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South Lake Tahoe, CA to Sierra City, CA Day86 – 90 /Part2
7/18(Sun) Hiking Day 65 / 27mi /6:15am-6:15pm (12:00) /NB 1158mi
“Meet Again”

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今日も気持ちのよい朝だ。
乾燥して冷えた空気が心地よい。
すれ違えない細いトレイルはすぐに歩きやすいトラバース道になり、
大きいスイッチバックで急斜面を上がって行く。

上がりきると細いリッジに出る。
岩稜帯のため、とても見晴らしが良いトレイルで、朝日に光る湖面が見える。
あまりアップダウンも無く、歩きやすい快適な道が続いていく。
今日も先行して出たためチャーリーとジョーはずっと後ろの方で見えない。
待とうかとも思ったが、とりあえず先へ進んでいく。
特徴的なピークを見ながら行くと、向かいからハイカーの姿が。
この先の谷の中にあるFive Lakes付近で泊まったようだが、蚊がすごかったという。

山々はシエラと比べ大分標高を下げ、この辺りはほとんど同じような高さのようだ。
快適なリッジのトレイルはTahoe Rim Trail の一部らしい。
人気のトレイルなのが良く分かる。
歩いていて、とても気持が良い景色の中の、まるでSky Trail だ。
South Lake Tahoe が良く見渡すことができる。
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リッジを辿った道は逸れて、下降を始める。
大きい谷が良く見渡せる場所で一休みする。
上からチャーリー達が追いついてくるかと思っていたが、なかなか来る気配は無い。

待っていられなくなり谷を降りる。
細い川を渡ると、谷に沿って北上していく。
斜面は再び角度を増し、空へと向かって上る。

樹林帯から出て、岩の山に変わる。
トレイルは、この辺りのWildernessの名前にもなっている、
Granite Chief というピークをかすめながら伸びている。
花崗岩の白と灰色の混じったピークが目の前に現れる。
急斜面を登りきるとGranite Peak と東のピークの鞍部に出る。
東のピークの上には何か建物が建っている。

鞍部を過ぎて北側の斜面になるとたくさんの雪がトレイルを覆っている。
急斜面で少し気を使う。
頭の上には見慣れたものが浮かんでいる。
スキー場の索道。リフトだ。
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さっきのピークにある建物も、どうやらリフトかゴンドラのものだろう。
雪なら雪で道を無視して降りられるのに、中途半端で怖い。
下から、ハイカーが、いやどうも違う。
スノーボードを担いだ人が上がってくる。
さっき見た東のピークから北側はかなりしっかりと雪が付いている。
どうやらそれが目的のようだ。
このスキーエリアはSquaw Valley と言い、アメリカでも有名な場所らしい。

斜面が緩やかになり、快適なトレイルになる。
キャンプにも良さそうだ。
少し先に、川の流れる場所があり、道が大きく曲がっている。
休憩に良さそうな木陰があり、ちょっと早い昼休憩にする。
ここまで一気に、ほとんど休まずに歩いてしまった。
チャーリーとジョーの姿は全く見えない。

岩の上に横になり足を伸ばす。
気持ちのよい風を受けながらのんびりと過ごす。
思えば遠くに来たもんだ。
1100mi。まだまだ先は長いけれど、1700km以上は歩いて来たのだ。

食事もだいたい終わって、一服していると、上から足音がする。
やっと二人が追いついて来た。
二人も、ここに来る前に休憩を取っていたらしい。
ここからチャーリーに電話をしてもらう。
電話先はDonner Pass にあるDonner Ski Ranchだ。
ピザがおいしいと評判らしい。
電話はつながり、事情を説明。
PCTハイカーだと話をしたらすんなり理解してくれた。

歩きやすい快適なトレイルを飛ばしていく。
ここからはしばらく下り、また谷に一度降りる。
そしてまた、また、大きな登り返しだ。
斜度はきつく無いので、なかなか良いペースだ。
Tinker Knob という形の良いピークまで上がりきると風が強く吹いている。
トレイルは見渡しが良く、とても気持が良い稜線だ。
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少し下っていくと先にハイカーのグループがいる。
学生のようで、引率者もいる。
風を避けられるかと木陰に逃げたが、そこも強風だ。
Anderson Peak を巻くように下りはじめる。
そこでまたグループに出会う。
さっきとは混成が違うので違うグループだろうか。

岩が多く歩きにくいトレイル北側に回ると雪がしっかりと付いていた。
そこを慎重に歩き抜ける。
地図ではこの上にHut があると書いてある。
とても綺麗な場所らしい。
しかし、どこにも見当たらない。
良く上の方を見てみると小屋の頭らしきものが見える。
ログハウスの様な綺麗な建物だ。

後ろからはチャーリーとジョーが追いついて来る。
さすがに疲れが溜まっていて足が止まる。
三人でちょっと一休み。
木の根元に腰を下ろし、一服。

ここから先はゆっくりと降りるだけだと思っていたら甘かった。
アップダウンをピークの度に強いられ、さらに急斜面を上る。
地図の高低表にはないが、自分を信じろということだ。
さらには広範囲に広がる残雪がある。
雪は締まっていて歩きにくい上に広範囲だ。

疲れた。
ここまで気を張りつめて歩いて来たが、どっと疲れが出てくる。

Mt. Judah のLoop Trail の南側を過ぎ、北側を過ぎると、とたんに景色が開ける。
ここもスキーエリアの一部になっていて、搬器の無い索道がある。
眼下には目指すDonner Pass も見えている。
あと少し、分かっていても疲れて足が思うように動かない。
チャーリーとジョーは、とっとこ、先へ。
僕は、ちんたら、後追い。

スキーエリアの中を降りていく。
トレイルランニングを楽しむ人や、ハイキングの人達とすれ違う。
もう午後6時が近いのに今からハイキングなんていかにもアメリカ的だ。
まだ2時間は有に明るい。十分だろう。

トレイルは突然途切れ、道へと飛び出す。
その脇に、二人が待っていた。
そこにはトレイルマジックがあったものの、残っているのはワイン一瓶。
どうしろと言うのだろう。

道路を歩いて数分でハイウェイに出る。
Donner Pass だ!
道路の反対側にあるPCTサインまで行って終了。

西側にあるDonner Ski Ranchというレストランに行く。
週末しかやっていないが、電話確認済みだ。
トレイルエンジェルはちょっと面倒で、僕は拒否していた。
二人はPooh’s Cornerに行ってくれて構わないと言ったが、
苦笑いしながら二人も行かないという決断をしてくれた。
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ところが!ところが!
なんてことだ。いや、これが当たり前なのかアメリカ人!
店は閉まっていた。
電話もわざわざして確認したにも関わらずだ。
ショック!脱力だ。
何度も呼びかけるが反応は無い。

三人でがっくりと座り込む。
どうしようか、と話になる。
口の中は既にソーダとチーズを待ち構えている。
不服だが、Pooh’s Corner に行くことを了承する。

チャーリーは嬉々として電話をかける。
ダニエルもいるらしいし、会えるのは嬉しい。
しかし、面倒くさいことにならなければ良いけれど。
いやいや、シャワーと食事を提供してくれるのだ。感謝しなければ。
いやいや、感謝はしたいが、押し付けがましいのは嫌だ。

噂では、酒もタバコもお断り、らしい。
見つかるとかなりうるさいとか。
Casa de Luna とは正反対だ。
しかし、どちらとも行き過ぎは良く無いと思うのだが。
迷惑をかけないようにするのだから、あとは放っておいて欲しい。
どうなることやら。

二人は、ご機嫌で待っている。
僕は、不機嫌で待っている。
車が近づいて来た、あれに違いない。
挨拶を交わし、来てくれたことへの礼を告げる。

来てくれたのは、Pooh’s Corner の奥さんだ。
年は60歳後半だろうか。
とりあえずは良さそうな対応だ。
ところが、まずびっくりは、その車の汚さ。
いやいや、これくらいが普通なのか?
ゴミや空き缶が散乱している。
隙間があればそこに突っ込んであるのだ。
笑顔、笑顔。
次いでびっくりは、彼女の格好だ。
水着。そのままだ。
Tシャツも無いし、パンツも履いていない。
よっぽど大急ぎで来てくれたのだろうか。
いやいや、いやいや。
はあ。

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(ピンぼけですいません。)

Pooh’s Corner はDonner Pass から20分位走った所にある湖沿いの家だ。
サマーハウスらしいので、それなりに裕福なのだろう。
家は別荘地の中にあって迷路のようだ。
かわいらしいログ風の家で、大きくは無いがガレージ込みで敷地は広い。
既に着いた時間が遅かったので、食事は始まっていた。
そこには、見慣れた顔もある。
Guthook、Ann、そしてDaniel だ!
ガットフックは先にサウスレイクタホを出たが、結局ここで数日過ごしていたらしい。
確かにお金はドネイションのみなので安上がりだ。

よくわけもわからないまま急かされて食事を食べはじめる。
腹が減っているので願ったりかなったりだが、落ち着く間もない。
ダニエルと再会を喜び、足の状態などを聞く。
大分良くはなっているのだが、精神的に辛いのだろう。

と、話していると、早く食べろと急かされる。
ここの主の、”Pooh”だ。
Pooh’s Corner の名前の由来は、彼らが以前スルーハイクした時のトレイルネイムだ。
奥さんがPooh かと思ったが、旦那がPooh だ。

食事はとても美味しく素晴らしいものだ。
味も量もバランスも。
肉に野菜に魚に鶏肉にとよりどりみどりだ。
ぬるいダイエットコークは残念だったが、ネクタリンもメロンも美味しい。
レモネードは作り方を教わりたい位だ。
最後にとどめのチョコブラウニーも本当に美味しいが、忙しない。
何を食べたのかも良く分からないし、本当はもう少し食べたいと思った。

その後も、食後の団らんを楽しむことも無く、風呂に入れとせき立てられる。
着替えは用意してあって、箱の中から適当に着られるものを探す。
待っている間、Pooh の孫にいろいろ話しかけられる。
毎日のように人が出入りする状況をどう思っているのだろう。

風呂に入りさっぱりした後、一服を目論むも、一目を気にしてこそこそする。
ばれたら一大事だ。
外で吸うにも気を使うなんて、余計なお世話だ。
とは言えない。
吸うか吸わないかで終わった。

