「ほっ」と。キャンペーン
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GearLoop Market in Earth Garden
このブログでPCT以外のことが上がるのは何ヶ月ぶりなのでしょうか。
PCTブログは、遅々として進まず本当に申し訳ございません。
また他の話が上がるのを楽しみにしている方も申し訳ございません。
私、"easygoing"Turtle です。

さて、今日10月22日(土)と明日23日(日)に代々木公園で催されるイベント”Earth Garden”内でアウトドアショップ、アウトドアメーカー合同のフリーマーケット”Gear Loop Market”。

今朝、開催の手伝いに行ってきました。
朝早く、開催前から多くの人が訪れてくれました。
雨の降る中、濡れながらギアを真剣チェックする人達でごった返しています。

早めに行ってレアものを発掘するも良し。
ゆっくり行って、値引き合戦で楽しむも良し。

他にもオーガニックや地球に優しい物がたくさんのイベントです!
ぜひ足を運んで見て下さい!

詳しくはこちら。
http://www.earth-garden.jp/festival/16054/

もちろん、お店も通常通り、正午から午後8時まで営業しております!
お待ちしております!!!

-S. Turtle H.

e0128835_11504463.jpg手前が山より道具の寺澤さん。
真ん中は当ショップのボスつちやです。
その右脇にちらりと見えるのは、下北沢のYさん。

結構レア写真!?
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by hikersdepot | 2011-10-22 11:59 | 戯言
Sierra City, CA to Belden, CA / Day91 – 94/ Part1
7/21(wed) Hiking Day 68 / 18mi /11:30am-7:30pm (8:00) /NB 1220mi
“Disorder”

カリフォルニアは今日も青空だ。
ベッドで眠り疲れも少しは取れた。
とりあえず朝食の為にRed Moose Café に向かう。

朝食はみんなカウンターに座って、餌を待つ小鳥のようだ。
それにしても最近の自分の感情の起伏には嫌気がさす。
ジョーとチャーリーの、のんびりペースにいら立つのだ。
なんとなくジョーとチャーリーより一つ離れた席に座る。
まあ、椅子が壊れていただけだけど。

朝食ももちろんベジとミートにわけられているし、いくつかメニューもある。
僕はいつも通り、エッグとソーセージ、それからパンケーキの朝食だ。
サニーサイドエッグもソーセージも普通に終わったが、パンケーキが。
とても10センチも無いほどの小さなパンケーキだった。
ちょっと足りないなと素直に思った。
ところが、次から次へと出てくる、出てくる。
5枚、6枚、7枚・・・。
もう結構です、とPCTハイカーに言わせるほど出て来た。
ところが、最後に美味しいフルーツが!
腹が一杯でも果物は次がいつか分からない、貴重だ。

朝食を食べ終えて、さあ出発とはならないのがこの二人。
ジョーは片付けも終えていないので、ぐずぐず。
チャーリーはテントのスタッフバッグを直してもらう。
もう諦めましょう。

二階には無料で使わせてくれるコンピューターがある。
それから、もう一部屋、泊まれる部屋もあるし、今作っている部屋もあるのだ。
さすが、DIYの国アメリカ。
話を聞いてみると、ここを買ったのは最近のことらしい。
だから、まだまだ通常オープンするには早いので、INNはやっていないことにしているのだ。
カフェの方も気が向いたら開けているだけの様だ。
なんて贅沢な話だ。
二人とも定年は過ぎた年だろうから、悠々自適の老後生活と言ったところか。

ジョーの撤収も終わり、チャーリーの袋も修理が終わる。
とてもかわいく丁寧に直してくれている。
さあ、今度こそ出発、とはまたまたならない。
奥さんによる、この家の説明会が始まる。
さんざんお世話になったのだから、それくらいは良いだろう。
各部屋の説明から、今作っている部屋、ベランダと順番に見て行く。
そして、納屋に来て驚く。
ちょうどみんながテントを張っていた裏庭が見える。
この納屋の中には大きなVehicle が二台置いてある。
何やら巨大なホースも。
そこで始まった説明は、Mining のことだった。
要するに“採掘”であり、それは“金”であった。

