターもある。
向かいにはそれよりも安いモーテルがあるが、設備的にこちらを選ぶ。

しかし、ハイカーには少々敷居が高い玄関。
意を決して入る。
カウンターでHiker Discount がないか尋ねる。
するとあるというのだ、ついてる!
おそらく通常は100ドル位するのだろうが、ディスカウントが入り70ドル位。
もっと安いモーテルがたくさんあるけれど、日本の宿泊費に比べれば安いものだ。
ここで2 nights過ごすことにする。

部屋に入り、まずすることはシャワーと着替え。
洗濯もいろいろしたいが、それ以上に急ぐことがある。
荷物のピックアップと発送だ。
その前にもっと大事な昼飯も食べなくちゃ。

Char Bergerはカウンターで注文していくDeli形式の店。
しかし、そのメニューはとてもがっつりしていてどれも素晴らしい。
今日の気分はパワーを蓄えたいのでハンバーガーを注文する。
このレストランはColumbia Riverに沿っていて景色が美しい。
この川を下流に向かうとたった50miほどでPortlandへ着いてしまうらしい。
訪れたことのない街なので興味がある。
ハイカーによっては補給のために街に下りることがあるらしい。

雨がまた降り出す。
割と強い降り方だ。
まずはPOに向かい、バウンスボックスの回収に行く。
それから向かいにあるPubへ。
このPubの名前は『Pacific Crest Trail Pub』。
名前の通りハイカーフレンドリーで荷物を預かってくれる。
店内ではPCTグッズ販売している。
店の裏手を借り荷物の仕分けをする。
Washingtonセクションは街での補給が容易ではないので、あらかじめ食料を送る必要がある。
Bendに寄った時にこの街で買えそうのない食料だけ送っておいたのだ。
その中身を確認してから、向かいのグロセリーで足りない物を買いに行く。
見た目には小さく無いグロセリーだが、予想通り品揃えは偏りがある。
地元のニーズに合わせた結果なのだろう。
そして買っておいたフリーズドライの食料も無い。

付け足しで買った物を持ってPubの裏手にまた向かう。
雨はいよいよ本降り。
*White Pass
*Snoqualmie Pass
*Dinsmore’s Hiker Haven
*Stehekin Resort
それと、最後のCanada内Manning Parkには最後のバウンスボックスを送る予定だ。

準備が遅い僕だが、時間が決まっていればこんなに急げる。
荷物は結構な量だが、グロセリーで借りたカートでまとめて運んでしまう。
Post Officeの職員はさっきも来たハイカーだとわかった顔だ。
しかし、彼もこの時期のハイカーには慣れているだろう。
無事食料を送る手はずを付けほっと一息。

Pubの裏手を片付けモーテルに戻る。
雨に降られながら歩いていると僕を呼ぶ声が聞こえる。
振り返るとそこにはTangentの姿が。
いつの間にか追い抜かれていたらしい。
きっとBendに寄っている時だろうか。
この街に来て初めて会ったハイカーだ。
僕が泊まったモーテルの向かいのモーテルにいるらしい。
しかも、General Leeとかみんな一緒に。

顔見せに部屋へ行くと、相変わらずの光景だ。
General Lee、Uncle Tom、Richard Wizard、Duffy、Axellaと勢揃い。
ベッドに入りビデオ鑑賞でくつろぐ。
傍らには散乱したビールの空き缶が。
部屋の中にはアルコールの匂いが強く漂っている。
ちょっとこれは長居には向かなそうだ。
後で一緒にPubで夕食を食べる約束をして部屋を出る。

モーテルの部屋で片付けをしながらしばしのんびりする。
ベッドが二つあるから広々使える。
靴を洗ったり、バックパックを洗ったり、やることが多い。

フロントには自由に使えるコンピューターがあるので調べものをする。
ハイキングのことではなくてPackraftという道具のことを調べている。
ロスの友人が教えてくれたよろしく無い遊び道具だ。
教えてもらってから3ヶ月。
ずっと考え続けている。
円高も進んでいるし、今がチャンスなのかも知れないのだ。
どうするべきか。
買うことは決まっているのだが、それがいつなのかが問題だ。

時間になったのでPacific Crest Trail Pubに向かう。
店に入ると既にみんな食べ始めているようだ。
席にはダフィとトム、テンジンしかいない。
その他の面子がいないのは酒を飲むために食費は削っているのだ。
テーブルの上には大きなPizza が並んでいる。
このPubはPizzaが名物になっているのだ。

僕も注文をするためにカウンターで注文をする。
そうしたら音と共にずぶ濡れのハイカーが入ってくる。
見慣れた顔、Guthookだ!
なんでこんなところにいるのだろう。
笑顔で彼は僕の名前を呼ぶ。