ダニエル、ジョー、チャーリー、そして僕。
四人が、Lone Pine 以来、本当に久しぶりに出会った。
いろいろ話したいが、話しきれない。
ダニエルに、また英語が上手くなったね、と褒められて嬉しい。

寝るのはどこだろうと思っていると、各自好きな所に雑魚寝をするらしい。
バックパックの置いてあるガレージから取ってこなくては。
床の適当な場所にマットを引いて、寝袋を被る。
はあ。お金を払ってモーテルに泊まった方が、心が休まる。
とも言えない。

僕たちの到着が遅かったので、洗濯をするのが遅くなってしまった。
それが、終わらないことをぶつぶつといつまでも文句を言っている。
それに嫌気がさしたのか、ジョーが洗濯が終わるまで見ることになる。
Trail Angel のあり方に疑問符。
本当の親切か、自己満足か。

今日は本当に一日が長かった。
体がとても疲れている。
就寝時間も大分押してしまったし、眠い。
しかし、心がざわめく。
良く無いなあ。


7/19(Mon) Hiking Day 66 / 23mi /7:30am-5:30pm (10:00)
“Ahead, Behind”

いやあなかなか無い目覚め方だ。
これが自分の親族なら“キレて”いるところだ。

まあ、僕の寝ている場所が悪かったと言えばそうなのかも知れない。
だとすれば、申し訳ない。
しかし、それにしても人を跨いでいったあげく、蹴り起こされるとは。
いやいや、蹴ったのでは無く、たまたま足が当たってしまったのだ。
ならば、一言“すまん”と言えば良い。

もう少し、寝ていたかったがそうは行かなくなってしまう。
あまり良い朝ではなかったが、ブレックファストはものすごく美味しい。
“美味しい食事を作る人に悪い人はいない!”なんて言ってみたいものだ。
特に絞りたてのフレッシュオレンジジュースやホームメイドレモネードは格別だ。

朝食が済んだら、急いで出発の準備をする。
ダニエルとの別れを惜しむ間もないが、また会うことを誓う。
Lone Pine の時と同じように笛を吹いて送り出してくれたダニエル。
その表情は、本当に寂しそうだ。
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車が動きだす。
僕も、ダニエルと一緒に歩きたいと思った。

Donner Pass に着いて,
Pooh に礼を言う。
この人は、ろくに挨拶も出来ない。
昨日も家に着いて“Hello”の一つも無かった。
言いたいことはあるが、お世話にはなった。
感謝!

車が出てからまずは一服。
こころおきなく誰に構う訳でもなくゆっくりと吸う。
その間にみんなとっとと出発していく。
この朝はガットフック、イスラエルから来ているジョージ、
ジョーとチャーリーと僕。
たくさんのハイカーがスタートだ。
アンは直ぐには出発しなかった。

みんなを追いかけるように歩き始めるも、追いつける訳も無い。
それほど大きくスピードが変わる訳ではないのだが、
同じスピードくらいのもの同士が離れたら永遠と会えずじまいだ。
とりあえずマイペースで歩みを進めていく。

Hwy40を出て一登りして下っていくとInterstate Hwy 80 (I-80)にぶつかる。
Donner Pass はアメリカの歴史でも有名なパスらしく、
Hwy40には先人達が苦労して作った旧道も残されている。
しかし、交通量は多く無い。
日本でも有名な峠道が、高速や有料道路近くに通った為に、静かになることは良くある。
ここも同じような状況なのだろう。
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PCTのルートはそのI-80の下にある水抜き用トンネルを通り、くぐるように越える。
木々が覆い繁る森を通る。
道路から近いので、デイハイカーや犬を連れたハイカーとすれ違う。
トレイルはどんどんHwyから離れていって自然の中へと入っていく。
また少し、今までとは風景が変わって来た気がする。
向こうに分かりやすいPassがみえる。
ちょうど東側にはCastle Peak がある。
その名を冠したCastle Pass を目指し、Castle Valley を上がる。
斜度も緩く歩きやすい。
最後少しだけスイッチバックで登ると、本当に小さいPassに着く。
細いリッジのパスを越えて北側に降りると木々に覆われた場所を通る。
まるでトンネルのようだ。
不意に開けたMeadow の様な場所に出る。
そのトレイル沿いにはPeter Grubb Hut がある。
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昨日見かけた、Hut もそうだが、地元のスキークラブが管理しているらしい。
外観はとてもかわいいログハウス。
いかにも雪の中でしっかりと守ってくれそうな背の低い造りだ。
離れた場所にトイレもある。

小屋の中に入ると、みんな揃っていてくつろいでいた。
真ん中にはテーブルがあり、チャーリーとジョーはトランプをしている。
椅子に腰をかけて休憩する。
腹もちょうど減ったころだ。
最近また、その空腹が加速を増している。
パンとポテトチップスとチーズとペペロニ。
腹が一杯になるほどは食べられない。

トイレに行って、一服する頃にはみんな先に出発していく。
さあ、次はどこで止まるのか、追いつけるのか。
僕も小屋の前のトレイルに戻り歩き出す。
雪解けの水が流れ出し、本来は小さいだろう、川が横切る。
それを徒渉すると道は上とまっすぐに別れる。
まっすぐ進むPCTを辿る。
またハイカーとすれ違う。今日は多い。
それだけ人気のあるエリアなのだろう。

PCTらしい森の続く美しい景色だ。
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道は大きい特徴も無く、淡々と続いていく。
歩きやすいようになるべくスイッチバックを切るように作られ、斜度も緩い。
登っては下り、登っては下る。
約6mi位歩いただろうか、クリーク沿いに休憩するみんなの姿が見える。
蚊が多いのは厄介だが、木陰もあり心地よい場所だ。
ガットフックは早いハイカーだが、休憩も好きだ。
彼らしいペースにみんなはまっている。

ふと僕らの来た道からハイカーの姿が見える。
なんと、Ass Face だ!
Echo Summit ですれ違ったのは大分前のことだ。
とっくにずっと先に行ってしまったものだと思っていたのに。
どうやら、彼はTruckee の街に降りた後、サンフランシスコにいる妹の家に行っていたらしい。
ちょうど昨日戻って来て、Donner Pass とI-80 の間でキャンプしていたのだ。
それを僕たちは気づかずに追い抜いていったということらしい。
ジョージは新顔だが、ガットフックやエスフェイス、ジョー、チャーリーと
2ヶ月も同じようにハイキングをしている仲間とまだこうして会えている。
不思議なものだ。

ここからはまた登りとなる。
Eric the Black の地図にはこの先にScenic View があると書いてある。
ここからLake Tahoe が見えると言うのだ。
緩いスイッチバックで登った頂上付近は平らな形状をしている。

ここがScenic View Pointなのだろう。
かなり距離も離れたので、見えたらすごいなと期待していた。
しかし、というか、当然、というか、そこから見えたのはLake Tahoeでは無い。
おそらくは、これから向うはずのJackson Meadow という湖だろう。
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Eric は地図の見方も読み方も、どうもあまり知らないようだ。
まあ、害は無いので良しとする。

そこからは歩きやすい道が緩やかに下に向かって伸びている。
稜線を辿るように一気に下っていく。
トイレ中のチャーリーとジョーを抜いてグングン進んでいく。
斜度が適当に良いので、飛ばしても辛く無い。
惰性で一気に降りていく。

ジープロードにぶつかる手前に小川が流れている。
そこにガットフックとジョージの姿が。
また休憩のようだ。
ジョーやチャーリーよりも先に僕が着いたので、少し意外そうな顔だ。
僕も腰をかけて休憩する。
チャーリーもジョーも、エスフェイスも到着する。
ガットフックもエスフェイスと久しぶりに会ってびっくりしている。
すぐそばのジープロードにキャンピングカーが止まっている。
みんなで“あれがトレイルエンジェルだったら良いな”と冗談を言う。
そうそう上手くは行かない。

何となくみんなで話し込んでしまう。
ガットフックは“こんなに休憩を取るつもりじゃなかった!”とぼやく。

トレイルはまた標高を少しだけ上げて稜線を進む。
疲れてしまって思うように体が動かない。
困ったものだ。
今日はみんな、抜いては抜かれ、また抜いての繰り返しだ。
エスフェイスは僕を抜いて先に行ったかと思うと立ち止まり、僕は抜いていく。

疲れた僕は歌を歌う。
僕のテーマソングは“イージューライダー”だ。
歌声は山に響く。
大きな声で腹から声を出して下り歩いていく。

Logging Road に着くとチャーリーとジョーが待っていた。
今日はここまで。
もっと先まで行けるとは思うが、寝不足だし、疲れた。
エスフェイスは、もうちょっと先まで行くと言って歩いていった。

なかなか悪く無い地面でよこになっていて気持が良い。
蚊もほとんどいないので、心からくつろげる。
空腹は最大の調味料と言ったひともいるらしいが、今日も最高の夕食だ。
最近、ジョーとチャーリーとはあまり上手くいっていない。
二人のペースとは違いすぎるからだ。
一人で歩きたい欲求が大きくなる。

夕暮れの風が気持ち良い。
燻る煙は心模様のようにゆらゆらと揺れる。
明日はSierra City に着く。
どんな日が待っているのだろうか。
僕はどうして行くのが良いのだろうか。
答えは現実と夢の間に消えていった。


- "easy" Turtle
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by hikersdepot | 2011-09-30 23:59 | PCT 2010 by Turtle
South Lake Tahoe, CA to Sierra City, CA Day86 – 90 /Part1
7/16(Fri) Hiking Day 63 / 12mi /12:50pm-6:50pm (6:00) /NB 1108mi
“Start Out”

昨日の夜が遅かったチャーリーはなかなかすっきりとしない様子。
いつものことだがスロースタートだ。
昨夜の夕食が多かったので朝食はとらずに出発をするはずだった。
しかし、ほとんどジャーナルのアップに費やしたチャーリーと、
テレビに夢中で何も用意していなかったジョーは、これから荷物をまとめる。
この二人のパターンに少しは慣れているとはいえ、いらついてしまう。

結局ホテルを11時過ぎに出る。
予定では10時にトレイルヘッドだった。
まずはポストオフィスにチャーリーのバウンスボックスを出しに行く。
それ以外にも大切なものを僕は手に入れる必要があった。
折れたトレッキングポールの替えが届いているかドキドキだった。
もし今日届いていなかったら、次のPOに送ってもらう手配をしなければならなかった。
三度目のPO。受付の人達にもすっかり覚えられているようだ。
カウンターで僕の名前を告げて待っていると、奥から大きな筒がでてくる。
やったどうみても間違いなく僕の荷物だった。