この辺りはゴールドラッシュの時代に栄えた街で、サンフランシスコとここを結ぶ道でもあったらしい。
昨日越えて来た、この街の横を流れるYuba River も有名な金の発見場所らしい。
小さい砂金は良く取れているらしい。
巨大なホースは川の砂を一気に吸い上げる為に使うらしい。
Vehicle に乗って山奥まで行くことも良くあるらしい。
それがこの夫婦二人の趣味だった。
いままで見つけた量は結構あるらしく、溜まると売りに行くのだという。
特に、今は世界的に金が高騰している。
写真を見せたいと言うので、店内に戻る。
その写真は採掘最中の写真や今まで取った金の写真。
それから、いくつかのサンプルを見せてもらった。
そして、奥さんが首から下げていた変わったデザインのネックレスは、
見つかったそのままの金の塊をペンダントヘッドにしたものだ。
それにしても、金は意外と高いもので、小さい物でも$1,000位の価値があるらしい。
奥さんのペンダントも、決して大きく無いが、$3,000以上の価値があるという。
PCTハイキングを休んで金探しでもするか、と冗談を言い合う。

ひと通り食事も話も終わる。
一人一人会計をするが、夕食と朝食であれだけ食べて、一食分の値段だ。
さらにモーテル、トレイルヘッドへと送ってくれるという。
すぐには出ないAnn、Whippoorwillに別れを告げて出発だ。
一夜の宿に別れを言い、荷物を車に投げ入れる。
トレイルヘッドまではあっという間だ。

本当に本当に感謝感謝。
なぜこれほどにと思うほどみんな優しい。
多少の癖はあるものの、みんなのその気持ちが本当に胸に響く。

出発は予定よりは大分押してしまった。
大分というか、もう既に昼飯時だ。
ここから、昨日見たSierra Butte まで一気に上がる。
4600feet から7300feet位まで、一気に800m近い登りはきつい。
しかも、それをスイッチバックで登るので、斜度は緩く歩きやすいが、長い。
濃い樹林帯は日本の登山道を思い出させる。
空気はからっとして、今日も暑い。

昨日からたくさん食べてエネルギーはいっぱいなので足取りは軽い。
軽快に上がって行く。
徐々に景色が見えて来て、不意にTimberline を抜け出す。
なかなかかっこいいピークだ。

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稜線はこのような岩場が連続して続いている。
下を見ると、なかなか恐ろしい、切り立ったトレイルだ。
深い渓谷の街、Sierra City がすっかり見渡せるということは、
この斜度もきついということ。

トレイル整備をしているボランティア達が休憩をしている。
狭いトレイルの中で、草むらの中に身を沈めて陽射しを避けている。

トレイルはさらにスリル満点のところへ。
アメリカのトレイルはおおむね安全で広いが、ここはすれ違うことは厳しい。
トレイルに斜度がある上に、今でもガレそうだ。
下には以前使っていたトレイル跡が見えるが、途中が完全に崩れている。
さらに、ガレた石の道は歩きにくいことこの上ない。

足下に気をつけながら、上からの落石にも気をつけてトラバースする。
集中してそこを抜けると、道はまた木々の中へと入って行く。
一休み。
遅い出発に今日はどこまで行けるだろうか。
しかも、この先は水の乏しいエリアになるようだ。
アメリカのトレイルは水が豊富で補給しやすいと思われているが、まったく違う。
PCTでも稜線を長く歩くことがあり、そういう場合は日本同様に水場が少ない。
ほとんど、小さい流れやトレイルを外れた池、沼の水だ。
時には虫の湧いた貯水槽の水だって貴重になる。

道は平凡になり、ひたすらに先を目指し歩く。
稜線を辿るように道は進み、時々ジープロードが横切る。
こんな稜線を越えるようにまで車の為の道がある。
徹底的な保護の上の、自然で遊ぶことの自由。
その枠以外のしっかりとした開拓。
まあ、人の為のTrail は許されて、車の為のRoad はダメと言うのは不自然だが。

Packer Lake Saddleからの景色。日本でいう鞍部だ。
日本でもアメリカでも同じような言葉が生まれるものだ。

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PCTハイカーにたんたんと歩くかせたらとても早い。
あっという間に6miを歩く。
Summit Lake Road にぶつかり、ここで水を汲むことにする。
時間も遅くなったので、そろそろキャンプサイトを探す為だ。
Summit Lakeはトレイルから一番近くにあるので選んだのだが、楽して水を得ようとした罰か。
Lake よりPond、沼というのがふさわしい小さく汚い。
そこから流れ出る水の流れも決して綺麗とは言えない。
よく見ればボウフラも浮いている。
チャーリーもジョーも浄水器を持っていない。
僕は、バンダナで一度漉し、浄水剤と浄水器があるのでなんとか水を汲む。
贅沢はいっていられないのだ。
しかし、チャーリーもジョーもこの水は嫌だという。
もっと先まで探しに行くとだだをこねはじめる。
水汲みが終わらないうちに二人はさっさと先へ行ってしまう。