GuthookはここでPizzaを買ってTo Goにするらしい。
キャンプ場に滞在しているようだ。
“ガットフック、どうしてここにいるの?”
“なんだか疲れてしまってさ。一週間停滞中だよ”
Trail Daysに間に合うように大急ぎで歩いた影響なのだろう。
その疲れはもちろん体ではなく心に違いない。
“でも明日には出発さ”
“そうなんだ。僕は、明日はZeroで明後日発つよ”
せっかく追いついたのにまた離されてしまうな。
彼とはゆっくり話をしたいのだが、いまだチャンスがないのだ。

そのあと店に入って来たのはTransient。
こちらはずいぶん久しぶりでいつ会ったか思い出せないほどだ。
トランジェントはすこぶる変わり者。
いつも一人だが、一人の理由もわからなく無い。
彼の話している言葉の一部しかわからない僕でも彼が変わっているのはわかる。
久しぶりにあっても彼はみんなの気分を悪くしているようだ。
それでも話し続けている。

トムやダフィ、テンジンもみんな明日には出発するようだ。
明日のこの街はとても静かになってしまいそうだ。
“一緒に行こうよ”と言ってくれるのはありがたいが、少し休みたい。

部屋に戻って片付けの続き。
いつも以上に真面目に洗濯をする。
最後の州に着いたから、最後の州を歩くから。

夜遅くなって日本に電話をする。
妻も日本にいるみんなも元気な様だ。
生まれたばかりの姪っ子もすくすく育っているという。

外の雨は降り続き、止む気配はないようだ。
明日出発するハイカーのみんなが少し気がかりだ。
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by hikersdepot | 2012-12-28 02:18 | PCT 2010 by Turtle
Big Lake Youth Camp to Timberline Lodge, OR/Day127–130/Hike Day100-103/2004.4mi-2110.8mi/106.4mi ②
8/28(Sat) Hiking Day102/ 29mi/ 6:45am- 5:45pm (11:00) /NB 2097mi
“A Ordinary Day”

雨が少し降っている。
この前からのずっと微妙な天気なので、とうとう降ったか。
雨装備を整えて出発すると雨があがる。

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少し霧がかかっているが、空は明るくなって来る。
ピークに向かって歩いていると、向こうに山が見えてくる。
とても特徴的な形だ。
きっとあれがMt.Hoodだろう。
近く見えるのに今日は着けないだろう。

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あまり変化もない森の中を登っていく。
すると向こうからハイカーの姿が現れる。
“Wow! Carhop!”
“Hi, Turtle!”
4度目の出会いだ。
“Good see you!”
お互いの無事を確認し合い、情報交換をする。
Shuttleでの迂回についてもしっかりと把握しているようだ。
いつもすれ違いの少ない出会いだが、またこうして会えることを感謝する。
“See you.”
また会おう、きっとまた会えるさ。

素晴らしい出会いの後に、素晴らしい景色。
雲が取れて青空が見えてくる。
広がる森の向こうにはMt.Hoodが綺麗に見える。
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このピークからはおおむね下りの一日となるはずだ。
膝への負担に気をつけながらややペースを上げて進む。
平坦な森の中、正直退屈だが、歩くしかない。
いろいろ考え事をしてみたり、歌を歌ってみたりしよう。

一気に4時間位歩き休憩を取ることに。
森の中、腰をかけてのんびりする。
すると北上するハイカーがやってくる。
その雰囲気、出で立ちはまさにスルーハイカー。
そして知っている顔、Neonだ!

彼女とはトゥオルミメドウズで会って以来か。
シエラの雪が多いのでフリップフラップすると言って別れた以来だ。
あの後アシュランドまで歩き、そこからシエラに戻ったらしい。
それからシエラを歩き、他の仲間達に追いつくため急いでいるらしい。
その為に一日40mi位を歩いているという。
信じられないペースだ。
PCTハイカーのペースは普通のハイカーには信じられないペース。
しかし、40mi/dayはそのPCTハイカーが信じられないほど早いペースだ。
今日も目標は45miだと言う。
彼女が言うには明日のTimberline Lodgeのモーニングブッフェに行きたいのだと。
僕も明日には到着予定だが、Mt.Hoodの中腹にTimberline(森林限界)Lodgeがある。
そこは歴史が古くアメリカの中でも有名なLodgeなのだ。
その朝食のブッフェはPCTハイカーの憧れでもある。
僕のペースでは到底間に合わないのだが、確かに今日40mi以上歩けば行ける。
いやいや無理無理。