ここまで一緒にやって来た日本からのトレッキングポールには申し訳なかったが新しいものと入れ替えることにする。
長いような短い付き合いだったけど、本当にありがとう。
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さあ、レンタカーを返して、と思ったらチャーリーから提案があるという。
今からブランチをしにデニーズに行くのはどうかな?
ここにきてもまだ余裕の発言。
たしかに時間は、正午の30分前になっている。
諦めの境地へと誘う、神からの試練か。
まあ、大げさな割に乗り気でデニーズへ向かう。

既に昼だが、ブレックファスト好きなので、パンケーキとリンクソーセージを食べる。
チャーリーとジョーは組み合わせが数種類あるトロピカルジュースを美味しそうに飲んでいた。
アメリカ人の食べ物は大概対応できるが、色が、無いな。
三人ともほくほく顔でお店を出る。

レンタカー会社へと車を返却し、特別サービスでトレイルヘッドへと戻る。
くねくねと山道を上がって行き、PCTのサインがある場所で降りる。
さあ、楽しいハイキングの時間だ。

三日前は車で行った、Echo Lake を目指す。
トレイルはPCTをつなぐ為にだけ作られたようで、面白みの無い。
30分位で湖が見えてくる。
一度Parking Lotに飛び出し、横切って下に降りると、ストアの目の前に出る。
この前はここでマウンテンゴートと話をした。

今日もハイカーがいる。
まさかの、Evanだ!!!
Noga達と一緒にここまで歩いて来たようだ。
彼女達はとてもグラマラスなままだ。
ただ、汚いハイカートラッシュだ。
ちなみに僕は、靴とシャツを新しくして、フレッシュハイカーだ。
エヴァンは綺麗好きで、毎日ハイクが終わると隅々まで体を拭く、クリーンハイカー。
相変わらずなのかと訪ねると、ノガ達はあきれた顔をして、“そうなの”と答える。
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チャーリーとジョーも遅れて到着する。
みんなで再会を喜ぶ。
チャーリーとエヴァンは、asics(英語ではアシックスでは無く、エイシックス)のシューズのファンだ。
二人で互いの靴を褒め合っていて。おかしい。
ストアで、ソーダを買って飲みながらしばし歓談する。
それぞれの今までの流れを報告し合う、そしてこれから。

エヴァンとノガの友人はタイムリミットが近づいているらしい。
彼らは学生なので、休学をするのでなければ、学校に行かなければならない。
その期限は8月中旬。
PCTを完歩するのは、とても難しい。
彼らは体力もあるし、時間さえあれば、間違いなく歩ききることができる。
それなのに、やめなければいけないのだ。
僕も大幅に遅れている。
しかし、それでもBossの理解や家族、友人の応援があるからこそ続けられる。
この環境に改めて感謝をする。
本当にありがとう。

彼らともう一度会えるのかは分からない。会えない方が大きい。
しかし、いつかの再会を約束して別れる。
また、トレイルで会おう!
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ここの湖は観光と、湖畔にたくさんのコテージやサマーハウスがある。
PCTのトレイルだが、PCTハイカーがとても浮いた存在に見える。
湖に浮かぶ舟や遊ぶ人々を見ながらトレイルを歩いて行く。

久しぶりだからなのか、夜遊びが過ぎたせいか体の動きが鈍い。
眠気が取れずあくびが止まらない。
Lower、Upper とEcho Lake を過ぎて行く。
緩やかに登って行くので、気が入らない。
眠気が強くて足下がふらつく。
チャーリーとジョーに、どこかで寝ていくかも、と告げ二人は先に。
のんびりの二人は楽しそうに歩いていく。
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しばらくチャーリーと二人で歩くことに慣れていたので、ジョーが一緒でリズムが違う。
なんとなく落ち着かず、いらついてしまう。
ぼおっとしながらてくてく歩いていく。

だんだんと開けた景色になってくるとまた一つの湖が見える。
たくさんの小島が浮かんで、とても美しい景色だ。
Aloha Lake。
Tahoe Lake と同じく英語では無い言葉が付いている。
Tahoe は大きな湖を表すネイティブの言葉。
Alohaは親愛を表すハワイの言葉だ。

JMTで最も美しい湖の一つとして知られる、Thousand Island Lake よりも、
僕はこの湖の方が美しいと感じた。
何がそれほど心奮わすのだろうか。
その色、造形、コントラスト、大きさ、バランス。
そのどれもが胸に響いてくる。
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チャーリー&ジョーに追いつき、湖のほとりで休憩。
しばし、目をつむり、全身脱力して体を休ませる。
眠気を少しでも体から追い出すようにする。

湖の水はとても綺麗だ。
飲み水の補給をして先に進む。
道ははっきりしているもののところどころ雪がパッチで残っている。
キャンプしている家族を横目に湖に沿って進み、トレイルは一気に東向きへ。
緩やかにトレイルを下る。

池を通り過ぎ、二つ目の池“Susie Lake”のキャンプサイトを一つの目標としていたが、スペースはとても狭く、先客がいる。
少し立ち話をするが、蚊がすごく多くてじっとしていられない。

少しだけ登って標高を上げた先にGilmore Lake への分岐がある。
地図でも緩やかな地形で、キャンプサイトにちょうど良い平地もある。
だいぶ良い時間になった。今日はこの辺りが良い所だろう。

近くには水も流れているので適地だが、とても蚊が多い。
JMT区間では、雪の多さもあり、例年よりも蚊の発生がまだ遅かった。
ところが、ここに来て一気に蚊が出て来た。
この多さは、言葉でも写真でも伝わらない。
どうにかしようとするよりも諦めた方が良いと思わせてくれるほどの数だ。
闇雲に手を叩いても、必ず手のひらの中に黒い点を作れる。

とりあえず、ネットを被って幕を張る。
もう手慣れたもので、体が勝手に動いてくれる。
水汲みに行くと、ふた張りテントがあった。
キィウィ達だ。
水はとても綺麗だ。ここはまだSierra Range と考えられ、雪解け水が美しい。
しかし、のんびり水を汲んでもいられない。次々と蚊が襲ってくる。
気づいた時には2、3カ所刺されていた。

太陽の残り火があるうちに食事をして横になる。
ジョーはこの蚊の多さの中でもカーボーイキャンプだ。脱帽。

今日も予定通りには行かなかったが、まあこんなものだろう。
スタートが遅い割に良くがんばったと言いたい。

あたたかな風が吹く。
本格的な夏が訪れる。

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7/17(Sat) Hiking Day 64 / 23mi /7:00am-6:30pm (11:30) /NB 1131mi
“Mosquito Forest”

朝から、蚊、蚊、蚊、蚊、蚊。
逃げるように撤収して歩き出す。
少しゆっくりスタートだが、それでも二人より先行して出発だ。

そんなに長くは無いが、しょっぱなからパスへの登りだ。
トラバースしながら標高を上げ、途中からはスイッチバックになる。
所々雪のパッチがあるものの、そんなことじゃ、もう、驚きもしない。

すぐ二人が追いついてくるかと思っていたが、一人でピークに到着。
開けた平らな台地でとても気持ちがよい所だ。
風が抜けて気持が良い。
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アメリカではより安全な場所にキャンプするのが当然だが、
日本では稜線にキャンプ場を作りたがる。
きっとここなんかは日本人にとっては良い場所なのだろう。

朝のトイレをゆっくりと済ました後、ジョーが到着。
チャーリーはちょっと遅れて到着。
二人ともPoop Time を取っていたらしい。
丸太に腰をかけてのんびりと風を受ける。

道は下りになり標高をぐっと落とす。
キィウィ達を追い越していく。
Dicks Lake に近づき、池を回って進むと、
前方にテントとハイカーの姿が見える。
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と、チャーリーの大きい声が聞こえる。
その先には、マウンテンゴートがいるではないか。
びっくりだ!
つい先日、三日前、もうリタイアすると言っていた、あの彼だ。
一緒にいるのは初めて会ったハイカーでカップルの様だ。
彼は先日会った後。街に降りてとりあえず頭を冷やそうと思ったようだ。
その時に知り合ったのが彼らだ。
男性の方が膝を痛めてしまい、あまり長く歩くことができないと言う。
だからこそ、もう一度行ける所まで、のんびりと歩いてみようと思ったらしい。
マウンテンゴートは仕事がある訳でもなく、時間はあるのだ。
ゆっくりでものんびりでも、最後まで歩いて欲しいと思う。

緩やかな森林のトレイルを歩いていく、
道はアップダウンも少なく、歩きやすい。
いくつかの池の間を通り過ぎていき登りになっていく。

遅い朝食を食べるため丸太にもたれて休憩。
マウンテンゴート達が抜いていく。

今日も夏の暑さは続く。
シャツとハーフパンツで歩きたいが、ままならない。
今日は本当に蚊が多い。
歩いていても刺されてしまう。
アメリカの蚊は突進して来て、運良くつかまれた蚊は場所を選ばず刺す。
虫除け剤で足や腕を防げば、首裏や肩や肘を狙う。
そこをまた防げば、頭や手の甲、指だって狙う。
せめてウィンドシャツとロングパンツで防ぐことにする。

緩やかな坂を上りきったハイポイントで休憩をする。
マウンテンゴート達も離れた所で休憩している。
キィウィ達も追いついて来た。

今日は大きな山場も無く、登って緩やか、下って緩やか。
退屈と言えば退屈だし、快適と言えば快適だ。
坂を下りきった所にあるRichardson Lakeは小さい池だ。
手前で三人のファミリーハイカーに出会う。
彼らをパスして池のほとりに降りる。
ここで水の補給をするつもりだったが、あまり綺麗では無い。
浄水をしないジョーにとっては致命的だ。
ここも蚊が多くて、落ち着いて休憩もままならない。
最低限の水の補給に留めて先のクリークまで行くことにする。

まだまだゆっくりと道は下っていき、クリークまで達する。
水の補給を済まして、先へと進む。
ここからは長い緩やかな登りになる。
昼食から大分時間も経ち、休憩が欲しくなった僕は明らかにペースダウン。
水を汲む二人より先行してゆっくり進むことにする。