後を追って先へと進む。
日は傾き、山の向こう側へと沈んだ。
薄暗くなったトレイルを急いで歩く。
時間は午後7時を回り、樹林帯の中は一気に暗さを増す。
いくら先へ行っても二人の姿は見られない。
これじゃ、なんの為に水を汲んだのか分からない。
気づいた3mi以上歩いていた。
トレイルが横切るが二人の気配は見えない。
まだ先なのか。

さらに1miほど夢中で歩いたところで急に広いスペースに出る。
地図ではSmall Pond とだけ書いてあるが、たしかに小さな池がある。
さっきのPond よりかなりましな水の様だ。
その手前の広いスペースには二人の姿がある。
正直、腹が立っていた。いらいらしている。
無言で寝床を選んで家を建て始める。
ジョーが、向こうにきれいな水の流れがあるよ、というが簡単に返事をしただけ。
二人は綺麗な水を得られてご満悦のようだ。
わいわいと盛り上がっている。

なんだか自分の気持ちを持て余している。
困ったことだ。
どうしたら自分らしくいられるものか。

二人はせっせと焚き火の準備を始める。
今日のデザートの為の準備だ。
シエラシティで買ったマシュマロを焼いて食べようと言うのだ。
夜は結構冷え込むので、火があるとありがたい。

まずは各自の食事だが、ジョーはストーブを持っていない。
彼はハイキング中全ての食料をスナックで終わらせる。
若いからこそできる無茶な様な気もするし、効率の良いこととも言えるのか。

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まだチャーリーも僕も食事を終えていなかったが、ジョーはマシュマロを焼き始める。
木の枝を拾って来て先に刺し焼くが、あまり火に近づけると焦げてしまう。
遠火の強火が旨くするコツだ。
チャーリーも参加して盛り上がる。そのノリについていけない、いかない自分がいる。
“食べなよ”と言われるが素直に“うん”と言えない。
しかし、何度かの誘いに乗りマシュマロを焼き始める。
うまい!
たしかにテンションは上がる。でも、素直に乗れない。
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気づいたら、Hiker Midnight だ。
気分が乗らなくてジャーナルも書き進められない。
今日は久しぶりに寒く、空気が冷え込んでいる。
頭が冷静になっていく。
あまり考えるのは止めよう。
深く煙を吸い込んで吐き出す。
それと一緒に腹にたまったものも出してしまおう。
澄んだ空気が気持ちを綺麗にしていく。


7/22(thr) Hiking Day 69 / 27mi /6:30am-6:30pm (12:00) /NB 1247mi
“Emotional Day”

澄んだ空、冷えた朝。
昨日遅かったので、少しスローペースの二人より先に出る。
ぼおっと歩いていたら、ジープロードに出たところで道を間違えてしまった。
戻ってトレイルに復帰するが、二人は先に行ってしまったようだ。
ジープロードに沿うように道はつけられていて、何度か横切る。
稜線を辿るので楽に歩け風を切って進む。

ただ、前に、二人を追うように歩き回りの景色は目に入らない。
今どこを歩いているのか把握する必要も無い。
僕はWalking Machine と化す。

どのくらい歩いたろうか。
気づくと谷を歩いていて陽射しが入らず少し寒い。
前方から人の声が聞こえてくると、トレイルを外れスペースがある。
そこには、チャーリーとジョー、それから,Chief Daddy がいる!
本当に久しぶりの再会だ。いつぶりかも思い出せない。
先か後かも分からなくなっていた。
彼が一緒に歩いていたMaxは先を歩いているのは知っていた。
しかし、チーフダディははっきりとしなかった。

隣にはかわいい女性が一緒にいる。チーフダディのガールフレンドだ。
彼女とはセクションで一緒に歩いているようだ。
以前よりも雰囲気が変わっていた。
PCTに疲れてしまったのだろうか。
あまり長居もしていられないので、先を進むことに。

少し休憩を挟んで歩き続ける。
景色は開けて明るく美しい。

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今日は稜線から谷、また稜線へと景色の変化があって歩きやすい。
前方には岩のピークが見えてくる。
North California に入ってからはピークのほとんどは狭い岩山だ。
しかし、その景色もまた美しい。

PCTはそれらのピークの東側を巻くように進んでいる。
下がっては上がり、鞍部を越えて、まだ山裾を辿っている。
トイレに行ったチャーリーは少し遅れて来ている。
ジョーはチャーリーを振り返り歩く。
僕はいたってマイペースだ。

