「ほっ」と。キャンペーン
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Belden, CA to Old Station, CA/ Day95 – 98 Hiking Day72 – 75 / 1293.8mi – 1382.8mi(89.0mi)/ Part1
7/25(Sun) Hiking Day72 / 15mi /2: 30pm-8: 40pm (6:10) /NB 1309mi
“Slow Starters”

蒸し暑い夜で、深い眠りではなかった。
さすがにここまで標高が落ちればそんなものだろう。
今日もゆっくりめの朝を迎える。

とりあえず、チャーリーと僕の大好きなBreakfast を食べに行こう。
しかし、今日は日曜日。
ジョーは安息日の為、どこにも出かけられない。
Huiは節約のため行かないと言うので、二人で出かける。

Caribou Crossing は朝から繁盛していて、ほとんどのテーブルが埋まっている。
昨日の今日で顔を覚えられている。
笑顔で“Good Morning”
ずいぶんボリュームたっぷりなメニューが並んでいる。
どのセットメニューも魅力的で目移りしてしまう。
僕はお皿一枚分の大きさのカリカリで美味しそうなハッシュドブラウン。
それと卵とソーセージの定番メニュー。
チャーリーは大好きなフレンチトーストとカリカリのベーコン。
それをたっぷりなシロップで召し上がれ。

朝からものすごい満腹感だ。
今日のエネルギーの半分は補給したような感触。
これを普通に食べていたら太るなあ。

Braaten’s の夫婦は敬虔なキリスト教徒だ。
戻るとすでに教会に出かけた後だった。
ジョーとフウイに戻りは遅くなると言って出かけたらしい。
今日はとりあえずゆっくりしようと話をしていた。
Ben とFidgetは出発して行くが、僕達はただぼおっと時間を過ごす。
何をしていた訳でもない。
ジョーが見つけて来た“ウノ”をして遊んだり、ただ話をする。
ふと見上げたハイカーの写真は“Yas”のものだ!
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こんなところにも彼の痕跡をみる。
ハイカーログブックには数人の日本人のコメントが残っていた。

そういう時間はあっという間に過ぎて行くものだ。
そろそろ歩きに行こうという気分になるが、Braaten’s は帰ってこない。
歩いても行けない距離ではないが、無駄に歩くことはしたくない。
しかし、待っても、待っても来なかった。
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12時を周り、1時近くなって思い腰を上げて出発することに。
Hui は後で追いかけると言うので、3人で出発。
外は日がすっかり上がり、陽射しが暑い。
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歩道が無く、車が頻繁に行き交う歩きづらい道路をBelden Town まで戻る。
道路の照り返しがきつく、汗が噴き出してくる。
いかにも西部らしい陽射しだ。

Belden Town に戻り、車に乗った地点まで行く。
そこからRestart だ。
ベンチにハイカーの姿が見える。
彼はサウスバウンドで歩いているらしい。
僕と同じシューズを履いているが、意見は違うようだ。

すぐに出発しても良かったが、今は昼時。
そして目の前にはレストラン。
朝お腹いっぱい食べていたので、それほど空腹では無い。
据え膳食わぬは男の恥。
使う場所は間違えているが、言葉通り!
ジョーには申し訳ないが、チャーリーと挑むことに。
完全にリミッターの外れたハイカーに怖いものなんて無い!!!

僕は焼いたチキンのサンドイッチを頼む。
少し軽めにしたつもりだったが、出て来た料理はボリュームがたっぷりだ。
外で待っているジョーを呼んでテーブルに座らせたが、落ち着かず出て行く。
安息日には働いている人の傍にいることもだめなのだ。
しかも目の前で美味しそうなものを食べているのを見るだけは辛い。

腹もいっぱいになり、コーラもたらふく飲み、もう十分。
外に出て出発の準備。
一服しながらのストレッチ。
チャーリーが“Smoking Hikerだな”と笑う。
僕のカメラを奪い一枚。
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Huiも追いついて来て出発。橋を渡り道路に出ると、見慣れた3人のハイカー。
Train、Carub、Sun SeekerはヒッチハイクでQuincy の街へ向かう様だ。
街までは30mi近くあり、ヒッチハイクで行くには苦労する。
大体のハイカーは避けて通る道だ。

またね、と別れを告げ、トレイルへと向かう。
この辺りも昔は採鉱業が盛んだったようで、古い採掘器がある。
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その脇からトレイルは山に向かって上がっている。
出発は午後2時半。
まあなんてスロースタートだ。
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今日はここからどこまで行けるかはわからないが、一気に標高を上げる。
2268feet(691m)から7099feet(2164m)。
しかも地図を見る限りでは深い谷に沿ってじっくりと上がるようだ。
キャップにサンシェイドを掛けるが、気温の高さに参る。
今日は本当に暑い。
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あれだけ水分を補給したが、すぐに水気が少なくなる。
お腹が思いせいで、三人よりは遅れがちで上がる。
途中でFuzzy Monkey に会う。
約半日遅れでBucks Lakeを出たようだ。
水場で三人に追いつき、しっかりと水を補給しよう。
Huiが“今日は暑いから、水をたくさん飲もう”と声をかけてくる。
チャーリーはすぐに先に歩き出して行く。
調子が良さそうだ。

ジョーとHui は水場で少し休憩をするようで先に歩き出す。
遠く鞍部が見える。
あそこを目指して行くのだろうか。
谷の左岸(上流を向いて右側)をひたすら標高を上げずに進む道だ。
長丁場を覚悟しなければならない。

それは想像以上の長さだった。
歩けども先が見えない。
しかもチャーリーの姿も無い。
途中さすがに休憩をするだろうと思っていたが、まったくその気配は無い。
確かにたらふく食べた体は疲れも空腹も知らない。
自分でも驚くべきことだ。
きっとチャーリーも一緒なのだろう。
気がつけば2時間以上経っていたが、人の気配も、トレイルが上に行く気配もない。
谷の左岸のトラバースとはいえ、平らなところもある。
途中にはCabinもあるようだったが、気がつかずに通り過ぎてしまった。
トレイルは緩やかな登りだから歩きやすい。
しかし、もどかしい。

Myrtle Flat だろうと思う場所に来る。
谷の中で珍しいほどの平地だ。
Myrtleは銀梅花のことで、結婚式の花輪になる木らしい。
ここにもチャーリーの姿は無い。

広かった谷も徐々に狭まってきて、対岸が近くなる。
地図には水場の紹介が少なかったが、実にたくさんの小さな沢を横切る。
どこもしっかりとした水の流れがある。
これは今年の雪の多さの為か、はたまたいつものことなのか。

十何回も沢を越えると、トレイルは傾斜を増していく。
所々荒れた箇所があり、道が不明瞭になる。
4時間以上止まらずに歩き続けているが疲れは感じない。
時間は6時を過ぎて谷には陽が入らなくなって来た。
薄暗い道をただ前に歩いて行く。