途中ジープロードにぶつかるがここでニアミス。
Eric The Devil aka Eric The Black の地図ではジープロードをしばらく行くとある。
信用してはならないと知っていたのに、信じてしまった。
ジープロードを西へ、行けども、行けどもトレイルに復帰できない。
するとチャーリーの声が上の方からする。
オフトレイルを突っ切る元気は無く、来た道を戻る。
サインのある場所まで戻ってみると、確かに道が続いている。
地図のルートが正しいと思い込みすぎてしまった。

トレイルに戻り二人を追いかけるが、体力が続かない。
腹が減った。
止まろうにも、蚊が多くて立ち止まれば格好の餌食だ。
どこまでも蚊に追いかけられる。
さっと食料を補食し、すぐに歩き出す。

陽射しが暑い草原の中を上がって行く。
チャーリーもジョーもずっと先まで行ってしまったようだ。
ふと上部が開けた場所に着く。
Barker Pass。
そこはForest Highway で、ダートだが良く整備されている道路だ。
サウスレイクタホからも12miほどしか離れていない場所でトレイルヘッドにはトイレも。
その脇のベンチでチャーリーとジョーは待っていた。

ひとしきりEric への悪態をつき、補食し、人心地つく。
もう少し休憩したい僕はチャーリーを引き止めつつ休む。
とても心地よい風が吹き始めた。
夕暮れは近い。

このトレイルヘッドも十分キャンプしやすそうだったが、まだ先へ。
チャーリーにしては珍しく積極的に前に進む。
少しまだ登りが続くようだ。
Barker Pass の麓にはWild Sunflower が群生していて、美しい。
良くあるひまわりよりは小振りで背が低いが、僕は好きだ。
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すぐに平坦なトラバースに変わり、切れ落ちる細いトレイルを進む。
道は大きくえぐれ雪が残る沢状地は少し平らになっている。
両岸は急で、切り通しの様になっている。
ここから下は細く深い、North Fork Blackwood Creek。
その対岸側はキャンプに良さそうに見える。
一度沢に降りて、向かい側に登り返すと、開けた良いスペースがある。
今日はここまで。
遠くにはレイクタホが少しだけ見えている、素晴らしい場所だ。
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雪解けの冷たい水を汲み、今日の夕餉の時間となる。
携帯の電波が偶然にも入り、日本に写真を添付してメール。
気にもたれかかり、足を乾かしながら過ごす。
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ジョーの足の臭いは、ヤバい。
チャーリーもそう思うようだ。
ジョーも承知している。
しかし、すごく臭う。

チャーリーとジョーからの提案。
明日は27mi、歩きたいと言う。
なぜなら、あと27mi でDonner Pass に着くからだ。
Donner Passには夏期は週末のみオープンするレストランがある。
もしくはそこからトレイルエンジェルのPooh’s Corner に行ける。
そこにはダニエルがいるらしいのだ。
足を傷めていたダニエルもなんとかS.Lake Tahoe の街に来たが、
僕たちには追いつけないし、お金を使いたく無いので、
ヒッチハイクでトラッキーの街へ行き、Pooh’s Corner で療養滞在中なのだという。
しかし、27mi という長さは歩いたことも無く、かなりのアップダウンがあるN.Cal では辛い。
加えて、トレイルエンジェルにも良し悪しがあり、面倒なことも多いのだ。
正直、気が進まなかった。

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今日は一日蚊に悩まされた。
しかし、ここは蚊も少なく、本当に良いキャンプ地だ。
景色も良いし、この雰囲気が素晴らしい。
きっと忘れられない場所になるだろう。

星が綺麗にまたたく。
暖かい夜だ。


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by hikersdepot | 2011-09-27 15:43 | PCT 2010 by Turtle
South Lake Tahoe, CA around Reno, CA / Day83 – Day85 Part2
7/14(wed) Zero19
“Shopping”


チャーリーはずいぶんと調子良く勝っていたらしい。
昨日ジョーが聞いた時には、$5000は勝っているようなことを言っていた。
正直それには驚いた。
なるほど、その味を覚えてしまうと賭け事はとても魅力的なのだろう。
ところが今朝のチャーリーは冴えない顔。
どうやらReno では女神が微笑まないらしい。

昼食や夕食よりも朝食が好きなチャーリーは、昨日あれほどお腹いっぱいだと言ったのに、ブレックファストブッフェに行こうと言う。
一晩経てばお腹も空くので異存は無い。
注文して目の前で作ってもらうオムレツは美味しかった。
日本と違って中に入れるものが様々選べるのだ。
好きなものを好きなだけ、お腹いっぱいに食べる。

チャーリーはホテルにあるスパを昨日に引き続き予約して楽しむことにする。
どれだけスパ好きなんだ。
その間プールにでも入っていれば、と言われたが少し街を散策しに行くことに。
といっても、カジノ街の昼間など、汚い所しか見えない魅力の無い街なのだが。

Las Vegas は白人が多い、ネオンの綺麗な大きな街だ。
Reno はメキシコ系やアジア系がその街の多くを占めている。
比較的どこにでもあるような風景だが、SLTもものすごく綺麗だっただけに違和感を感じる。
悪い言い方をすれば安っぽさを感じるといったところか。
Las Vegasは街全体が遊園地みたいに華やかで、ショッピングモールもあって楽しい。
しかし、Reno は思っていた以上にこじんまりしていて地味だった。

これといってすることも無く、ジョーの催促でゲームセンターに行って遊ぶ。
何年ぶりだろうかというほどの懐かしい環境だ。
専用のコインに替えて遊ぶ。
僕もそれほどゲームセンターのゲームは得意ではないが、年の功かジョーよりは上手い。
コインはあっという間に無くなってしまう。
まだチャーリーが終わる時間にはならないようだ。
ホテルに入っているスターバックスカフェでジョーと何かを話して暇つぶし。

チャーリーが戻って来たら、Let’s Go お買い物!
まずはSierra Trading Post へ。
昨日の今日でスタッフの僕たちのことを覚えていた。
ジョーも今日は悩まずに昨日の獲物をレジへと持っていく。
通常の半額以下といったところか。

さすがに小腹が空いたのでブランチ。
昨日通った時も気になっていた80年代をテーマにした“Joe’s Diner”
外観は古いバスになっている。
ここはクラシックなアメリカンフードを食べさせてくれるレストラン。
僕らの大好きなミルクシェイクももちろんある。
それからSloppy Joesがおすすめだ。
スパイシーなミートソースをハンバーガーのバンズで挟んだもので、元は南東部の料理だ。
南東部のフロリダなどはキューバ、メキシコの影響が色濃くスパイシーな料理が多い。
ミルクシェイクは初モルト入り。
確かに鼻に独特の香りが抜ける。
きっとクセになるのだろう。僕にはあっても無くても良いと思う。

Sloppy Joesは正直なかなかの旨さで新しい発見だ。
冷凍では無い細切りのフレンチフライはものすごく美味しい。
アメリカのバーガーのパテやポテトフライは冷凍ものでは無いことが多い。
日本で食べているものとは大違いだ。
ミルクシェイクもアイスクリームとミルクでその場で作る。
日本のアメリカンフードは見た目だけものがほとんどだ。

やっと、いよいよ、夢にまで見た(見てないけど)、パタゴニアアウトレットに向かう。
ハイウェイに乗って街を外れた、寂しい風景の中になんのアピールも無く建っていた。
思わず興奮!やった!

思い起こせば長い年月。
約10年前。グレイハウンドバスに乗りアメリカを放浪した。
各地のパタゴニアによっていくのが楽しみだった。
その当時日本にはまだアウトレットは無く(北海道にあったがアウトレットオンリーでは無い)、
ソルトレイク(オリンピック前でほんとに田舎町だった)のパタゴニアアウトレットに行った時を思い出す。

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ソルトレイクと違い、ここはFactory Outlet なので外観もお店らしくはない。
大きな倉庫の一角に店を構えている感じだ。
広い敷地面積を想像していたが、普通だった。
品番落ちの商品が格安で売られている。
ちょうど日本に送る荷物もあるので、甥や姪の為、妻や親のものを物色する。
チャーリーとジョーにとってはパタゴニアは興味の対象外のようだ。
姪は生まれたばかりで、気が早いと言われればそれまでなのだが、彼女の為に選ぶ。

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ジョーの買い物が終わり、僕の買い物も終わった。
となれば、South Lake Tahoe に戻る!わけにはいかない。
チャーリーの番だ。
カジノで一気に負け、$5000は全て消えたらしい。
が、少しは取り返したらしい。
それを元手にという訳では無いが、カメラを買うらしい。

数日前、気づかずに川を渡り水没したカメラの代わりを探しているらしい。
まずは安売りでおなじみの“Best Buy!”
日本で言うと、○マ○電器に行くようなものだろうか。
カメラはほとんどが日本メーカーのものばかりだ。
低価格なものは韓国製が多い。

チャーリーが今まで使っていたものはキャノンで、色合いが綺麗に出る。
そういったことにこだわりがあるように思ったがそうでもないらしい。
僕はオリンパスの防水カメラを使っていて、それと同じが良いと言う。
古いモデルなので同型は無いが、新型が置いてある。
僕はカシオやペンタックスも勧めたがオリンパスが良いと言う。
写りの色目が少し違ってしまうのを気にしたのだが、おかまい無しだ。
値段は日本とそれほど違いは無いだろうか。

ここですんなり買うのかと思いきや、店員の態度が気に入らない、とチャーリー。
コストコで見てみようと言うことになる。
日本でも大分おなじみとなったコストコはこちらでも人気があるようだ。
今までも各地でその看板を見て来た。
コストコは会員制でカードを持っていないと入れない。
チャーリーは、大丈夫だ、と強気だ。
しかし、すんなり通れる訳も無く、登録場所で結構時間を費やし、一時的な許可証を手に入れることができた。

コストコは安いと言っても、大きなパッケージだから安いので、買いづらい。
主に安いといってもその大半はPB商品が中心だ。
その中で家電はセット売りというわけにもいかないので、単品でまあまあ安い。
驚きなのはその売り方だ。
通常は箱に入っているものも、ここではブリスターパッケージ。
まるでオモチャかと思ってしまうくらい雑然と積み重なっている。