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Mt.Etna のピークを過ぎた先でトレイルはなだらかな稜線へとつながる。
少し待っているとチャーリーが追いついて来た。
ここまで結構歩き通しだが、何となく休むタイミングを逃し歩き続ける。
水を補給したいので、なんとか水場がある場所まで目指す。

トレイルはまたジープロードと並走するように伸びている。
いくつか目の交差するジープロードの近くにシーズナルクリークがあるらしい。
ここまで一気に10miを歩いて来た。
さすがに疲れたのでここで休憩だ。
今日の予定のほとんどは歩ききった。
水場は少し北に入ったところにあるようだ。
みんなで行こうとするとジョーが行ってくれると言う。
なぜ突然そんなことを言い出したかわからないがお言葉に甘えよう。

陽射しをよけて木にもたれかかり体を休める。
とても気持が良い天気だ。
食事をして、いつもならさっと立つチャーリーが立たない。
誰も動き出そうとしない。
少し寝不足だし、疲れもあるので昼寝をする。
ときどき気づいてはM&M’sを一粒。
太陽は角度を変えて行き、日陰が少なくなっていく。
それでも誰も立とうとしなかった。

ああ、こんな日もあったって良いじゃないか。
とてもとても気持が良い。

何個目かのM&M’sを食べ、二本目のタバコに火をつける。
燻る煙と長い日々に燻る心をただ眺める。

かれこれ2時間近く経っている。
そろそろ行こうじゃないか!
その思いの答えは見つからないかも知れないけれど、
きっと何かが見つかると信じるその先へ。

下り道を三人が連なって行く。
えっちらおっちら。
荷物はそんなに重く無いのに、足にのしかかる心の重さ。
えっちらおっちら。

トレイルが道路に出る1mi前になってPCT を逸れて横道を進む。
水を得る為だ。
あまり余分な水を持たないようにしているので、細かい補給は大切だ。
しかし、僕は前の補給で十分だったが、チャーリーとジョーは欲しい。
ジープロードにしては荒れた道を下って行く。
しかし、地図に書いてあるようなクリークは見つからなかった。
原っぱの真ん中には不思議な建物が、観測小屋だろうか。
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水のありそうな場所を探し歩くも、道路まで着いてしまった。
Quincy La Ported RD は山の中にしてはとっても立派な道路だった。
北に22miでQuincy の街だが、ヒッチハイクしようにもほとんど車の流れは無い。
道路の下をくぐるように通る水の流れを見つける。
南側に少し下らないといけないようだ。
今度はチャーリーが水を汲みに行くという。
僕はまだあるので断り、ジョーの水筒を持って降りて行った。

さっきから3mi位しか歩いていないのに、なんだか疲れている。
3人ともすぐには動き出さない。
しかし、まだ進まなくちゃ。
PCTに復帰し平坦な道を進む。
今日は何回ジープロードを横切っただろうか。
疲れが足の動きを妨げるが、ゆっくり行けばまだまだ動ける。
今日のテーマ曲は“さんぽ”。隣のトトロのオープニング曲だ。
元気に歩こう!

ジョーは若いだけあってスピードは衰えない。
しかし、チャーリーは元気が無い。
足が速いのは間違いないが、持久戦には向いていないタイプだ。
一気にペースが落ちてしまう。

Lake Tahoeを出てから1週間。
ゼロを取らないで歩き続けるので、体も心も休まらない。
それでも徐々に慣れて来ている自分がいる。
ここ数日の自分の葛藤も体の疲れが忘れさせてくれている。
なんだか、清々しさを感じさせてくれる。

大きい丸太を越える。
ふとチャーリーの足が止まる。
先に行ってくれ、と言ってチャーリーは丸太に腰をかけた。
うん、そう言って行こうとするが、ふと気になって振り返り戻る。
一緒に丸太に腰をかける。
はあ、空が高い。
少し色が付いてきている。もうすぐ夕暮れだ。
チャーリーは“疲れた。なんでこんなに。”とつぶやいている。
見ると、少し、ほんの少しだけ、涙ぐんでいた。
長い長い道のりだ。
まだ半分も歩いていない。
いつになったら終わるのか。
毎日毎日歩いて歩いて。
“I want to meet my mum.”とチャーリーが言う。
“I want to meet my wife.”と僕が言う。
二人で目を合わせて笑い合う。
どんなことがあっても、僕の親友だ。
そう思った。

歩き始める。ジョーを追いかけなければいけない。
“さんぽ”を歌い始める。
ちょっとアップテンポに、楽しげに歌おう!
今は前に進まなきゃ!