荒れたトレイルは続く。
去年だろうか、この辺りが崩れたのは。
木々を跨ぎ、迂回して進む。
少し大きな涸れ沢にぶつかる。
ここも大分崩れていて大きな岩で埋まっている。
トレイルのあとははっきり見当たらないが対岸に踏み跡がありそうだ。
トレイルではなさそうだが方向はあっている。
右岸を上がって行くとトレイルにぶつかる。
本来、トレイルはここからほぼ真横に伸びていたのだろう。
上を見上げると大きく空が開いている。
そろそろピークを迎えたのかと思ったら、大きな湿原に出る。
地図でもわかりやすいくらいの地形だ。
綺麗な景色だし、ここで泊まるのも悪くないと思う。
しかし、チャーリーを追わなければ。
さすがに休憩無しの連続行動が6時間に迫り、疲労は隠せない。
ここからもう少しでトレイルのピークに着く。

もう日暮れの刻。
ジョーとフウイは追いついてこない。
チャーリーは先。
急がなければ。

斜面をカットしながら上がって行くと前方にチャーリーが座っている。
思いのほか近くにいた。
“速いよ。速すぎ。”そう言うと、
“お腹が空かなくて、力が溢れていたからさ。”とチャーリー。
“僕も同じだよ。今日は疲れを感じない。”
チャーリーは水を補給していたようだ。
ここの手前はキャンプ適地のようだが、引き返すつもりは無いようだ。
二人の気持ちは前に。
時間は午後8時になっている。

斜面をジグザグに上がって行くとほどなくして稜線へ出る。
この辺りから異常なほど蚊が増え始める。
今日はほとんど姿を見なかったのだが、なぜだろう。
下が暑すぎるから?
それともここがちょうど良い気温だからか。
体中につきまとってくる。
顔に突進してくるヤツもいる。
予想外で油断していたので、肩や足を一気に刺される。

稜線の距離は短く、反対側に降り始めると水場がある。
Frog Spring という名前だが、一匹のカエルもいない。
この後の季節か。
チャーリーもここで止まっていた。
水場と少し斜めだがぎりぎり四人分のスペース。
ジョーはカウボーイスタイルだからどこでも良いのだが。
時間は午後8時40分になっている。
とりあえず蚊よけ対策にウィンドシャツを着よう。
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水を汲んで、ツェルトを立て終わると二人が追いついて来る。
二人は呆れた顔をして僕達を見る。
“異常だよ。止まらないし、速すぎだ。”
そう愚痴をこぼすジョー。
まさかこんな時間まで歩くことになるなんて思ってもいなかっただろう。
もちろん僕だって同じだ。

それにしてもすごい量の蚊だ。
写真には上手く写らないのがくやしい。
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みんなかいくぐりながら、寝床の準備をして夕食となる。
ハイカーにとっては深夜みたいなものだ。
疲れていてぼうっとしていたのか、アルコールストーブを転倒させてしまう。
クッカーの中のラーメンもこぼれてしまうし、火の海にさせかけた。
気をつけなければ。
今日はお腹がいっぱいなので良かった。
みんなも気を使ってくれ、チャーリーは少し分けてくれた。
彼もお腹いっぱいのようだ。

食べ終わるとみんなそそくさと家に戻っていく。
僕も蚊のいない家に入り、入念なストレッチをしてから眠りにつく。

今日は良い勉強になった。
人間食うと動ける。
まさにそれを証明したようなものだ。
また自分の、人の力強さを知る、良い勉強になった。
それに、新しい形のハイキングを見た気がした。
もっと自由に。もっと自分らしいハイキングをしたい。
今日は創造的な良い一日だ。


7/26(Mon) Hiking Day73 / 28mi /6: 30am-7:00pm (12:30) /NB 1337mi
“THE MID POINT”

いつも通りの時間。
体が僕を呼び起こす。

外を見ると陽が上がりかけている。
蚊も大人しくなったようだ、と思ったら、待っていただけらしい。
朝からすごい量だ。

雨の撤収のように、素早くまとめて素早く撤収。
みんなよりも先行して歩き出す。

少し下り、フラットな場所に出る。
ちょうど山の上が台地になっているようで、かなり広い。
気持ち良く歩けるトレイルをグングン進んでいく。
ひたすら景色もろくに見ないで黙々と歩いていく。
脳は活性化してたくさんのことが処理されていく。

人間は考えなくても良いことを考える。
しなくても良いことをしようとする。
動物のようには生きられない。
まるでコンピューターのようだ。
目的が無ければ生きている価値を見いだせなくなる。
生きているだけで良いのに、ダメだと思い込む。
歩いていること。
歩いている意味。

まあ、どうでも良いか。

あっという間に一時間以上歩いていたようだ。
Roadと言って良いのかわからない程度の道に出る。
Horse Rideに対応した広いキャンプサイトがある。
ここには冷たくて美味しい水が出ている。
ここでしっかりと水を汲んでいかなければ、次が長い。
にくい看板が立っている。
“Canada”
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綺麗に管理されているのか、錆の無いパイプから水が出ている。
受けは半分に割った丸太をくりぬいて作ってある。
馬も水が飲みやすいようにしてあるのか。

水を汲み終わる頃、チャーリーが追いついてくる。
どれくらい水を汲んだか聞かれる。
地図に示されている次の水場は近いが遠いようだ。
その次となると、13mi 先になってしまう。
ちょっと悩んだが、水で重たくはしたくない。
2リットル少しで行くことにする。

ここからも単調なトレイルは続く。
少し登りRidge(稜線)に出ると、そこをなぞるように歩くだけだ。
森林限界下で、これといった景色も無いが歩いていて気持が良い。
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歩く。歩く。
僕はハイカーだ。

この辺りは、Lassen Volcanic National Parkらしい。
広く人工物の無い景色が目の前にはある。
遠く見えるあの頂はなんであろう。
この時期にもかかわらず雪を被る姿は、また美しい。
おそらく、Mt. Lassen なのだろうか。
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Dry Pond と地図に書いてあるところは何もなかった。
そしてジープロードが横切るところから水場に行けるらしいが、それらしい道がない。
何となく、そのまま行き過ぎてしまったようだ。
というよりもそんな道なんか無かったのだ。
さて、困ったものだ。
水が思いのほか無くなってしまった。
ちょっと期待していたところもあったので、ぎりぎりにしてしまった。
次の水場まで10mi。
それでも行くしか無い。

余計なことはなるべく考えないようにして、黙々と歩く。
良い集中力だ。
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しかし、集中力は続かないから集中なのだ。
疲れが出て、のども乾き始める。
考えないようにと思うほど、空腹と乾きを想像してしまう。
ちょうどフラットでまっすぐな場所にでる。
休憩にしよう。

パックの外付けから短く切ったマットを取り出す。
マットを敷いて、パックを背にもたれる。
足を伸ばし、体をしっかりと休める。
食料袋からパンを出し、ジャムを塗る。
チーズとサラミをひとかけら。
ポテトチップスはごちそうだ。

水は口を潤す程度にしておく。
しかし、体が乾いているのがわかる。
もっと飲みたい!
体が訴えかける。
ごまかすように一服。

水が少ないと疲労感が出やすい。
重い体を起こし、さあ行こうかと立ち上がる。
体をほぐしていると、ジョーとチャーリーの姿が近づいてくる。
“水は大丈夫かい?”
チャーリーが僕に尋ねる。
“少しだけね。でもなんとかするさ。チャーリーは?”
二人も途中の水を期待していたが、それが汲めなかった。
“ジョーも僕も少し分けられるよ。君の水はきっと少ないと思ってさ。”
チャーリーとジョーは予想をしていたのか、余分に汲んでいたらしい。
断ろうとするが、強引に渡してくる。
ありがとう。優しさに感謝。