個人的にはこういう売り方も良いと思う。
正直、定員ばかり多くて、接客もろくにしない家電量販店で、
後で高値で売る為なのか、コレクターの為なのか、
意味の無い過剰包装を上乗せされた家電を買うのは、好きじゃない。
ブリスターパッケージもどうかとは思うが、こういった簡易パッケージで十分だ。
紙に包まれているだけでも十分なのに、と考えていると、チャーリーが決まったらしい。
少々ごついが、立ち上がりも悪く無い、一つ前の機種だ。
メモリーはXDだったが、チャーリーは変換アダプターを使ってmicroSDを使うから良いらしい。
ところが、その商品が現品限りなのだという。
僕はそれでも良いのだが、チャーリーはディスカウントが出来ないなら嫌だと言う。
お店側も、申し訳ないが出来ない、というので困った。
ここから20〜30分離れた別のコストコには在庫があると言う。
行くしか無いだろう。チャーリーのお陰でここまで楽しんでいるのだし、断る理由も無い。
気がつくと太陽も既に角度を付け始めている中、二つめのコストコへ着く。

こちらのコストコにはたくさんの在庫があった。
少しは店舗間で分け合えば良いのに。
車に戻って、ブリスターパックを開こうとする。
僕のナイフを貸してくれ、というので出そうとしたら、無い。
どこを探しても無い。
どうやら、ホテルに忘れてしまったようだ。
ハプニングは僕の真骨頂だが、がっかり。
チャーリーは嫌な顔せず、ホテルに電話をしてくれた。
ナイフはあったらしく、ホテルの戻ることになる。
迷惑かけてごめん。
でも二人とも、気にしないでいいさ、と素知らぬ顔だ。
ありがとう。
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無事にピックアップして、太陽が沈む台地を湖に向かって走る。
来たときとは違う道を通るらしい。
ジョーと僕に見せたいものがあると言う。
道すがら、たくさんの廃屋を見かける。
ハイウェイが通る前にあった小さな街らしい。
ハイウェイが通り、誰も止まることの無くなった街は静かに消えたのだ。
開発は点と点を結ぶが線が太くなることは無い。
便利なのかも知れないが、歴史のある街が次々と消えていく。

向かった街はCarson City。ネバダ州の州都だ。
Las Vegas は誰でも知っているような有名な街だが、州都では無い。
州都の中心地にはCapital が象徴的に建っている。
それを眺めながら、チャーリーは車を止めた。
もう時間は遅く、そとは暗かったが小さなネオンが光っている。
カジノ、それもルーレットが有名な街らしい。
歴史は古く、Las Vegas よりも前からカジノで栄えた街だった。
ここはもう一つ、郵便の発祥ともされているらしく、その碑を見せたかったらしい。
その道は険しく、僕たちが通って来た道も含まれている。
死んだ人もいたらしく、当時の過酷な状況が伺える。
短い時間の滞在だったが来られて良かったと思う。

今日は朝から中途半端な時間に食事をしていたから、夕食はいらないと話していたが、
やっぱり時間が経てばお腹がすく。
気づけば時間は8時を過ぎようとしていた。

South Lake Tahoe の街に戻って、どこかに食べに行こうと話になる。
ちょっとだけ、高く無いものを、ということで“Denney’s”へ行くことに。
そう、あの日本でも有名なファミリーレストランのデニーズだ。
こちらでも比較的低価格で知られているが、接客も程度が低い。
店内の雰囲気は似ているのだが、店員は大違い。初めて入ってびっくりした。
店内の込み合いもそこそこなのだが、ウェイトレスの対応が雑。
客自体も、比較的ヒスパニックや若い層が多く見られる。
まあ日本でも同じようなものか。

ブレックファストは人気があるらしく、売りの一つがいつでも食べられるブレックファストメニュー。
軽くするつもりが、ハンバーガーなどに目がいってしまう。
結局、気分だけ少し軽い、チキンサンドイッチを食べてみる。
ここまで、こういったチェーン店には入ってこなかった。
入ってみて改めて、単調な味に納得する。

Harrah’s のホテルに入り、チャーリーはリベンジへ。
ジョーはテレビに釘付けだ。
僕はごちゃごちゃと、片付けと準備に忙しい。

明日は準備日。
食料計画も考えなくては。
明日はばたばたと忙しく時間が過ぎて行ってしまいそうだ。
チャーリーもジョーもいつもと変わらずのんびり。

毎日遅くなってしまって体がだるい。
街にいるとついつい時間の感覚が狂ってしまう。
今日も明るい夜が過ぎて行く。


7/15(thr) Zero20
“Am I ready?”


今日は朝から忙しい。
チャーリーは今までおろそかにしていたジャーナルのアップを急いでいる。
しかし、こちらは買い物や郵便局へ行って欲しかったので、車を出して欲しい。
昨日も買い物のチャンスはあったが、結局逃してしまった。
チャーリーは友人が全て食料や行程を考えて送ってくれるので、苦労は無い。結局パソコンを持ってチャーリーはグロセリーへと向かう。
僕とジョーの買い物中に、車の中で忙しくタイピング中だ。
いくつかのカードボードボックスをハードウェアショップでもらいホテルに戻る。

ここから先は今までと違い買い物がしづらい場所が多くなる。
そのため、何カ所かに食料を送っておく必要がある。
街に降りることも不可能ではないが、今までと違い街が遠いのでヒッチも難しい。

送ろうと思っていたBurney Falls S.P.がオープンしていないというジョーの情報で予定を変更せざるを得ない。

送る予定は、まずはBelden, CA。
ここはトレイルエンジェルに代わりにPOでピックアップしてもらう。
そうすることで到着が週末になってもスムーズに荷物を受け取れる。
電話は上手く出来ないので、チャーリーに代わりに電話してもらう。
次はBurney Falls SPの代わりにOld Station, CA。
ここもポストオフィス宛に送る。
それ以外はなんとか現地で食料調達が出来そうだ。

ベアキャニスターに必要の無くなった荷物を詰め、お土産も一緒に詰める。
それ以外にも、買った靴を先々の街へと送ることも忘れないようにする。
次に靴を交換するのは、カリフォルニアを越えた、Ashland, OR。
バウンスボックスと合わせて送ることにする。
その次は、ワシントンとの州境、Cascade Locks, OR。
もう少し先まで行けそうだが、判断が難しい。

慌ただしくPOへと出発する。
時間ギリギリの3時前に到着してまとめて荷物を送る。
送り賃が結構の額になるのだが仕方ない。

肝心の折れたポールの代わりがまだ届かない。
明日に本当に届くのかどきどき。
サポートしてくれている、F氏に確認を取ると明日には届くとのこと。

ホテルに戻り、だいたいのパッキングを終え、ゆっくりとする。
チャーリーはまだまだ終わりそうも無い膨大なジャーナルアップに追われている。
いつも携帯からアップしていたが、それがちゃんと出来ていなかったらしく、全てやり直しているそうだ。

ここのブッフェはとても豪勢で有名なそうだが、一度も行っていない。
チャーリーはどちらでも良いらしい。
ジョーはお金が無いから、行きたくない、と言う。
僕はせっかくだから行ってみたかった。
かなり高い階のフロアだから景色だって綺麗に違いない。
ジョーの分は僕が出すから行こう!と僕は言う。
チャーリーは笑いながら、すごいな!と言う。
ジョーは、悪いよ、と言いながらまんざらでもない。
話は決まった。
しかし、チャーリーは食事を食べる気分ではないらしい、それどころでもない。

日暮れ間近の7:00pmくらいに行く約束をするが、その間の時間つぶしはどうしよう。
ジョーはゲームセンターに行きたいと言う。
既に時間のある時に確認しに行ったのだと言う。
Reno のホテルよりも大きく、いろいろなゲームがあったと大興奮だ。
ジョーはチャーリーからお小遣いをもらったので気持ちが大きくなっている。
早く行こうよ、と僕を誘う。

ゲームセンターはカジノフロアの下にある。
華やかで騒がしい所を抜けて階下へ向かう。
Reno と比べると家族連れが多いせいか、確かに広く大きいスペースだ。
とても単純で、4〜5歳の子でも遊べる簡単なものから、
日本でもおなじみのレースものやガンシューティングのゲームなどがある。
背伸びしてきれいな格好をして来ていても、未成年はカジノで遊べないので、結局ここに集まる。

ジョーはとても賢いが、若いせいか何でも勢いに任せてしまう所もある。
ゲームでもその性格が出ていて、一緒に対戦するゲームはだいたい僕の勝ちだ。
二人で夢中になっていると、後ろにはゲーム待ちの少年達が。
大人げなくてごめんね。

あっという間にお小遣いもなくなり、部屋に戻る。
チャーリーはまだまだ時間も労力もかかるらしく顔が疲れている。
とはいえ、ずっと集中することもできないし、疲れてしまうので、食事に行く。
チャーリーのことだ、今食べなければまた後で“お腹空いた”と言い出すに決まっている。

レストランフロアに行くと、想像通り、綺麗な景色が見える。
ブッフェ以外に、高級なグリルがある。
こちらはブッフェよりもひとつ上の高級感があり、座っている人達は、いかにも、な感じだ。
チャーリーが、様子だけ見に行ってみようよ、と店内におかまい無しで入って行く。
それに付いて、ジョーと僕も見学させてもらう。
店員の冷たい目線をかいくぐり通り抜けた。
こちらの方が、湖と街を一望できる、素晴らしい眺望だった。

景色より食い気、ということで気を取り直してブッフェに向かう。
ブッフェは、まあ、安くは無い。
先に支払いを済まし、席に案内されるのを待っていると、一番手前の席に見たことのある顔が。
Non Stop とその彼女、そしてPaparazzi だった。
本当に久しぶりの再会を喜ぶ。
彼らは、僕らの格好を見てずいぶんきれいになったなと驚く。
既にデザートを食べ終えたようで、あまりゆっくりは話せなかった。

席に案内されてドリンクの注文をしたら食事を取りに行こう。
同じホテルでも料理の内容は違っている。
こちらの方が種類も多く、バラエティに富んでいる。
意外に何が旨かったかというと、寿司だ。
巻き寿司しか無いが、そのお米もネタも日本と同じような味がするのだ。
その中でも嬉しかったのが、カッパ巻きだ。
日本のキュウリと同じような味がする。
鉄火巻きも嬉しい。
カリフォルニアロールはご多分に漏れず。

デザートを食べたチャーリーは早々に部屋に戻ってしまう。
まだまだ、ジャーナルのアップが待っているらしい。
ご苦労なことです。
僕達はその後も食べ続け、肉に野菜に米に麺に、と網羅していく。
最後はフルーツでまとめることを忘れない。

カジノの街で過ごした日々。
少しだけトレイルのことを忘れて楽しんだ。
明日からはトレイルを歩く日々が待っている。
非日常から日常へ戻る、生活へ戻る。
休みは終わりだ。

Life is Backpacking.
Backpacking is Life.