明日通るBucks Lake にはストアとレストランがある。
そこで英気を養おう。
それを楽しみに歩いて行こう。

ジョーはしばらく行った先で待っていた。
チャーリーが、“さっきの歌は元気が出る良い歌だ。ありがとう。”と言う。
どういたしまして、と無言で返す。

道路からさらに7mi行った先でForest Road に水場がある。
今日はそこまでだ。
もくもくと歩いて行くと、向こうに人影がある。
本当に久しぶりの顔、Train だ!
いつぶりだか思い出せないくらい久しぶりだ。
彼のいた場所が今日の終了点。
アスファルトではないものの、整地された幅の広い立派な道だ。

今日はチーフダディにも会うし、トレインにも会うし、面白い一日だ。
明日はバックスレイクに寄るか話すと、ストアがつぶれたとトレインが言う。
確かでは無いらしいが、衝撃の一言だ。
しかし、行けば何かはあるんじゃないか。

トレインは水場がどこか迷っていた。
ハイカーかトレイルエンジェルの作った小さな標識が水場を示している。
しかし、Yogi もPCT Atlas も書いてあることが違う。
何を信じるかと言うことだ。

標識通りに進んでみよう。
トレイルから大きく離れ、奥へと入って行く。
踏み跡は比較的明瞭だ。
すると先の方に湿地が見えてくる。
いかにも蚊が多そうだが、水の存在を示している。

綺麗な流れがそこにはあった。
蚊もたくさんいる。
さっさと水を汲んで戻る。
道路から少し入ったところにちょうど良いキャンプスペースがある。
トレインはもう少し先まで進むらしい。

まだ元気の出きらないチャーリー。
昨日の残りのマシュマロもそのままで夕食を食べて就寝だ。
今日も長い一日だった。
明日の情報は良くないものだったが、きっと良いことがあると信じる。

明日は明日の風が吹く。
それは必ず良い知らせを運ぶ風だ。

-"crying" Turtle

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by hikersdepot | 2011-10-19 23:41 | PCT 2010 by Turtle
South Lake Tahoe, CA to Sierra City, CA Day86 – 90 /Part3
7/20(Tue) Hiking Day 67 / 20mi /6:15am-2:15pm (8:00)
“Sierra City”

良く寝られたのか寝られなかったのか分からない目覚め。
今日はSierra City という街までの残り20mi を歩く。
今回は食料補給をするので、今朝は思う存分残った食料を食べられる。
豪華(?)な朝食を済ませ、大体いつも通りの出発だ。

まずは目の前に見えているトレイルを登らなければならないようだ。
稜線に沿ってアップダウンを繰り返しながら進む。
チャーリー達は今日も、歩くのは早いが、のんびりだ。
僕もさすがに時間の余裕が無い。
焦っても急いでも、それほど大きく変わらないのは分かっている。
しかし、苛ついてしまう。
それが自分でも嫌だが、抑え様が無い。
今日も綺麗に花は咲いている。
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少しでも早く街に入ってゆっくりと時間を過ごしたかったので、先を急ぐ。
目的は、コーラか?
現金なもので、今日はペースもあまり落とさずに歩いて独走だ。
一日1miで良いので、もう少し多く歩いていきたい。
そろそろ一人になるべきなのだろうか。
花は静かに、綺麗に咲いている。
彼らのように誰かの為にもっと生きられたら良いのに。

西側に湖が見えてくるとトレイルは下りはじめる。
なかなか快適だ。
奥に見える岩山はなんだろうか。
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ストレス発散に今日も歌を歌おう。
今日の選曲は、恋の歌。
日本までは届かない声でも、せめて気持ちだけは届けば良いな。

下りきるとジープ道路に出る。
ここからは湖の姿は全く見えないが、湖畔沿いにはキャンプグラウンドがある。
ここからはまた少し登りになる。
振り返り見るも二人の姿は見えない。
大きな声で歌いながら登ると思いのほか呼吸が楽だ。
登りのテーマ曲は、情熱の薔薇。
永遠なのか本当か時の流れは続くのか。

Bear Valley という谷間は明るく日が射し、どこか隠れ家を感じさせる。
熊の名前が付いているが、それほど怖さを感じはしない。
岩の間を縫うように谷を抜けると緩やかに標高はアップダウンを繰り返す。
トレイルは地図に無いジープロードを通り抜けて上がる。
小さなpond が見えて来ると開けて空が見える。
ピークが近いのだろう。
とても平らになったトレイルは稜線を越え向こう側の谷に伸びる。