Neonはあっという間に行ってしまう。
女性とはいえど、体格が僕より少し小柄なくらいだから、歩けて当然か。
アメリカ人はやっぱり食べているものが違うのかも。

途中で休憩しているNeonを捕まえたが、また追い抜かれてからは全く姿が見えない。
森をずっとずっと歩いて進んで行く。
ついNeonを意識して速度が上がってしまう。
しかし、考えてみたら馬鹿らしく思えてくる。
そのただひたすら歩くのが嫌になったのではないか。
意識もなく、記憶に残らないのが嫌になったのではないか。
それで足を壊したのではないか。
自分は自分のペースでしか歩くことは出来ない。
自分を越える努力は良い。
でも無理をして壊れては先が無くなるかもしれないのだ。

森の中に銀竜草を発見する。
日本と同じだが、一株が大きい。
日本だと、ひっそりしているのに、こんな植物までダイナミックだ。
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いくつかジープロードを横切り、人の臭いがしてくる。
道路を跨ぐとそこから先は大きな湖のある公園のエリアだ。
THには大きく“Pacific Crest National Scenic Trail”と書いてある。
確かにわかりやすい、が、ちょっとやり過ぎなんじゃないかな。
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すぐに湖が見えてくる。
Timothy Lakeだろう。
途中で休憩していると馬がたくさんやってくる。
ホースライディングの体験だろう。
みんな一生懸命手綱を操り馬に言うことを聞かせようとする。
陽が差してきたのでテントもついでに干しながら、食事としよう。

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この先は地図を見る限り、たくさんのキャンプ場があり人が多そうだ。
あちこちでキャンプしているファミリーがいる。
今日は土曜日、週末なので無理もない。
焚き火と美味しそうな食べ物の匂い。
コーラが飲みたいなぁ。

たくさんのデイハイカーともすれ違う。
その中にはPCTのことを知っていて、食料をくれる人もいる。
でも、だいたい僕が持っている食料と重なってしまい少しだけ。

湖の端までくると人気が少なく。
前方には馬を留めたジュニアハイスクールの団体がいる。
彼らに不思議そうな目で見られながら、ハイカーは一人風の様に去るだけだ。

単調な森を抜け、いくつかの立派なジープロードを横切る。
道路の先に小さな流れがあるらしいキャンプサイトがある。
意外にしっかりと整地されている。
一応、今日の目的地。
思ったよりも早く歩け、まだ時間は6:00pm前だ。
やはりおおむね下りだったので距離の割に疲労も少ない。
もう少しとも思ったが、すでに29miは歩いている。
明日は出来たらTimberline Lodgeに泊まりたい。
そこまで残り14miだ、もう無理することもないだろう。

水は細かったが十分流れている。
一人きりのキャンプにも慣れてきた。
時間ができるとチャーリーのことを思い出す。
いまどの辺りを歩いているのか。

ジャーナルを書きながら、つくづくZeroが多いと思う。
我ながら・・・、いや、俺だからか。
まぁいいさ。
自分らしくやるために今ここにいるんだ。
自分らしくしたいことをして楽しく生きよう。
また、明日も。



8/29(Sun) Hiking Day103/ 14mi/ 6:45am- 12:45am (6:00) /NB 2111mi
“Going Up Timberline”

いつもの様に起きられない。
今日歩く距離が短いからか、寒いからか。
朝の気温は5℃。
空もどんよりと曇りで今日も寒いスタートだ。

ただ森の中を淡々と進んでいく。
時間が経っても天気が良くなる気配は無い。
途中木々の間で風を避けながら休みを取るが、長い時間はいられない。

Mt. Hood Hwyに到着すると少しは晴れ間が見えるようになる。
結構立派な道路だ。
そこを横切って反対側からトレイルはMt. Hoodへの登りになる。
車が止まった音がして振り返ると、車からハイカーが降りて来ている。
デイハイカーだろうか。

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斜度はそれほどきつく無く、徐々に標高を上げて行く。
上の方は雲に覆われているが、少しずつ明るさが増していくようだ。
後ろから歩いてくるハイカーがいるようだ。
きっとさっき見かけたハイカーに違いない。
声をかけられ、意味はわからず、道を譲る。
すると“Hey, Turtle!”の声。
そこにいたのはGeneral LeeとUncle Tomの2人だった。
しかも、荷物がほとんどなく身軽の状態。
“いくぞ!”と声をかけられたが、2人は身軽なのでグングン上がって行ってしまう。
何がなんだか良く分からない。

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標高が上がってくると風が強くなってくる。
周りにも遮るものが少なくなってくる。
Timberlineとは森林限界のこと。
その境界にあるロッジに向かっているのだから、なにもなくてもしかたないか。
道は歩きやすい土から、歩きにくい砂状に変わってくる。
火山の影響によるものだろう。
これが歩きやすければ、もっとさくさく行けるのだろうが、遅々として進まない。
一歩一歩丁寧に上がって行く。