- "easy" Turtle

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by hikersdepot | 2011-09-21 23:07 | PCT 2010 by Turtle
South Lake Tahoe, CA around Reno, CA / Day83 – Day85 Part1
7/13(tue) – 7/15(thr) 3 Zero Days

7/13(tue) Zero18
“Join The Joe”


のんびりとした朝。
昨日寝たのは遅くても、体はいつもの朝を求めて目覚める。
バスタブに湯をためて浸かる。
心身ともにリラックスして疲れを流していく。
チャーリーも起きてきた。
彼もシャワーを浴びる。

朝飯前にカジノに繰り出す。
チャーリー曰く、朝は頭が冴えていてゲームに良い、とのこと。
僕に拒否する権利は無い。
チャーリーの行動パターンにも慣れたので、僕もこの時間を楽しむことにする。

けれど、僕程度の遊び方では勝てることも無く、徐々に所持金は減るばかり。
投資が少なければ、実入りも少ないのだ。
僕の人生への投資はいつか戻る時が来るのだろうか。
はてさて。

そんなつまらないことを考えていたら時間はお金と一緒に消えていた。

時間になっても来ないチャーリーを迎えにいく。
かなり前のめりになっている。
僕に気づいて笑顔だ。
切り上げて、ディーラーにチップを渡す。
歩きながら、シンはちょうど良い時にくるな、と一言。
かなり良い具合に勝っていたらしい。
しかし、勝ちの後には負けが来る。引き際が難しいということか。

朝食を食べに行くにあたり、フロントでまたもおすすめのレストランを聞く。
チャーリーは昔ここに来た時に行ったレストランを訪ねたが、フロントの女性は違うお店を薦める。
昨日のチャイニーズレストランのこともある、信じてみよう。

Red Hat Café は、ここの湖が開かれ、スキー場が出来てからある古い店のようだ。
ロコも多く、地元にしっかりと根付いているらしい。
カフェに併設したアイスクリームやケーキを売っているParlorもある。

席がいっぱいで待っている間に、パーラーを覗きに行くと気になるものばかり。
ミルクシェイクも美味しそうだ。
だいたいのお店は、アイスクリームはメーカー品で決まっているが、ここはオリジナルもある。

席に案内される。
働いている人達はみんな元気で、活気に溢れている。
おすすめのメニューはなんだろうか。
Today’s Breakfast が安くて人気のようだが、Muffin にGravy Sauceは好みじゃない。
牛乳にパンケーキとハッシュドブラウンポテトという代わり映えの無いメニューを選ぶ。
ミルクシェイクも考えたが、朝からはやり過ぎだろう。

どれも美味しい。
パンケーキは日本と違い、薄くさらっとした物だが、シロップがタッブリしみ込む。
ハッシュドブラウンも外はカリカリ、中はほくほくで食べ飽きない。

チャーリーはカリカリに焼き上げたベーコンが大好きだ。
しかもそれを甘いシロップに付けながら食べるのだ。
アメリカ人ですらちょっと引いてしまう、珍しい食べ方。
しかし、これがやってみると意外と旨い。
しょっぱさと甘さが癖になるのだ。

チャーリーはメールを見て驚いていた。
昨日ジョーからメールがあったのだと言う。
内容はもうすぐエコーサミット、つまりここに着くというのだ。
それも今日かも知れないのだという。
これには驚いた。

Lone pine で別れたときはまだ足を引きずっていた。
たしかに、その三日後には出発しているはずだし、それほど離れてはいないだろうが。
まさかこのタイミングで到着するなんて。
昨日チャーリーと、最終日に間に合うかどうかだと話していたばかりなのに。
食事が終わって、僕らはここからそれほど遠く無い街Renoに行くはずだった。
しかし、この状況になると待つしか無いだろう。

チャーリーはゲーム運が良いらしく、とにかくゲームがしたい。
僕はといえば、ゲームをしてもたかが知れているので部屋で片付け。
ちなみにカジノのホテルのチェックアウトは正午くらいまでだ。
ゆっくりゲームをしろということ。

今度は調子が悪かったようで、早めに切り上げて来たチャーリー。
あまり遅くなるようならRenoに行こうと話していると電話がかかる。
“ジョー到着”の知らせに間違いが無かった。
急ぎ荷物をまとめ車に向かう。
カジノから30分としないでエコーサミットに着く。

昨日来た道を車は遡って走る。
ヒッチハイクに苦労したエコーサミットのTHにはジョーが。
その隣にはもう一人。ダニエルでは無い。
ガットフックだ!

汚くて臭いHiker Trash とハグし合う。
再会を喜ぶ。
それにしてもガットフックは意外だった。
雪の多さに2週間ほどトレイルを離れていたようだ。

ここまで驚くほどの早さで来たのでどうしたのかと聞くと、追いつきたくて大分無理をしたようだ。
ジョーはヨセミテにも寄らず先を目指し、ダニエルはヨセミテに向かって行ったという。
ガットフックとはトゥオルミで会ってから一緒に歩いてきたようだ。

さすがのジョーも疲れた顔をしている。
いつだったか長い一日を過ごした後、“疲れたな”と聞くと、“全然”なんて答えていたが、
そんなジョーも、今度ばかりは疲れたようで、“疲れたかい?”と聞くと、笑いながら“うん。疲れたよ”と言う。
さすがの若さもここまでの長い旅路にはかなわなかったようだ。

ガットフックのバウンスボックスを取りに近くのエコーレイクまで行く。
ここもPCT上にある。
小さなストアがあり、ハイカーの荷物を預かってくれる。
別荘地の複雑な道を迷いながらエコーレイクに着いた。
湖で遊ぶ為に来ている車でいっぱいだ。

ストアの前には何人かの見た顔が並んでいる。
初めて見る顔のHui。
シエラで会ったサンダルのカップル。
そして、マウンテンゴートだ。

“なんだよ!その綺麗な格好は!”とチャーリーと僕に突っ込みの嵐。
マウンテンゴートと久しぶりの再会を喜ぶが顔が暗い。
その後何やらチャーリーと真剣に話している。
僕はストアの中が気になって話には参加しなかった。

ストアは小さい建物だがたくさんのものが揃っている。
パンや野菜、果物といったものから、乾燥食材、スナック、ソーダやビールもある。
十分ここでResupply が可能だ。
そういえば、Yas もここで十分買える様なことは言っていたな。

ガットフックの用事も終わり、みんなとの会話を切り上げて街へ戻る。
See you Trail!

街に向かう車中、マウンテンゴートの話になる。
すると、さっきチャーリーと真剣に話していた内容に、びっくりする。
マウンテンゴートはここでリタイアするというのだ。
確かに今年の雪の多さは、みんなの心を折るには十分だった。
特にその行程や時間の遅れは心にとても響いてくる。
マウンテンゴートも同じだった。
ここからの行程を考えると、普通に行けば10月を越えてしまう。
確かに、もうのんびりしている時間はほとんど無いと言って良いだろう。
どのようにしたら良いものか。
僕自身もとても考える。考えないようにしているが、考える。
北カリフォルニアが4週間、オレゴンが3週間、ワシントンが4週間
あと2ヶ月半経てば、10月に入る。
こころが苦しい。

ガットフックは僕たちと一緒にRenoには行かず、明日か明後日にはトレイルの戻ると言う。
彼をモーテルに送り、ポストオフィスに荷物を送るのを手伝う。

その前に、お腹の空いた僕たちは何かを食べることにする。
朝から気になっていた、Red Hat のミルクシェイクだ!

Red Hat の女の子達の服がとてもかわいい。
80年代のファッションで、とても元気な感じだ。
カフェと違い、こちらは若い子達が多い。
そこに小汚い臭い連中が入って行くのだ。
また異様な雰囲気なのだろうが、僕たちはこれしかないのだから恥ずかしさも無い。
チャーリーは、Sundae にチョコレートファッジにホイップクリーム。
僕は、Choco-dough にファッジとホイップを加えややインパクトを加えてみた。
ジョーとガットフックも甘さにインパクトを与えるためにホイップにチェリーを乗せる。
一杯分のカップには収まらないので、シェイクを作るステンレスのカップも一緒に出てくる。
旨い!そして、なんというボリューム感。Gorgeous!
これだけで充分腹一杯になってしまう。昼飯抜き決定だな。

ガットフックはポストオフィスで荷物を受取り、モーテルに戻って荷物を入れ替える。
それをまたポストオフィスに持って行って発送、と大忙しだ。

ベアキャニスターの使用義務区間が終わったのでみんなここから荷物を自宅に送るのだ。
ガットフックはついでにバックパックもより小振りなものに替えていた。
確かにここまで来て、だいぶ荷物も厳選されてきて、必要なものは多く無い。
僕も少々持て余し気味になりそうだ。
ゆったりざっくり入れるのは嫌いじゃないので構わないけれど。
僕も一通り済んだら、ここを離れる前にベアキャニスターを送るつもりだ。

ガットフックの用事も全て済んだ。
次の再会を約束し、三人のハイカーと一人のハイカーは別れて進む。
僕たちはここからReno を目指して北西に向かう。
といっても運転はチャーリーにお任せだ。

疲れが溜まっているからだろうか、車の揺れが心地よく眠くなってしまう。
チャーリーには申し訳ないが、少し寝てしまったようだ。
気づくと目の前には広い荒涼とした台地が広がっていて、そこにはたくさんの建物が見える。
Reno の街だ。

Reno はNevada州にある街で、Las Vegas より小さい規模だが、有名なカジノシティだ。
スキーエリアのある大きな峠を越えて一気に山を下りて行く。
まっすぐに伸びたハイウェイ。
たくさんの車が行き交っている。

なぜ、South Lake Tahoe(SLT)から近くの有名な街とはいえ、Reno の来たのか。
それには僕らの“生活”に大切なものを仕入れにREIに来る為という理由。
それから有名なアウトレットがあるからだ。
Patagonia のFactory Outlet。
それから型落ちなどの安売りで有名なSierra Trading Post だ。

とりあえずどこから行こうか話し合う。
Patagonia は終わる時間も早く、もう5時前では行ってもゆっくりは見ていられないだろう。
まずは行きやすそうなREIへと向かう。
しかし、いまいち場所も定かではないので電話して場所を確認する。