ここでエスフェイスに出会う。
これから向かっていく先が良く見渡せて良い場所だ。
彼は休憩が終わり立ち上がる。
じゃあ、またね。と別れ、僕はここで休憩だ。
がんばれば街まで一気に降りられるかも知れない、が二人も待たなくちゃ。

ちょうど木陰で倒木が背もたれになった良い場所を見つけ寄り掛かる。
二人はなかなか来ないがゆっくり待つことにしよう。
Nutella というヘーゼルナッツクリーム(ほぼチョコクリームの)とホワイトブレッド。
ブロックチーズを切ってパンにのせ、ペペロニをサンドして食べる。
ぼろぼろのポテトチップスをほおばり、コーラに想い馳せる。

一服しているとハイカーの声が。ジョーの姿が見える。チャーリーもだ。
なるべく早く街に入りたい僕とのんびりの二人。
結局待ってしまうのに、一人独走した。
三人で腰をかけて休憩。
でもタバコを吸い終わると僕は先に歩きはじめる。

トレイルは一気に標高を下げる。
急斜面をスイッチバックで降りて行き、谷底を目指す。
綺麗流れを持った沢に沿ってトレイルは進む。
橋のたもとにはスペースがあり、キャンプには良さそうだ。
水量も増えて、涼しい風が流れる。
木々も多く、緑の光が美しい。
水も豊富に流れていて、まるで奥多摩や奥秩父の沢のようだと思う。
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道路にぶつかりトレイルを飛び出す。
ここからはPCTでは無く、道路を辿るとSierra Cityへ直接入れる。
Forest Serviceのキャンプグラウンドが近くにある。
そのせいか、ハイカーでは無いファミリーの姿が見える。
彼らは僕の姿を奇妙なもののように見ている。
橋を渡り、道路を外れて再びトレイルに戻る。
ちょうど向かいからハイカーが来て挨拶を交わす。
Sierra City まではもう少しだと教えてくれた。

谷を迂回するように山肌に沿ってトレイルは上がる。
もうすぐ街に着くと思うと気が急いてしまう。
高いところから魅力的なピークが見える。
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Sierra Butte といい明日はあそこを巻くように歩く予定だ。
今朝見た山はこれなのだと気づく。
突然スイッチバックで降りた先には大きな橋が架かっている。
North Yuba riverは強い流れで、Loves Fall があり気持ちの良いところだ。
名前の由来までは分からなかった。

橋を越えて上がると道路が見える。
着いた!と思いきや沿うようにトレイルはまだ続いている。
半信半疑のまま歩いて行くと突然道路に飛び出す。
道路には大きいPCTサインが付いている。
トレイルは道路を挟んで向かいに続いているようだ。
反対側に渡りサインにタッチ。これで今日は終了だ。
とりあえず、チャーリーとジョーを待つことにする。
木陰にバックパックをおろし、座り込む。
はあ、疲れた。

水を飲み、スナックを食べる。
待っても、来ない。来ないなあ。
街の方から来た車が止まる。
その車にはガットフックが乗っていた。
他にも数名のハイカーがいる。
彼らはセクショナルハイカー(PCTの一部区間を歩くThru-Hiker)の様だ。
ガットフックは早い時間に街に着き、食料補給と昼食を済ませトレイルに戻るという。
僕もそういう効率の良い歩き方がしたいと思う。
運転手はトレイルエンジェルでPooh にいた人らしい。
これから帰るところらしいが、街までなら送ってくれるという。
しかし、チャーリー、ジョーを待たなくてはいけないので断る。

みんな去っていったあとも、待てども来ない。
ここで待っている意味などあるのだろうか。
ここに着いたのは、2時少し過ぎだった。
もうすぐ3時になろうとしている。
ふと笑い声が聞こえると思ったら、二人が到着。
何をしていたのか、40分くらい待ったと言うと、川で遊んでいたと言う。
ああ、そうですか。
ガットフックに会ったことなどなどを話す。
もっと早く来てくれたら、残念だ。
ここから街までは十分歩ける距離。
しかし、チャーリーは歩きたく無いと言う。
ぼくは、待ちすぎて、面倒だから歩こうと言う。

ヒッチハイクしながら歩くことになったが、全く捕まらない。
South Lake Tahoe 以来、ヒッチハイク運に見放されてしまったようだ。
結局、街のラインを告げるサインが出て来た。
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Sierra City, CA