水の無いリッジはまだまだ続く。
リッジ歩きは気持ち良いかも知れないが、水の確保が厄介だ。
しかし日本同様、山容が小さくなればそれだけリッジに頼らなければならない。
諸刃の剣と言ったところか

森林限界下の単調な道を歩き続ける。
チャーリーが“・・・はどの辺りだろう”とジョーと話している。
そろそろかな、まだかな、と。

すると目の前に道標のようなものが。
ちょうど道の分岐にあたり、道標もあるが杭が無くなっている。
それを補う為に、きっと僕らの仲間、ハイカー達が作ったのだろう。
とても目立つ。
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水場はPCTから外れ、ここから北にトレイルを下るとあるらしい。
歩いて片道10〜15分くらいかかるらしいが、必要だ。
チャーリーはさっきこのこと言っていたのか。

チャーリーとジョーは以前みんなの水を汲みに行ってくれた。
ジョーは“Turtleはまだだよね”と行かせようとするが、ちょっと遠い。
チャーリーもそう思ったらしく、“遠すぎるよ”とフォローをくれる。

トレイルを下っていくと直ぐ右側に流れが分かる。
しかし、あまりにも少なすぎて汲めないのでもっと下まで降りて行く。
PCTほど整備されていないが気持ちの良い場所だ。
10分しない位だろうか、少し斜度が緩くキャンプできそうな雰囲気だ。
その辺りだと水が汲めそうだ。
ガサッ!突然の音!
鹿が走り去って行く。
子鹿だろうか、あまり大きな体ではない。
彼らにとっても貴重な水場なのだろう。

動物が普通に飲みにくるのが自然の水場だ。
だからこそそこには原虫類などがいるのが自然だ。
アメリカのトレイルには、やはり浄水器は必須なのだ。
流れは多くないもののしっかりとした綺麗な水を汲む。
浄水剤以外に僕は浄水ボトルもあるので直ぐに飲める。
乾いた体に冷たい水が染み入って行くようだ。
のんびりしたくなるが、登って戻らなければ。
億劫になる前に動き出そう。

PCTに戻ると少し休憩。
それにしてもHui は全く姿を見せない。
まあ、彼は一人で歩くのが好きなのだろう。
僕も自分のペースで、と思いもあるが、二人には本当に助けられて来た。
英語を教えてくれたり、代わりに話してくれたり、アメリカのハイキングも教えてくれた。
許せる限り、一緒に歩こう。

チャーリーが“もうすぐじゃないか”
とまた話している。
“何かあるのかい”
“ああ、PCTのMid Pointがあるんだよ”
えっっっ!
知らなかった。
地図を見るが、僕の持つPCT ATLAS には何も書いていない。
Eric The Devil! Fuck!
なぜ肝心なことは書いていないのだ。

水を汲んだり、休憩したりで、時間はもう2時半を回っている。
歩き出すもそわそわとしてしまう。
もう少しで。
見落とさないように。
すぐには来ないのはわかっているのに。

疲れもあるし、この時間はペースが落ちてくるが、気持ちが体を押す。
単調なトレイルがこの時ばかりは恨めしい。
やや登りが終わると分岐がある。
ここの時点で、僕の持っている地図ではNorth Bound とSouth Bound が逆転している。
しかし、この地図と公式データには4〜5マイルずれがある。

さらに先に進んでいると、トレイル上にサインがある。
Mid Pointを示すサインだが、ハイカーが作ったのだろう。
自分でGPSを使い計ったのか。
判別が難しいが『1328.1』『1/2 WAY』 だろう。
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“これのことじゃないよね、チャーリー”
“違うと思うよ。ねえ、ジョー”
“もっとハッキリしたモニュメントらしいけど”

モニュメントを探す旅は続く。
何かに気を取られている時は不思議と疲れを感じない。
さっきのサインからどれくらい歩いたろうか。
一時間くらい経ってしまったようだ。
まさか見逃したのだろうか。
気が急いてかなり速く歩いた。

道はなだらかに、やや傾斜を下げる。
前方には三角点のようなものが立っている。
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いや、まさか。
いや、ほんとか。
いや、いや、いや、ヤッター!
これが、Mid Point!中間点!Half Way!
長かった。早かった。
どうでも良いか。
カリフォルニアは長く広い。
ここまで、3ヶ月。
州が変われば気分も変わるが、まだカリフォルニア。
PCTの半分以上はカリフォルニアだ。
まだ、この先がある。
オレゴンの州境はまだ先だ。
まだ先だけど、いまここに来れらた。
来た。
半分だ。
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喜べ!喜ぼう!
興奮するなという方が無理だ。
みんなで握手。
抱き合い、称え合おう。

写真会はなかなか終わらず、良い一枚を取る為に一生懸命だ。
小道具を使い、三人でも一枚。
最高の笑顔だ。
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Trail Registerには懐かしい名前もある。
みんな元気に歩いているようだ。
見なくなってしまった名前もある。
元気にしているだろうか。
またみんなに会いたいと思う。

時間は幾らあっても足りない。
しかし、ここで今日は終われない。
そんなに広いキャンプスペースは無い。
Huiが追いついてこないのは気になるが先へ進もう。

時間は5時を回っていた。

快適な下り道。
Feel so nice! Feeling is Better!
久しぶりの高揚感に包まれている。
足は軽く、どんどん降りて行く。
時間も一緒にあっという間に過ぎ去る。

途中でジョーが何かに気づく。
トレイル脇にファイヤーサークルがあるが、そこが燻っている。
とても危険だ。
誰がやったのかはわからない。
けれど昨日ここに泊まったハイカーだろう。
なんて危険なのか。
これが山火事の原因となるところだ。
少ない水をみんなでかけて消火する。
とりあえずは大丈夫だろうか。
僕達も本当に気をつけなければならない。

大きなカーブを一つ二つ曲がり、小さな水場を渡る。
木々は針葉樹ばかりで、森は薄暗い。
鋭角なスイッチバックを曲がり降りると小さなキャンプサイトが。
先客ハイカーがいるが、時間はもう7時になっている。
さすがに今日は終わりにしよう。

それにしても今日は良く歩いた。
計算すると大体28mi。水汲みも含めたら29mi に近い。
この前は27miで弱音を吐いていたのに、一度越えてしまえば、余裕なものだ。

Soldier Creek は細いが水もある。
A couple of very small campsites とガイドされている割には、5張りはいける。
あまり良い斜面は無く、朽ちた木々や、倒木が多く荒れている。
PCTハイカーには十分過ぎる。

時間に余裕はあまり無いのに、何となく、沢で足を洗ったり、靴下を洗ったりする。
しかも、三人で。
同じ釜の飯ならぬ、同じ川の足、といったところか。

食事をする前にはHuiも追いついてくる。
さすがのスピードだ。
彼はATを歩いている。
ATや他のLong Trail を歩いたことがあるハイカーは独特のペースだ。
ゆっくりな様で早いし、早いようでマイペース。
やはりロングトレイルの歩き方がわかっているのだろう。