REIは大きい店舗を構え、アメリカ全土に広がっているが、品揃えはいまいち。
とりあえず、消耗品やエナジーバーといったものを手に入れる。
また電話をして、Sierra Trading Post の場所を確認する。
意外と距離がそれぞれにあり、ハイウェイに乗って行く。
どんな店なのかとても興味がある。
昔から日本でも海外通販で良く知られた店で、webでは魅力的なものも多い。

大型店舗が建ち並ぶショッピングモールの一角に店はある。
外観は規制の箱物なのでこれといって特徴は無い。
大きく”Sierra Trading Post”!!!と書いてあるくらいか。

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僕には今足りないものは食料以外にはほとんど無いとい言っても良いだろう。
ここに来て買うものなのど無いのだ。
しかし、気になるものはたくさんある。
あれもこれも買えるものなら買いたいところだ。
思わず買って日本に送ろうと思ってしまう。
しかし、今僕は満たされている。
欲しいものが無いと言えば嘘になるだろう、が必要では無い。
靴下などのこの先も必要になるであろう、消耗品があればと思ったが無かった。
やはりアウトレットなので、仕入れによってはとても良い時もあるのだろうか。

ジョーは無くしたトレッキングポールの代わりを欲しがっていた。
アメリカでも、Leki の人気は高く評価が高い。
それが驚くほど安い値段で売られている。
しかし明日からはSale が始まり、さらに安くなるのだという。
もう一度明日ここに来ることにして店を出る。

Reno は街を大きく広げていて、車が無いと移動はとても不便だ。
移動の為にハイウェイに乗ってしまった方が早い。
今度はビルが建ち並ぶ繁華街へと来る。Reno のカジノ街だ。
一度は来てみたいと思っていた街だ、来られて嬉しかった。
街の感じは、Las Vegas よりも小さくこじんまりとして、SLTよりも品が無いといったところか。

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今日の宿は昨日と同じホテル”Harrah’s”。
昨日のホテルよりも建物自体が古く、中の施設も古そうだった。
今日もチャーリーのお陰でホテル代は無料なので文句は無いが、昨日とは大違いの部屋の広さだった。
ちょっと良いビジネスホテルと言った感じで、長期滞在向きではなさそうだった。
窓から見える景色も全く違い、コンクリートの塊ばかりが見える。

ジョーの洗濯ついでに、チャーリーも今日買ったダウン用の洗剤で寝袋を洗う。
その間僕は部屋でのんびりとしたり、ちょっと遊びに行ったりした。

夕食は、アメリカのカジノといえばBuffet だ。
昨日はチャーリーの気分もあって行けなかったが、いろいろな料理を選べるのは楽しい。
正直安い値段ではなかったが、山ほど食べられると思えば高くは無い。
肉も野菜もピザもヌードルやアメリカでは珍しい海藻類も。
アイスにケーキに、目の前で作るできたてクレープ。
飲み物も飲み放題で、腹がはち切れそうになるまで食べた。
これではさすがに朝ご飯は食べられなさそうだ。

ジョーは年齢的にカジノでは遊ぶことができない。
カジノは大人の遊びなのだ。
子供達の為に小さなゲームセンターがある。
チャーリーはテーブルゲームへ、僕は機械相手に勝負を挑むとしよう。

Reno の夜は騒がしく慌ただしく過ぎて行く。
たくさんのコインの音が消えていった。


- "gambler" Turtle

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by hikersdepot | 2011-09-18 15:33 | PCT 2010 by Turtle
Tuolumne Meadows, CA to South Lake Tahoe, CA / Day76 – 82 / PART 4
7/11(sun) Hiking Day 61 / 20mi /6:30am-5:00pm (10:30)
“Happy-go-Lucky”

South Lake Tahoe まで、あと26miとなる。
今日一日で歩ききることも出来る。
けれども、チャーリーとの話で、明後日の昼くらいにゆっくり街に入ろうということになる。
こんな山の中に意外な、立派な道路を渡り、上を目指していく。

Nipple という言葉をご存知だろうか。
昨日見たであろう、あの頂きに近づくのだ。
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岩がご赤みがかったごつごつとしたトレイルだが、今までの岩質とは変わっている。
サクッと上がった直下をトラバースして歩く。
近くに来てしまうと、当然ながら、Nipple は見えない。
どこがそれだか解らないまま道を進む。
眼下には大きく綺麗な湖、Upper Blue Lake、が広がっている。
湖には大きなボートが浮かんでいるのが見える。
チャーリーと船の上でのんびりと楽しいバカンスを過ごしたいな、と話す。
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向かいからハイカーの姿が見える。
こんな早い時間に。
歩いているのは、やはり、PCTハイカーだ。
カップルで歩いている彼らは、彼を“Milk Shake”、彼女は“Cliffhanger”だ。
初めましてだと思ったら、Anderson’s で会っているという。
人の記憶なんていい加減なものだが、チャーリーも僕も全く記憶になかった。
こんなキュートな娘のことを覚えてないなんて、とあとでチャーリーと話した。

Milk Shake。なんて刺激的なトレイルネイムなのだろう。
口の中も心の中もすっかりミルクシェイクのことで一杯だ!

雪がパッチで残るトレイルを、雪はもういいよ、とぼやきながら二人は進む。
その雪解けのおかげで豊富な水に恵まれていることはラッキーなのかもしれない。
緩やかに谷に降りたあと、もう一度大きく登り返す。
“Elephant Back”馬の背ならぬ、象の背という名のピークを目指す。
今日も爽やかな天気で。空は広い。ずっと広い。
斜面を切るように斜めに上がっていき、最後はお決まりのスイッチバックだ。
上の方に出ると、花が美しく咲き、風が爽やかに通り抜ける。
アニメにでも出てきそうな、草と花と岩の美しい景色に思わず足を止める。

トレイルは、そのままもう一つ上に向かって伸びている。
この周辺は、Yogiによると、雪が残っているとデリケートで怖いと書いてある。
びっしりとトレイルには雪が張り付いている。
9000feet下だが、北東斜面には雪が残りやすい。
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斜面のトラバースは急斜面で、確かに神経を使わせる。
しかし、騒ぐほど怖いものでもない。
一カ所、大きな岩を巻くところがいやらしく、ポストホールも怖い。
それを抜けると、緩やかになり、リッジをすぐに越える。

デイハイカーとすれ違う。そろそろ人里近いようだ。
しかし、あの軽装でどこまで歩いて行くのだろうか。
まあ、気をつければ大丈夫だろう。

眼下には、Carson Pass が見える。
車がたくさん行き交っている。
最近のPassの中ではもっと交通量の多く、にぎやかだ。
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チャーリーを待ち下りはじめる。
快適なトレイルをぐんぐん降りて行く。
いくつかの分岐を通り過ぎる。
今度はファミリーハイカーがいる。
重そうな体を持ち上げて、みんな大変そうだ。
こっちは軽やかにTHまで一気にかけ下り、飛び出す。

THは大きな道路のHWY88にある。
大きな駐車場があり、ずいぶんにぎやかな雰囲気だ。
Carson Pass も道路の通るPassとしては、とても標高が高い。
ここでも自転車のレースが開かれているらしく、多くのロードランナー達がいる。

THの隣には小さいが綺麗なビジターセンターがある。
Yogiには、何も無い場所、として書かれていたので、期待はしていなかった。
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中は、この周辺の案内やお土産品を売っている。
働いている人達は、年配の人ばかりだが、みんなとても雰囲気の良い人達だ。
チャーリーがこの辺りのことを聞いていた。
彼らは、PCTハイカーか、と訪ねる。
そうだよ、と答えると、外のクーラーボックスの中のものをどうぞ、と言う。

外のクーラーボックスの中には、僕の大好物のネクタリンやソーダが入っていた!
思わぬ収穫に喜びが隠せない。
明日になれば自由に食べられるのは分かっていても止まらない。
駆けつけ一本!
ネクタリンも一気に2個食べる。

中には久しぶりのログブックがあり記入する。
いろいろ懐かしい名前が並んでいる。
ローンネンジェルやボストン&カービィの名前が無い。
聞いてみるとここには来ていないと言う。
おそらく朝の早い時間に通り過ぎてしまったのではないかということだ。

ログブックには以前出会ったハイカーの名前がちらほら見える。
しかし、プラッドの名前は久しく見ていないので心配だった。
実際、既に何人もがリタイアして、トレイルを離れていってしまった。

暇なのか、ビジターセンターの人達は外のベンチでくつろいでいる。
僕たちはついでに昼飯をとることにする。

今日は人が多いね、何のレースなのかな、と聞く。
どうやら、標高の高い峠越えをするレースで、Ebbetts Passのレースもその一部ということだ。
何レースという名前だったかな。

今日泊まるところの見当をつけるため、地図でキャンプサインのある場所について聞く。
彼らはあまり把握していないようだったが、一生懸命調べてくれる。
PCTのガイドブックにはキャンプサイトのことが書かれていた。
とにかく行ってみるしかない。

二本目のコーラを飲み干し、足のケアも済んで、トイレにも行った。
さあ、そろそろ行こうか。
みんなに感謝の気持ちを伝えて道路の向こう側に渡る。

たくさんのデイハイカー達がいる。
手軽に歩けることもあり有名なのだろう。
花もたくさん咲いていて、とても良い季節だ。

せまいTHを上がりきると大きく景色は開ける。
トレイルは緩やかで難しく無く、気持ちのよいハイキングを楽しめる。
丘を上がると、向こう側が見える。
あれは!South Lake Tahoe!
もう少し、もう少しだ。
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確かに何も無い。

チャーリーと、今日中に行っちゃおうか、と冗談。
そんな急ぐ気全くない。
なんとなく、ここなら電波はいるんじゃない、とチャーリーに訪ねる。
そうだな、とチャーリー。

こんなところで何も携帯なんて、と思うだろう。
しかし、チャーリーの娘がちょっと大変なことになっている。
彼女は卒業式を終え、Wrightwoodまでチャーリーを送ってくれた、あの娘だ。
看護士のCollege を卒業後、ボランティアの為行ったアフリカで感染病にかかってしまった。
一度は問題ないと医者に言われたのだが、また再発の危険があり、気が気で無いのだ。
それ意外にも、South Lake Tahoe でのバカンスのための予約にも余念がない。