City とは街のこと。
どちらかというと、都市や主要な街のことを言う。
とはいえ、山間の街だろうからそこまでの期待はしていなかった。
ところが、その想像を超えるほどのとても小さい街、いや町、いや集落だった。
谷間の為、道路も狭く、それに沿うようにはたくさんの住宅は建てられないのだろう。
おそらく見えない奥の方にも家がありそうではあった。
しかし、どちらかと言えば、サマーハウスがメインなのかも知れない。

町の中心部の端には図書館。
モーテルを通り過ぎていくと、いくつかのレストランやカフェがある。
その先にはポストオフィスと小さいグロセリーがある。
チャーリーは、ここのPOに靴を送っていた。
今の靴もまだ履けるが、ソールが簡単にはがれてしまった為クレームを出していた。
そのメールを確認に図書館へ。
僕とジョーは先にグロセリーへ行くことにする。
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Sierra City Country Store は小さい店だが生鮮食品や、肉類、チーズも売っている。
Hot Meal も用意しているのでとても親切だ。
品揃えは決して豊富とは言えないが、毎日入荷がある訳では無い田舎町では良い方だろう。
ここで次の町までの四日分の食料を用意しなくてはならない。
期待していたほどでは無かったが、なんとかなりそうなレベルだ。
買い出しの前にまずは何かを食べよう。

カントリーストアにはエスフェイスがいたが、もう出るところだそうだ。
別れを告げる。
店に入り僕はとりあえずオレンジを手に取る。
生ものには特に飢えている。
それから、1リットルのコーラとアイスクリームだ。
アイスクリームを食べながら、コーラをがぶ飲みする。
いくら飲んでも足りない気持ちだ。
“ずっと飲みたがっていたんだから、もっと飲みなよ”とジョーが言ってくれる。
完全に無くなったボトルを捨て、オレンジを食べてからもう一本コーラを買う。
チャーリーも追いついて、三人で物色。
チャーリーは靴もちゃんと手に入れられたようだ。

もっともっと食べたかったが、人心地着いたので次の行動に移る。
今日はここで一泊の予定なので宿を探す。
ジョーはこの街の教会の敷地でテントを張れるのでそこに行く。
チャーリーと僕は部屋をシェアしてゆっくりしようということになる。
さっき見た綺麗なモーテルは、今日は貸し切りでダメだった。
カントリーストアの向かいのB&Bはとても雰囲気が悪い。
Yogi’s やPCT Atlas に乗っているもう一件のモーテルはつぶれている。
少し離れているが、歩いて5分のリゾートエリアに行くことにする。
そこは、コテージやモーテルがあり、レストランも敷地内にある。
この場所で完結できるのだ。
Warner Spring Resort を思い出す。
しかし、ここも一杯。
さっき埋まってしまったという。
とても親切なおねえ様がただったが、部屋の用意はできなかった。
雰囲気の良いところだっただけに残念だ。

街の中心に戻るとジョーは良い場所を見つけたと言う。
Red Moose Café という店の裏手にキャンプできるというのだ。
しかも、食事も格安で出してくれると言う。
確か、”Sorry, Closed”の看板が出ていたところだ。
後で落ち合う約束をして、またモーテルを探す旅に。
結局もと来た道を戻り、中心から遠いが“Yuba River Inn”に入ることになる。
バスタブがあるのでゆっくり風呂に入れるので、良しとする。

ベッドは二つ。冷蔵庫もあるし、悪く無い。
しかし、値段の割には良くも無い。

一通り済んだ後、洗濯と食料の買い出しもあるので中心に戻る。
コインランドリーはストアに併設されている。
しかし、Red Moose Café で洗濯させてくれるという。
時間を気にしなくて良いのはとても嬉しい。
一通り四日分の買い出しを済ませカフェに行く。

Red Moose Café は西部開拓時代のような建物でとても雰囲気が良い。
入り口が二つあり、Caféへ直接と、部屋への入り口だ。
この建物自体、以前はInn も営んでいたようだ。
店内にはカウンターがあり、奥にはテーブルがある。
装飾品には、たくさんのRed Moose が並んでいる。
あたたかな電球の色が店内を優しく照らしている。

そのテーブルでは、チャーリーとジョーがトランプゲームに夢中になっていた。
そこには見慣れた人と、見慣れない人がいる。
一人はAnn。いつの間にか追いついてしまったようだ。
もう一人は男性ハイカーで、Whippoorwillという。
発音が難しく、日本語ではウィッパーウィルだろう。
実際には、(フ)ウィップウァーウィ(ル)といったところか。
意味はヨタカ(夜鷹)。
彼はレンジャーの仕事をしていて、鳥が好きだという。
とても感じの良い青年で、いつかPCTを歩いて欲しいと思う。