HuiはMid Point でセルフタイマーを使い、自分が歩くところを撮っていた。
なるほど、そういう写真も悪くない。
4人ともやや興奮気味。
素晴らしい。
祝いの一杯も無いけど、歩けたという事実だけで十分。

だけど、明日はお祝いの食事ができる。
しかも温泉まで。
山の中のリゾート地を通るが、とてもHiker Friendly で、食事もおいしいらしい。
ただ、寄り道すると何かが起きるのも事実。
どうなることやら。

開けていない微妙な場所なのに携帯の電波が入る。
久しぶりに日本に連絡をする。
みんな元気だろうか。
何事も無くしているだろうか。

もう半分。やっと半分。まだ半分。
ふるさとが恋しく感じる夜だ。

-"wavered"Turtle
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by hikersdepot | 2011-11-29 22:36 | PCT 2010 by Turtle
Sierra City, CA to Belden, CA / Day91 – 94/ Part3
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7/24(sat) Hiking Day 71 / 25mi /10:00am-6:30pm (8:30) /NB 1294mi
“Quick’n Fast Day Hike! ”

目を開くとその目には何も映らない。
いや見えているのは空だ。
薄曇りだろうか、まだ日が昇りきっていないだけか。

既にみんな起き始めている。
チャーリーはコンピューターで何かを調べている。
ヤバとEEはいつも二人仲良しだ。
まだ寝ているのは若者だけ。
昨日は遅かったのだろう、トレイン、ケイラブ、サンシーカーはいまだ夢中。
ジョーも起きられずにいる。

Terry & Nancy達はみんな起きていて、朝食の準備を進めている。
何か手伝おうかと動くと昨日と同じく、ハイカーは動いちゃダメ、の声。
そこにコーヒーがあるから、とモーニングコーヒーを楽しむ。

チャーリーは何をしているのか覗きに行くと、レンタカー会社を調べている。
なぜかというと、チャーリーは今までも何度かPCTを離れ遊びに行っている。
またなのだが、今回はテニスをしに行くという。
テニスですよ、テニス。
話は遡るが、チャーリーは地元でアマチュアテニスクラブに参加している。
そこには息子も一緒にいるらしい。
毎年あるアマチュアテニスの全国大会に出場が決まったのだ。
今年の開催地はオレゴンのポートランド。
どんどんPCTを北に向かえば近くは通過するのだが、当然間に合わない。
その大会は8月の上旬にあるらしく、リミットは近い。
チャーリーはせっかくだからその大会に参加したいのだと言う。
しかも娘の誕生日も近く、娘にも会えることがチャーリーのテンションをあげている。
チャーリーの自由さについては今更何も言うことが無い。

ところが、そのレンタカー会社がなかなか見つからないようだ。
確かにこの先の街もそれほど大きいところはないからしかたないのだろう。
唯一まともな大きさの街は、Mt. Shasta 。
PCTからは少し離れているが行く価値のある中規模の街だ。
そこにもレンタカー会社がないらしい。
値段は高いが他にはアムトラック(列車)しか無いのだ。
それには、Dunsmuir というMt. Shasta の手前の街からとなる。
結局結論は出ず、先延ばし。
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朝食が始まり、それはとても素晴らしいものだった。
家の中のキッチン周りに並べられたものを自分で取って行く。
僕の好きなものばかりだ。
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ホームメイドパンケーキにカリカリのベーコン。
リンクソーセージもあるし、スクランブルエッグ。
それからHomemade Potato Fries(シーズニングしタマネギと焼いたもの)。
コーヒーとオレンジジュースは鉄板だ。
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皿はあっという間に綺麗になる。
そして、おかわり。
昨日の夜あれだけ食べたというのに、僕の胃袋はまったく関係ないようだ。
せっかくなので、この光景をビデオに撮る。

食事も終わり、そろそろ出発の準備をしなければ。
トイレも済まし、歯も磨き、荷物を片付ける。
その前にスリーピングバッグを乾燥機にかけよう。
EEの真似だが、湿気を飛ばしてふかふかにしておこう。

チャーリーも準備が終わり、さあそろそろと思うがジョーの姿が無い。
探してみると、離れのベッドルームにいる。
かなりぐったりしているので具合が悪いのかと心配する。
ところが返事があいまいだ。
テリーも心配して薬は必要かと聞いてくる。
これにも返事があいまいだ。

よくよく聞いてみると、単なる寝不足らしい。
昨夜、トレイン達がうるさくてゆっくり眠れなかったようだ。
しかし、寝不足のジョーはいつものこと。
離れたダニエルのことなど、不安もあるのだろうか。

とはいえ、ぐずぐずなんてしていられない。
そろそろここも出ないといけない。
今日中になんとしてもBelden に着きたいのだ。
次の街Belden までは、あと25mi。
順当に行けば一日で歩くことができるはずだ。

順当に行けば。
この家族は素晴らしいトレイルエンジェルだ。
しかし、トレイルエンジェルの所へ行って早く出られた試しが無い。
それを覚悟してきていたものの、まさかこんな時間になるなんて思ってもいない。
結局、ジョーを起こし、荷物を準備して出発できたのは9:30am を回ってから。
エスフェイスはもう少ししたら出発するらしい。
トレイン達はのんびりしている。
YeahBut とEEはサウスバウンドで行くようだ。
それぞれみんなに挨拶をして再会を願う。
そして、Terry & Nancy達に心からの感謝と別れを告げる。

Terry がトレイルヘッドまで車で送ってくれる。
彼は、ここからBeldenまでは道も綺麗に整備され歩きやすく、一日で歩ける距離だと言う。
がしかし、この時間からだと厳しいかも知れないと言う。
とりあえず行ってみるしかないが、今の時間はもう10時になろうとしている。

二人はどう考えているかわからない。
僕は行きたいと思う。
テリーに感謝の気持ちを再び伝えて出発だ。
道路は馬蹄形に通っていて、トレイルはその道路Bucks Summitに向かう。
なだらかで歩きやすいトレイルを走るように歩いて行く。
細かいアップダウンはあるが、気にするほどでは無い。
左右の景色は流れるように消えて行く。
時間は見てはいけない。
とにかく歩いて行く。
少し登って行くと一気に道路、Bucks Summit に着く。

道路を横切り休まずに進む。
陽射しが今日も暑い。
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標高をやや上げるとBucks Creek を跨ぐ。
ここでしっかり水を補給しなければ先が長い。
後ろからチャーリーとジョーが追いついてくる。
“なんだか今日はとても早いな”とチャーリーとジョー。
“なんとしても今日はBelden に行くんだ”

ここからは斜度がきつくなって標高をぐんぐん上げて行く。
大きいスイッチバックだ。
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向こうからハイカーがやってくる。
見るからにスルーハイカー風だ。
Southbound のSection Hiker だろうか。
Hi、挨拶を交わす。
女性が“あなたはPCTハイカー? 何人?
僕は答える。
握手をして名乗り合う。
男性の方は、Halfmileというらしい。
Half mile!?
なんか聞いたことあるな。 ??? !!!
あのHalfmileだ!