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木々を風よけにしてトムとリーが休んでいる。
ぼくもそこまで行き一休みだ。
なぜ荷物が少ないのかなど理由を尋ねる。
説明を受けているうちに一人の男性がこっちへ向かってくる。
デイハイカーかと思っているとトムとリーは知り合いのようだ。

どうやらリー達のグループは昨日Hwyでトレイルエンジェルを運良く見つけたらしい。
そして、Cascade Locksに行きPCT Daysに参加したのだ。
さらに彼の家に泊まらせてもらった上にここまで送ってもらったのだろう。
そして荷物を最低限だけ持って歩く、Slack Packing を少しだけしているということか。
なんというTrail Magic!。


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Timberline Lodgeまであと少し。
とにかく風が強いので寒い。
標高6000ft近く、体感は間違いなく0℃以下だろうか。

やっと山が見え始める。
とてもダイナミックな風景だ。
オレゴンで最も標高の高い山の風格か。
クライミングルートもあるような険しい山だが、ここからでは全貌は見えない。

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なんとかTimberline Lodgeへ到着。
たくさんの観光客の他に、スキーを楽しむ人達が多い。
Mt. Hoodには氷河があり、一年中スキーを楽しむことができるらしいのだ。
ロッジ前にくると、すごい違和感を感じる。
僕達が異質な存在なのは間違いないのだが、その逆に感じてしまう。
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Timberline Lodgeは歴史的に古いもので、ここ自体が観光地になっている。
冬はスキーの拠点としても機能するらしく、向かいにはセンターハウスがある。
1930年代に建てられ、スキーの歴史がたくさん詰まっている。
多くの著名人も訪れているらしい。
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でも僕達の目的はそんなんじゃ無い。
この中にはブッフェが有名なレストランとBeer Barがあるのだ。
それから、ここに送っていた食料をピックアップすること。
次の街のCascade Locksまでは残り二日。
必要ないかも知れなかったが念の為送っておいたのだ。
やはりピックアップの必要がないほどの食料が余ってはいる。

トムたち3人は昨日の晩に一杯食べたので目的はビールだ。
でも僕はお腹が空いている。
二階にはレストラン、三階にはスナックバーがある。
その三階でこのホテルのBreweryのビールが飲めるのだ。
ここのレストランの朝食ブッフェが目的だったが、昼は無い。
と思っていたら、昼もブッフェをやっているのだ。
Yogi’s Bookに書いていなかったので諦めていたが、これは嬉しい。

でもまずは一杯やりたいと言うので三階に行きビールで乾杯。
でも僕は本当に少しだけにさせてもらう。
こんな空きっ腹で飲んだら気分が悪くなりそうだ。

豪華な食事は要らないと言っていた3人だが、3階の料理は安く無い。
だったらとみんなでレストランに向かう。
今の季節のブッフェは地元のオーガニック食材をふんだんに使っているらしい。
どれも美味しそうだ。
食べるとなったらリーもトムも容赦なく食べ続けている。
お互い様だが、どれだけ食べれば満足するのか。

食べている途中にRichard Wizard、Duff、Axillaがやってくる。
彼らも送れてやって来て、やっぱりここで食事をするらしい。
スルーハイカーは、生命力に溢れているのか。
一種独特な雰囲気が漂っている気がする。

リーは何皿めかのデザートの後に、また別の料理を食べている。
僕も負けじとがんばるが、限界だ。
本当にお腹いっぱいだ。

トレイルエンジェルの彼に最近の天気について聞いてみる。
寒いし、ずっと天気はいまいちだ。
いつもならばこんなでは無いと言う。
天候も安定していて暖かいのだが、今年は以上に寒いと言う。
確かに外の気温も天気もまるで冬のようだ。

少し考えたが、やはり今日はここに泊まることにする。
別に普通のロッジだろう。
でも、歴史的にも古いというし、せっかくだ。
みんなにも声をかけたがあっさりと断られる。
彼らはここからあと20miは歩くつもりだという。
でも時間はもう既に午後4時前。
まぁこのタフなメンバーなら歩いてしまうのだろう。

僕以外のハイカーの姿は見えなくなる。
のんびりとしよう。
正直安く無い宿泊費だ。
とはいえ、日本の一人の宿泊費を考えたらそれほどでもない。
しかし、アメリカのルームチャージからしたら相当だ。
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何もかも高いが、こんな雰囲気の中泊まれる経験は数少ない。
夕食にはせっかくなのでビールを飲んでみる。
量は飲めないけど、たしかにここのビールは美味い。


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天気予報を見ると、明日明後日と天気が良くないようだ。
アメリカにしては珍しいほど悪天候が続く。
それでも進まなければ。
ここにずっとはいられないから。

明日は28miを目標に歩く。
距離は長いが、粛々と歩こう。
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by hikersdepot | 2012-12-01 09:00 | PCT 2010 by Turtle