テーブルに付き、Red Moose Café のオーナーとその奥さんにお礼を言う。
この店は、休みでもPCTハイカーがくれば必ず対応するという。
特別PCTAの会員でもなく、Trail Angelと言ってはいないが応援してくれている。
よくよく見れば、入り口にはClosed の看板の下に、“PCT ハイカーは大声で呼べ!”と書いてある。
正直、おとといのことでトレイルエンジェルに幻滅していた僕には、目から鱗だ。

“飲み物は?”の声に“コーラ”と即答するが“うちはダイエットコークだけだよ”と返事。
炭酸と味が似ているなら問題ない。
“肉は食べられるかい?”
“もちろん”
この国は、本当に多くのベジタリアンがいる。
それぞれが主張し合う訳でも無く、当たり前に共生している。
ウィッパーウィルがそうだ。
彼が食べているのは、ハンバーガーでは無く、ベジバーガーだった。
食事の前にはフルーツが出て来る、とても美味しいメロンだ。
その味は体に染み入るようだ。

先にいたジョーから食事が出てくる。
ものすごく分厚いステーキだ。
いったい幾らのメニューだろう、と心配になるほど。
それにしても旨そうだ。
口の中に、よだれが溢れてくる。
調理は奥さんの仕事で、奥の厨房で僕たちの為に作ってくれている。
感謝。
出て来たステーキは想像以上に美味しい。
アメリカの肉は硬いイメージがあったが、そんなことは無い。
肉汁もたっぷり。
アメリカの味は、実はシンプルで基本の塩こしょうだけ。
後は各自のチョイスになる。
付け合わせはフレンチフライだったりマッシュポテトだったりする。
デザートもすっかり食べ終えて満腹になる。

洗濯はまだ終わらない。
ジョーはカードゲームに夢中だが、少々飽きた。
今度は奥さんのお裁縫の時間だ。
ほつれたり破れたりしたものを直してくれると言うのだ。
なんて親切なのだろう。

ここに宿泊施設は無いと思っていたが実はあるらしい。
むやみに来られても困るので表向きは出していないのだという。
ハイカーの為にいつも部屋を空けてくれているのだ。
覗かせてもらった部屋はとても雰囲気が良い。
こんなことなら、と後悔は先に立たずということだ。

電話もただで貸してくれる。
携帯の電波が入らないのでちょうど良かった。
国際通話用のプリペイドカードを使ってかける。
妻も僕のいない状況にやっと少しは慣れて来たようだ。
本当に感謝しか無い。

オーナーが電話を終えた僕に“日本に電話してたのかい”と訪ねる。
“うん。心配ないよ、プリベイドカードだから”
“ああ、良かった”と笑顔だ。
外は真っ暗になり、時間も“Hiker Midnight”だ。
チャーリーとモーテルに戻ろうとしているとオーナーが“車で送るよ”
待ってました!感謝!

“明日の朝にまた行くよ、お休み。”

すんなり寝られる訳では無く、二人して明日からの食料などのパッキングをする。
最近、エナジーバーなどが食べにくく感じる。
食料のあまりは明日Hiker Box※1に入れよう。
チャーリーも、友達が送ってくれたものが豪快に余っている。
高級サラミは貰っておいて、残りはHiker Box だ。

風呂は本当に気持が良い。
シャワーは夕食の前に浴びていたが、汚れがまだ残っている。
バスタブに浸かり体を休める。
疲れがお湯に溶け出して行くようだ。

やっぱりベッドは心地よい。
人が布団やベッドを作った気持ちが良く分かる。
地面にござを敷いていた頃からは大分出世した物だ。

長距離ハイキングは自然の中に入り、人を知ることなのかも知れない。
俗があるからこその人と生。
明日も己を知る為の旅の続きをしよう。
ずっとずっと歩いて行こう。

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※1 Hiker Box はハイカーが余った食料や物を置いて行く箱。捨てて行く訳では無く、今の自分には必要ないが、他のハイカーに必要になるかも知れない物を入れておく。ハイカーボックスをメインにスルーハイクする強者もいる。アメリカには賞味期限が無いので食料には注意。

- "soda pop" Turtle
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by hikersdepot | 2011-10-05 23:36 | PCT 2010 by Turtle