“www.pctmap.net”ここにはフリーダウンロードできるPCTの地図がある。
ガイドブックや僕が使っているPCT Atlas はその縮尺が五万分の一だ。
その為決して詳細とは言えない。
なので、細かい地形の時に困るのだ。
ところが“pctmap”は約三万分の一で複雑な地形も読み取ることができる。
しかも地図に乗っているトレイルの軌跡は実際に歩いて取ったものだ。
その地図を作っている人。また、その軌跡を取っている人。
それが、Halfmile なのだ。

感動した。
思わず“おおっ!”とベタな声を出してしまう。
“ありがとう。お世話になってます。”
そう言うと恥ずかしそうに、ありがとう、と返事が返る。

嬉しくて、足取りも軽やかに歩き出す。
PCTに大きく関わり、PCT上の有名人の一人だし、
ある意味トレイルエンジェルでもある。

後ろからはチャーリーの声もジョーの声も聞こえない。
でも、僕が二人を引っ張って行けばなんとかなると信じる。
登り斜面は緩やかになり景色が開けてくる。
ここから東の方にはSpanish Peak という見晴らしの良い場所がある。
そちらから降りてくるハイカーがいる。
その服装からパークレンジャーだろうか。

時間は正午を回り。体も空腹を訴える。
木陰に腰をかけ、二人を待ちながら食事をして待つ。
結構長い休憩を取ったが、二人が来る気配は無い。
一服しながら、ストレッチをしてさあ出発と思うと二人の声が聞こえる。
二人も休憩していたようだ。
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テリーが言ったように歩きやすい快適なトレイルが続いて行く。
原っぱを抜け、森を抜ける。
トレイルは谷に降りていく。
そろそろ水の補給が必要な頃だ。
沢に沿うように歩いて行く。
見える川は美しく透き通っている。
その沢を跨ぐ場所がちょうど良い補給ポイントだ。
とても綺麗な水で気持ちのよい場所だ。
ゆっくりしたいところだが蚊が多すぎる。
一人先に歩き出す。

先に行くと向こうに人の姿がみえる。
一人は初老のセクションハイカー。
サウスバウンドで歩いているらしい。
もう一人はPCTハイカーの“Hui”だ。
名前の由来は良く分からないが、いかにも白人といった顔。
PCTハイカーにしてはとてもこぎれいにしている、初めて見る顔だった

Hui は先に進んで行く。
なかなか二人が追いついてこないので振り返り歩く。
稜線に出たトレイルはまた今までと違った景色だ。
屋久島で見るような岩が多くある。
ここも花崗岩が多い場所なのだ。
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それほど独走したつもりは無いが、二人の姿は見えてこない。
さっきいたセクションハイカーと話し込んでいるのだろうか。
先に行こうか悩んだが、立ち止まり待つことにする。
岩の上に腰をかける。
今日も天気が良くて暑いが、空気は乾燥していて気持ち良い。
高い山がすっかり無くなってしまった。
ここも標高は2000mも無い。
遠くまで広々見渡せる。

いつまでつづくのか。
どこまであるくのか。
はやくさきにいきたい。
ひとりあるいたほうがよいのかもしれない。

ぼんやりとしていると、向こうのカーブから現れる人が、チャーリーだ。
しかし、ジョーの姿は見えない。
こちらに来たチャーリーにジョーのことを訪ねる。
今日のジョーはいつもと違うようで、チャーリーは待つと言う。
“先に行ってくれ。追いつくから。”
そう言われたが、少し躊躇する。
と、向こうにジョーの姿が現れる。良かった。

安心して先に出発。
ここからは長い長い下り坂となる。
一気に1000m近く降りなければならない。
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大きなスイッチバックで少しずつ標高を下げるので、なかなか下に近づかない。
こんなに急ぐ必要なんて本当は無いかも知れない。
でも、いままでこうして少しずつ遅れて行ったのだ。
もう一つ今日の目標がある。
それはBelden にあるCaribou Crossing に行きたいのだ。
ミルクシェイクとものすごいボリュームのハンバーガーが有名。
YogiもPCTの中で最も美味しいうちの一つだと言う。
そう聞いたら行きたくなるし、本当ならこんなに焦らず行けたのだ。
とにかく今日はなんとしても予定通りに行きたいと思う。

そんなことを考えながら歩いているといつの間にか深い森の中。
植生はなんだか見慣れたものが多いように感じる。
鬱蒼として暗く、落ち葉の多い登山道。
まるで奥多摩の山の中を歩いているようだ。
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スイッチバックはどんどん細かくなるが、斜度はきつく、なかなか下に行かない。
建物や道路がちらと見えてもなお下り続ける。
下が見えてなおトレイルヘッドに出ないのも奥多摩みたいだ。
もう少し、もう少しと自分に良い聞かせながら歩くことにしよう。
トレイル脇に看板が立っている。
日本でも見るような登山道の案内板だ。
そしてトレイルは道路ではなく、線路へと出る。
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PCTは線路を斜めに横切って道路を進んで行く。
PCTにはしばしばこういった道路歩きがある。
この道に沿って行った先はBelden Town 。
時間は6時を回っている。

Belden は本当に小さな集落(Small Community)だ。
Belden Town と言われるところには小さなストアとレストラン。
それから数棟のコテージがある。モーテル代わりといったところか。
道路を少し西に行ったところにはPOがあるがここからは見えない。
レストランの前についてベンチに腰をおろす。
10時の出発から休憩込みで約6時間半。約25マイル。時速4マイルくらいか。
こんなに早く歩けるとは本当に驚きだ。

まだチャーリーとジョーは来ないのでレストランの中に入ってみる。
ストアはその中にあるので覗いてみる。
けっして品揃えは十分と言えない。
あまり綺麗にもしていないようで、埃がかぶるものもある。
コーラも古いパッケージだが、まあ良しとしようか。

コーラを飲み、タバコを燻らす。
レストランから出て来たライダーのカップルが訝しげに見てくる。
何に見えるのだろう。
Hiker or Trash ?

次にレストランから出てきたのは、今日会ったHui だ。
彼はここで食事をしていたらしく、美味しかったという。
ここの食事でも良いのだが、やはり目的はCaribou Restaurant。
しかし、カリブークロッシングの終了は午後7時位だ。
もう時間がぎりぎりという時になってチャーリーとジョーが来る。
チャーリーもこの早さで着けたことに驚きを隠せない。
少し興奮気味だ。

チャーリーはここのレストランでも良いのではないかと言うが、僕の願いを聞いてくれた。
カリブーレストランに電話をしてみると少し待っていてくれると言う。
しかしその時間は10分。
“PCTハイカーだから歩いていかなければならない。行けたら行くよ”
そう言って電話を切る。
間に合うだろうか。歩いて2mi。厳しそうだ。
もう一件電話をする。
トレイルエンジェルの Braaten’s だ。
レストランに行く途中にあるので、上手く行けば間に合うかも知れない。
電話がつながり事情を説明すると直ぐに来てくれると言う。
ありがたい。ぎりぎり間に合いそうだ。

ほっとして、チャーリーとジョーはストアを物色しに行く。
僕は外でのんびり佇む。
Hui と4人で待っていると一台の車が来る。
Braaten’s の車の様だ。
急いで来てくれたのだ。
と、後ろからもう一台の車が来る。
“あなた達さっき電話した人達ね。”
と車の女性に声をかけられる。
彼女はカリブークロッシングのオーナーの娘で、事情を察し、わざわざ迎えに来てくれたのだ。
なんてことだ。こんな優しさがあるのだろうか。
彼女はBraaten を知っていて、すぐに状況が飲み込めたようだ。
“レストランで待ってるわ。”そう言って去って行く。

迎えに来てくれたのはBraaten の奥さんで、とても優しい笑顔だ。
車に4人分のバックパックを入れると、
“トランクに4つ入れたのは初めてだわ”
と嬉しそうに言う。

自己紹介をしながら車は発進する。
Braaten’s Little Havenを通り過ぎ、先にレストランへ。
Braaten’s からレストランまでは歩いて5分くらいの距離だ。
Hui は食事済みなのでカリブークロッシングでは降りずBraaten’s へ。
僕たちは空っぽの胃袋を安心させる為にレストランの中に入る。

レストランとは言っても、オートキャンプの管理棟とストアを兼ねた小さな建物だ。
しかし、映画に出てきそうな雰囲気の良い田舎のレストランだ。
中に入るととても優しげな老婦人が挨拶してくれる。
彼女がここのオーナーだろうか。
とてもHiker Friendly な店だと書いてあったが、その通りのようだ。
それから迎えに来てくれた女性もいたので感謝を述べる。

この時点で無理を言って開けてもらっているので急いで注文をすることに。
メニューを見てみると、Breakfast もやっているじゃないか。
これなら急がずに明日の朝でも良かったかも知れない。
注文はBacon Cheese Hamburger!!! & Chocolate Milk Shake!!!
“Yeaaaah, Perfect!”
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テーブルに引かれたビニールの下にはここの歴史の写真と釣り上げた魚の写真。
この辺りもFishing が盛んらしい。
よく見てみればストアにも釣りに関係したものがかかっている。
先に出て来たシェイクにびっくり。
グラスが二つ出てくるのは、入りきらないからだそうだ。
ミルクシェイクとコーラを飲みながら待っていると、とても良い匂いとともにハンバーガー登場。
パテが香ばしく焼けた香りがたまらない。
いかにも美味そうなハンバーガーだ。

ミルクシェイクもハンバーガーも申し分の無い美味しさだった。
どれだけのハンバーガーを食べただろうか。
ファストフードとは明らかに違う、本当のアメリカの味。
本物のハンバーガーの味だ。

ゆっくり余韻を楽しみたくもあるが、時間を延長してもらっているのでそうもいかない。
しかし、売店はまだ開けるらしく人が続いて入ってくる。
僕はコーラを、各自必要なものを購入して店を出る。

外は涼しく、日が暮れて薄暗い。
とても気持ちのよい時間だ。
Belden は深い谷にある集落で、川に沿って道路と家がある。
よくよく見れば本当に奥多摩のような景色だ。
ここは沢井か御岳か。
気持ちの良い風が吹く川沿いを歩いてBraaten’s へ向かう。

燻る煙を纏い歩いて帰るこの道の幸せ。

Little Haven(小さな安息所)と書かれた標識があるところを入る。
母屋の隣に離れがあり、そこがPCTハイカー用に解放されている。
母屋の方に挨拶にいく。
“明日は日曜日で礼拝に行くから、自由にしていて”と言われる。
離れの方に行くとHuiの姿がある。
美味しかったかい?の声。

ジョーはHui に以前会ったことがあるようだ。
部屋の中に入ると他のハイカーの姿が。
ずっと前に会ったBen がいる。
一緒にFidgit もいるらしいが今はシャワー中だ。

部屋は中心の6畳ほどの部屋。それから二つベッドがある2部屋。
キッチンとバスルームといった構成だ。
Ben とFidgit が一番良い部屋を確保済み。
Hui も良い場所を確保していた。
空いたベッドは一つだが、小さくて寝心地が悪そうだ。
ジョーが手を挙げるので、チャーリーも譲る。
狭いベッドよりは広々とした床の方が大の字になって寝られる。

あまり綺麗では無いキッチンのそばにはハイカーの荷物が積まれている。
連絡をしたハイカーの分をBraaten がピックアップしておいてくれるのだ。
本来他人のものを持っていくのは許可されないのだろう。
しかし、PCTハイカーの為なのか、それとも小さな田舎町だからか。
たしかにここのPOは不定期で休む上営業時間も短い。
ハイカーにとっては不便以上だからこそのサービスだろう。

その中にチャーリーと僕の荷物を見つける。
何日前に買った食料だか全く気にならない。
この辺りの区間は想像以上に食事がとれるので、持った食料の余りがひどい。
必要の無いものはHiker Box かジョーとフウイにもらってもらう。
特にエナジーバーなどは高価だけに二人は喜ぶ。
僕の食料はそんなに贅沢ではないはずだが、チャーリーの食料は高価だ。

荷物の整理をしているとFidgit がシャワーから出てくる。
初めて会った時よりもスリムになったワンピース姿の彼女はかわいく見える。
まだシャワーも浴びていない汚くて臭い僕達にハグしてくる。
彼女はいつも全身で感情を現す。

順番にシャワーを浴び、ざっと洗濯をする。
部屋が暑いので扉を開けていると、蚊に刺されまくる。
外で一服中も気が抜けない。

みんなで今までの近況報告や、これから先の情報交換などをするがそろそろHiker Midnight。

時が経つのは本当に早い。
もうすぐ八月になる。
今後の計画をしっかりと立てなければ。
そわそわと落ち着かない夜だ。


-"runing"Turtle
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by hikersdepot | 2011-11-05 14:17 | PCT 2010 by Turtle
Sierra City, CA to Belden, CA / Day91 – 94/ Part2
7/23(fri) Hiking Day 70 / 23mi /6:40am-5:45pm (11:05) /NB 1270mi
“Unexpected”

昨日の精神的なダメージもあり、なかなかすっきりと目覚められない。
寝起き早々にもよおしたこともあり、いつもより遅れて出発する。

地図では少し登って、それからは下りになり標高を下げるようだ。
しかし、登っては登り、少し下っては登り登り、なかなか下に行かない。
チャーリーが立ち止まり、写真を撮っている。
何かあったのか聞くと、ハートのマークに見えるだろう?と。
なるほど見えなくもない。
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そのあと、突然叫ぶチャーリー。
何やら興奮の様子だ。
そこにいたのは、とても大きい緑のナメクジのような生き物。
Banana Slug、と言うらしい。
ワシントンでも良く見かけるようで、チャーリーはとても懐かしい気分になるという。
気候が大きく違う離れた場所で見慣れたものに出会える喜び。
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余韻に浸っていると、突然の急下降を強いられ、Feather River に飛び出す。
山深い周りとはそぐわないほど立派で大きな橋が架かっている。
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Feather River は川遊びを楽しめるちょうど良い場所で、
川沿いには少し広めのキャンプサイトもある。
水は綺麗な色をしており、心が和む景色だ。
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橋のたもとから川底まで急斜面を降りて行く。
チャーリーとジョーはノリノリで岩を飛び越えて川へ直行だ。
僕も行くが、早く先に進みたい気持ちも強かった。
もう少し、心に余裕があっても良いとは思うのだが。
とりあえず、荷物を落としても嫌なのでパックを置く場所を探す。

と、チャーリーの叫ぶ声に驚く。
何があったのかと思い、二人のいる岩まで行くと、チャーリーの浮かない顔がある。
チャーリーのハイキング中のトレードマークは日除けの傘だ。
銀色に光る傘は遠くにいてもチャーリーの居場所を教えてくれる。
その傘を落としてしまったというのだ。
バックパックの脇に差していたが、川を覗き込んだ拍子に落としたらしい。
川を覗いても光の乱反射で見えない。
偏光のサングラスで覗いても、水中に立つ泡でやはり見えない。

それより流れて行ったのではないかと思ったが、遅い。
流れているとしたら、とっくに見えないところまで流されている。
元気を振り絞ってチャーリーは振る舞うが、ショックは隠せない。
二人は川にダイブしたり、泳いだりしている。
僕は体を洗った後、のんびりと日向ボッコだ。

1時間経っても動き出そうとしない二人だが、ぼくが動けば立つだろうか。
そう思って撤収を始める。
片付けが終わり、橋の上を見上げるとハイカーの姿が見える。
昨日会ったトレインと他にも人の姿が。
先に行っていたはずが、どこかで追い抜いていたようだ。

橋まで上がってみると、ハイカーの姿がはっきり見える。
その一人は、一日だけ一緒にキャンプした、Sun Seeker だ。
それから、初めて会うCaleb(神聖な名だが、そんなキャラじゃない)だ。
“川で遊んでいたんだ、気持が良いよ”
三人は橋から川を覗き込んで何かを考えているようだ。

トレイルは川沿いに進み、徐々に山を上がる。
一度ターンするとそこからは延々と緩やかに山肌を上がる。
ゆっくりと、スイッチバックをする訳でも無くゆっくりと。
日本なら一気に直登だろうか。
歩くのは楽で良いが、長い。
深い谷の奥にずっと歩いて行くと、やっと谷を跨ぐ橋がある。
この橋を渡ると、またも、延々と緩やかに山肌を上がる。
文字通り、延々、とした単調なトレイルだ。
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やっと上が開けてきて、空が近づいた気がする。
それでも、緩やかな登りはあっさりとは着かせてくれない。
山肌からチロチロとしみ出す水がある。
その先には小さいものの、しっかりとした水が出ている。
ここで休憩することにしよう。
きっとチャーリーとジョーもじき追いつくだろう。

いつものHiking Foodをいつものように食べる。
ビーフジャーキーは、カロリーこそ低いが明らかに力となる。
むしゃむしゃとかぶりつく。
二人も追いついてきて、食事と水の補給をする。
ほっと一息、一服も済まし、先に歩き始める。

思っていたよりも、稜線まではまだある。
しかし、斜面は一気に緩やかになり歩きやすくなる。
景色も開け、眼下には大きな森が広がっている。
空には変な雲が立ち上っている。
変な生き物のようだ。
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何気なく通り過ぎようとしたトレイル脇に看板がある。
大きく、Trail Angel の文字が。
良いことばかり、誘う言葉が書いてある。
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トレイルエンジェルについてはかなり疑心暗鬼になっている。
Bucks Lake にいるトレイルエンジェルからの誘いだ。
チャーリーが追いついて、同じようにじっと見つめる。
メモにはハイカーのコメントが書いてあり、それを読むと珍しい名前もある。
気乗りは全くしない。

先に歩きだし、少し進むと大きく開けた場所に出る。
地図上では、Lookout Rock と書いてある場所で、さすがに見晴らしが良い。
岩に埋め込まれたBlaze がある。
アメリカの森林にはFire Look Out が随所にあり、森林火災の際の見張り所とするようだ。

真下は絶壁で落ちたら最後、パックを置いて岩の上に座り込む。
二人も追いついてきて、三人で座り込む。
”さっきの雲はエンタープライズみたいじゃないか?”
スタートレックの宇宙船のことだ。
たしかにそう見える。
“トレイルエンジェルの家に行かないかい?”
僕は嫌だと伝える。
“そう言うと、思った。”と笑う。

とても景色が良い場所で、しばし座り込む。
なんともなく、穏やかな、柔らかな時間が過ぎて行く。
“トレイルエンジェルの家に行きたいかい?”とチャーリーに訪ねる。
“ん〜、どっちでも良いかな。”と言う。
ただ、知った顔がいるようだから会いにだけ行きたい、とのこと。
レストランまでの道すがらの様だし、懐かしい顔には僕も会いたい。

立ち上がり、スタートだ。
ジョーは今日も元気だ。
若いって素晴らしいことなんだ。
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トレイルはゆるやかに下に向かい始める。
森の中をどんどん歩いて行くとジープロードにぶつかる。
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ここからPCTは大きく尾根を回り込み降りるが、ジープロードはショートカットできる。
ジョーはジープロードを、チャーリーと僕はPCTを行く。
どうとないトレイルを駈けるように下って行く。

突然に道路へと飛び出す。Honker Pass、Bucks Lake に向かう道路だ。
するとジョーの姿とたくさんの人々が。
きっとトレイルマジックだろう。
小さい子供が二人とその父親。
それから年配の女性が二人いる。
ジョーは旨そうにソーダを飲んでいる。
彼らは、僕らにもクーラーボックスの中のものを勧める。
ありがとう!待ってました!
他にも果物やケーキがあるというので、遠慮なく頂こう。
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二本目のコーラを飲み始めた頃、やっと状況がわかってきた。
年配の女性の一人は、Fuzzy Monkeyのお母さんだという。
息子を応援する為に、友達とここまで来たのだと言う。
その息子をここで待つ間に通るハイカーの為、トレイルマジックをしているのだ。
とすると、親子はなんなのだろうと思っていると、この人こそ、あの看板を立てたトレイルエンジェルだという。
とても親切で優しそうな人だ。
わざわざここでハイカーが通過するのを待って自宅へと連れて行っていると言う。
“今日はうちに来るんだろう?”の言葉にチャーリーとジョーは僕を見る。
にやにや笑ってる。
まあ、この人なら“変なトレイルエンジェル”では無いだろう。
“行こうよ”と僕は言う。
三人にしかわからない笑顔で笑い合う。

Fuzzy Monkey のお母さん達に感謝を述べ、トレイルエンジェルの車に乗る。
彼の名前はTerry Williams、ハイカーだ。
PCTこそは歩いていないが、ハイカーの為に何かしたいと思っていたらしい。
もともとここにサマーハウスを友達と持っていたが、PCTハイカーを迎え入れ始めたのは一昨年くらいかららしい。

トレイルヘッドからは車に乗って5分位で家に着く。
家自体は大きくはないが敷地がゆったりとしている場所だ。
とても広いテラスには数名のハイカーの姿が。
その中にはYeah But とEE (Double E) がいる。
彼らと最後に会ったのは Lone Pine の街だ。
シエラの雪の多さにFlip-Flopで進むことにしたが、その後ジアルディアにかかりトレイルを離れていたらしい。
彼らのジャーナルを読んでいたチャーリーはとても心配していた。
時間はかかったがトレイルに復帰していたことを喜び合う。
それから、毎度おなじみのAss Faceもいる。
彼とはいつも抜いては追い抜かれ、また追いつく。
Terry の奥さんのNancy やTerry の母親やその友人達に挨拶をする。
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さっき食べたばかりでも少し落ち着くと何か食べたくなる。
夕食まではまだ時間があるし、とりあえずストアへ繰り出す。
歩いても行ける距離だが、ハイカーは無駄に歩いちゃいけないと言われ、車を出してくれる。
ストアに行く途中にBucks Lake が見える。
ここからは大きくは見えないが、なかなか大きい人造湖らしい。
しかし、人造湖とは思えないほど自然と溶け込んでいる。

ストアはレストランと併設していて、Kennedy Meadows やMono Hotspring のカントリーストアと同じ規模。
中に入って見てみると、それでも数日のハイキングをサポートできる食料はありそうだ。
とりあえず、僕はコーラを、チャーリーはノンアルコールビアを仕入れる。
他にも気になるものばかり目に入る。
どのお菓子もおいしそうだし、大きいマフィンも気になる。
そして結局食べるのがアイスクリームだ。
たしかに欠かせない存在だ。
夢中になっているとレジの女性が話しかけてくる。
“今日電話をしたのはあなた達?”
チャーリーが、そうだよ、と返事をすると、やっぱりね、の声。
ごめんよ、今日はレストランで食事をしなくて良くなったんだ。
そのかわりたくさん買って行くことにしよう。
さらにオレンジジュースを追加してストアをでる。

このあと夕飯が待っているにも関わらず、すごい食欲だ。
自分でも呆れてしまう。
アイスを食べながら、Williams宅に戻る。
誰も突っ込んだりはしない。
それくらいPCTハイカーの食欲は異常なのだ。
トレインやサンシーカー、ケイラブも来ていて夕食ももうすぐだ。
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とりあえず人心地ついたので、今度は体の垢を落とす。
着替えは全て用意されていて、まるで小さなSaufley’s(※1) だ。
交代で着替えながらシャワーを浴びようとしたが、ジョーが浴び終わると夕食になる。
シャワーは後回し。

出てきた食事はとても豪勢なもので、スペアリブやポテトやサラダ、デザートまで。
デザートはフルーツとチョコレートケーキ。
至れり尽くせりだ。

こんなに多くなると思わなかったから少なくてごめん、と言う。
今日のハイカーは9人。
その通り、30分も待たずに無くなってしまう。
何よりも感動したのは白米。
しかも、日本製の古い炊飯器で炊いたものだ。
とてもおいしいご飯なのも当然で、この家をシェアしているTerry の友人は米作農家だ。
本当に美味しくて興奮していると、“あなた日本人なのね”と言われる。
欧米人から見るとアジア人は見分けがつかない。
“そうだよ。アメリカでこんな美味しいお米が食べられると思わなかった”
“そういえば、うどんもあるわよ”とNancy。
そういって家の中に招いてくれる。

乾麺のうどん以外にもそうめんもあるが、どちらかと言えばうどんだろう。
作ってくれるというのでお言葉に甘えることにする。
正直、味には期待が出来ないがそれは仕方ないだろう。
食べられるだけ贅沢なものだ。

降りてきてから食いっぱなしなので、結構お腹は膨れている。
それでも、断ることも出来ない。
まあ、量もそんなにないからと思っていた。
しかし、出てきたのは乾麺一袋分全部だ。
200gか300gか、大きいボールに溢れんばかりの麺だ。

チャーリーやエスフェイスに食べるか聞くがお腹いっぱいだという。
これは気合いを入れて食べるしか無さそうだ。
エスフェイスが“せっかく作ってくれたんだから全部食べなきゃな”
傍らにはコーラを準備し、自分の箸を用意して、いざ!
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汁は出来合いの味だが、それでも魚の出汁に醤油の味は懐かしい。
“箸が無くてごめんね、味はどう?”そう言って僕を見に来ると、
“あら!箸を使っているわ。自分のなのね!上手に使うわね”とお褒めの言葉。
まあ、日本人ですから。
“おいしいうどんをありがとう”
あんなにお腹いっぱいだったのに日本の味は簡単に食べられてしまう。
いやあ、本当にお腹いっぱい、ぱんぱんだ。
感謝とともに片付けようとすると、
“ハイカーは無駄に動いちゃダメだよ”
と再びの忠告。多々感謝。
Yogi に載せるように言いたいと話していると、
関係の無い人達が来るのを避けたいからやめて欲しいと言われる。
なるほど確かに。
だから長く続けているトレイルエンジェルは心が疲れてしまうのだろうか。

母屋とは別にある小さな離れには小さな寝室とシャワールームと洗濯機、洗面台。
着替えを準備して、シャワーを浴び綺麗さっぱり、生き返る気分だ。
洗濯は三人分をまとめて回す。

外は日が大分落ちてきている。
ファジーモンキーが母親達と遊びにきている。
彼らはこの近くのコテージに泊まっているらしい。
今日トレイルヘッドで配りきれなかった飲み物、食べ物を持ってきてくれた。
風呂に入ったら空きの出来た胃袋に放り込もう。
庭では焚き火が始まり、周りは一気に暗くなる。

ハイカーの為に解放してくれているコンピューターで日本に連絡をする。
大きな街に降りられなくなって、連絡が取りにくい環境だ。
そんな中で、本当にありがたいことだ。

ジョーは本当に元気で、来た早々ピンポンを楽しみ、今度はカードゲームだ。
ただカードゲームは人数が必要。
当然僕もかり出される。
エスフェイス、チャーリー、ジョーと僕。
今日はポーカーをすることになる。

僕はギャンブルはしないので、ポーカーと言えば一つだと思っていた。
しかし、ポーカーにも種類があるのだ。
駆け引きだけでは無く、時には大胆さも必要となるのがゲーム。
やれば楽しくてぐっと引き込まれる。
けれど、弱い。賭け事には向かないのだろう。

テラスにマットを引き始めるYeahBut とEE。
なるほど、ああして寝る訳だ。
ゲームを引き上げ洗濯物を片して寝る準備をする。
まだまだ寝そうにないのは、トレイン達。
僕も焚き火のそばに行き、火に当たる。
Terry は彼らとの話に夢中になっている。
子供達はその側で怒られながら薪をくべようとしている。

寝る前にもう一度コンピューターで日本からの連絡が無いか見るが、そんなに早く返信は無い。
空には星が瞬いている。
綺麗だ。

コンピューターを部屋の中に返し、僕も就寝時間だ。
チャーリーとジョーは既に寝袋の中。
それほど寒さを感じない、暖かい夜だ。
しっかりとストレッチをして体をほぐし、日記を書く。
ダウンバッグを開き上からかけるだけで十分そうだ。

本当に予想もしないことがいろいろあった一日だった。
ああ素晴らしい。
なんて気持が良いのだろう。
仰向けになり空を見ると星がたくさん浮かんでいる。
今日最後にこの目に映るのはあの星空だ。


※1 Saufley’s はAqua Dolce のTrail Angelの家で、Donna Saufley はPCT上で最も有名なトレイルエンジェル。何も無いところにハイカーの為にわざわざ家を用意した。ハイカーの心を最も良く理解したトレイルエンジェルの一人。


-"fullness"Turtle
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by hikersdepot | 2011-11-02 14:09 | PCT 2010 by Turtle