感が当たって、Passでは入らなかった電波を受信する。
チャーリーが電話で忙しい間、岩に腰掛けてのんびりと景色を楽しむ。
風が心地よい。
花が揺れている。
心が穏やかだ。

結局、娘と息子と電話したので、ずいぶんと待たされたが、良い時間だった。
デイハイカーとすれ違いながら、緩やかに谷は下って行く。
小さい川は、水深は無いが飛び石も無く、防水シューズのデイハイカーは先に進めない。
川をびしゃびしゃと渡って、さっと先へ。
この辺は、奥の方にキャビンが建っているらしく、結構人の気配が多い。

木立の中に馬が繋いである。
自然に溶け込む、良い景色だった。
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ところが、チャーリーが馬の方に近づくと、馬主が“触るな!”と怒鳴る。
せっかく機嫌の良かったチャーリーの雰囲気が一変。
言い方の悪いケチな馬主もさることながら、子供思考のチャーリーも、お互いに困ったものだ。

チャーリーは一気にスピードアップ!
はあ、いらいらしているんだろうな。
僕はいつもどおり行くことにしよう。

トレイルは谷を外れ登りになる。
なかなかの急斜面をスイッチバックで登ると、Shower Lake に到着する。
朝の予定ではここで泊まることにしていた。
今日は急ぐことも無く、のんびりしていたが、歩きやすかったせいか思いのほか早い。
小さいが綺麗な湖でキャンプには申し分無い条件だが、蚊が多い。
時間も早いので、このまま通り過ぎて先を急ぐ。
同じように進むべきか、止まるべきか考えているグループがいた。
Echo Summit か上がって来たのだろうか。

トレイルは一度下がり、また上がる。
それほど高く無い場所だが、またパッチで雪が残る。
残る雪は、どうしてだか、道を塞ぐようについている。
せっかく乾いた靴が濡れるのは、嫌なものだ。

上がりきった所に候補に挙げて調べていたキャンプサイトがある、はずだった。
森に覆われだいぶ雪が残る。
どう見てもそれらしい場所が無い。
必然、降りようということになる。
どんどんEcho Summit に近づいていく。
本当にこのまま行くと今日中に終わってしまう。
といっても夜中に街に出ても出来ることは限られてしまう。

チャーリーの手綱を引きながら、ブレーキをかけつつ降りる。
Mosquiteがいっぱいの湿地を過ぎて小さい川を渡る。
止まった瞬間“やられて”しまう。

少し開けた場所に出てくる。
トレイルから外れた奥の方にはいっぱいスペースがありそうだ。
ちょっと、より、もっと、上がった場所に良い所を見つけ今日の寝床とする。
幕を張って、水を汲みにトレイルに向かうがちょっと方向に迷う。
水を汲むには、ウィンドシャツを着てフードをかぶり、蚊から身を守る。

戻る時にハイカーとすれ違う。
こんな時間に、いくら何でも遅い。
しかも、彼のバックパックは、某メーカーの超シンプルパック。
しかもしかも、ワンショルダーに改造してある。
挨拶一つで歩き去った。
何者なんだ。

あと6miを残し、早い時間に終了したのはわざと時間調整を入れたのだ。
今日はゆっくりのんびりだったが、あっさりと20mi。
本当に歩きやすくなったものだ。
それとも自分たちが速くなっているのか。

明日は久しぶりにすっきりと体を洗える。
そしてたらふく食える。
食べることしか考えられない。
"自然"に近づくにつれて、欲が露になってくる。
仙人のように霞を食べて生きるにはほど遠い。

今日も心地よい風が吹いている。
一日の疲れを風が吹き飛ばしていってくれる。
僕の思いと共に空へ飛んで、遠くまで運んでくれれば良いのに。


7/12(mon) Hiking Day 62 / 6mi / 6:00am-8:30am (2:30)
“South Lake Tahoe”

いよいよ街へ降りる日だ。
たった6mi、サクッと歩いてしまうはずだったのに、思わぬつまづき。

昨日降りてしまおうとチャーリーが言った場所はキャンプなんてできない。
雪に完全に覆われていたからだ。
谷が深く細くなるにつれ日陰が多く雪が残るのだ。
あればあったで道を気にせず歩けるのに、中途半端に残られると厄介だ。
残った雪は崩れ、ブリッジを作っている。
迂回するにはガレを歩くが、それも決して安定しているとは言えない。
まったくここにきてヒヤヒヤさせられるとは思わなかった。

谷は閉ざされ始め、濃い森と変わって行く。
湿った空気が体を包むと、体が汗ばむのを感じる。
下から犬を連れたハイカーが上がってくる。
運動がてらに来たようだ。
少し話をしたかったが、蚊が多くじっとしていられない。

だいぶ下に降りた頃、なにやらサインがある。
PCTハイカーにトレイルマジックがあるとのこと。
橋のたもとに隠してあると書いてあったが、見つけられなかった。
トレイルは広い広い人口スペースにぶつかる。
Echo Summit のParking Lot に到着だ。
ちょうど二人ともトイレに行きたくなっていたので、寄って行く。
季節でないからか、たくさんあるトイレも空いていたのはたった二つ。
それでも、ゆっくり出来るのは助かる。
よくよく見ると二人ともぼろぼろだ。
思わず写真を取り合う。
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今日これから降りる街は、綺麗なリゾートタウンで、カジノがある街らしい。
こんな格好で良いのだろうか。
チャーリーが言うには、カジノのホテルに無料で泊まることができるらしい。
良く分からないのだが、“任せておけ”とチャーリーが言うのでお任せしている。

Parking Lot から10分もかからずにPCTルートがHWY50にぶつかる。
東に向かえば、South Lake Tahoe の街に入れる。
歩くには距離がだいぶあるので、ヒッチハイクをする。
時間はだいぶ早く、まだ朝の8:30am。
今までのヒッチハイキング成功率はとても高い。
今日もそんなもんだろうと思っていた。
ところがなかなか女神は微笑まない。

あとで振り返れば、時間が早すぎたのかもしれない。
どう考えても出勤時間の人がほとんどで、余裕も無く急いでいるようだった。

携帯の電波が入る場所だったので、久しぶりに電源を入れる。
Mammoth Lakes 以来だったので、溜まったメールがたくさん届いた。
それを全部読み終えてもまだ、車は捕まらない。
かれこれ、一時間が経過していた。

着いた当初は、朝食に間に合うかも、なんて調子に乗っていた。
今や二人の顔からは笑顔が消えている。
サングラスを付けているからいけないんじゃないか。
帽子を取ってみよう。
バックパックを目立つように置いたらどうか。
いろんな手を尽くしたが、一つとして効果の兆しは見えてこない。

あとからハイカーが追いついて来てしまう。
エスフェイスだ。
いつの間に逆転!?
どうやらおとといの段階でどこかで追い抜いていたようなのだ。
一緒に街に行くかい、と聞くと、彼はこのまま先に行き、トラッキーの街まで歩くという。

エスフェイスが去っても、一向に車は捕まらない。
レンタカー会社に迎えにくるように言っても、距離があるからと断られてしまう。
我慢が出来なくなったチャーリーはとうとうタクシーを呼ぶことにする。
なんてブルジョアなアイデアだ!
一人ならあり得ないことだが、まあこれもまた楽しい。

Yellow Cab はヒッチハイクより確実な方法だし、気兼ねなく使える。
しかし、まさかPCTハイク中に使うなんて思いもしなかったことだ。
大きな谷をうねりながら道は下って行く。
すぐに建物が多く見えてくる。
突き当たった道を西に向かって走り出すと、今までとは規模の違う風景が広がる。
いままで通って来たPCT沿いの街は、十分なものが揃っていたが、それほどの大きくは無かった。
しかし、South Lake Tahoe は並ぶ店の多様さからも想像できるほどの街だった。
チャーリーレンタカーにこだわるのがようやく分かった。
まずはPOに行って、チャーリーのクレジットカード、僕の靴やバウンスボックスをピックアップ。
その後、レンタカー会社の”Enterprise” に行く。
日本では聞きなじみの無い会社だが、こちらではポピュラーで価格が安いのが特徴だ。
もうすんなり行くものと考えていたが、そうは済まなかった。
あのヒッチハイクが暗示していたのだろう、会社には人がいなかった。
どこに行ってしまったのか分からない。
チャーリーが電話をしても誰にもつながらないのだ。
チャーリーは予約の時にだいたいの到着時間を言ってあったのに、とご立腹。

と待つこと30分以上。未だ車は借りられないままだ。
その間に、向かいのGSのストアに日本では想像しにくい大きさのコーラーとスナックを買いに行った。
それを二人で食べながらため息だ。
他にも返却の客達が次々と訪れるも、鍵を返す相手がいないのではどうしようもない。
みんなで愚痴を言い合う。

もうすぐ一時間になる頃、やっと帰って来た。
そのスタッフもびっくりしていた。
話では一人残っているように言っていたヤツがいないのだという。
と、もう一人が帰って来た。
彼は僕たちが着いた時に車で出て行った人だ。
どうやらピックアップサービスに行っていたというが、怪しい。

かなり平謝りの彼らを無視して淡々と手続きを済ませる。
チャーリーは、ちゃっかり、と帰りにEcho Summit まで送るように約束を取り付けた。

出る頃にはここについてから一時間が経過していた。
結局、ブレックファストどころか、ランチの時間も過ぎてしまっている。
すぐにホテルに向かうと思ったら、さっきのPOがある場所に戻る。
そこには、Russ という安売りの洋服屋がある。
僕は最低限の着替えを持っているし、バウンスボックスにも着替えがある。
しかし、チャーリーは何も持っていない。
さすがにこの格好でカジノは出来ない、ということで服を物色しに来たのだ。

どうしようもないものも多いが、細かい所を気にしなければ、この価格で一揃いは安い。
チャーリーはポロシャツ2枚とハーフパンツを買った。
その後はホテルへ。
しかしところが、道路の途中にとっても美味しそうな看板が見える。
Milk Shake とHamburger!
チャーリーの体は自然とハンドルを切っていた。

この街の美味しいお店ランキングで何度も一位を取ったり、雑誌に紹介されているようだ。
マッシュルームが入った店の名物”Famous Burger”とポテト、それにチョコレートシェイクを注文する。
チャーリーはチョコレートシェイクのMalt とFudge を足していた。
想像以上の量に驚く。
ハンバーガーの大きさもそうだが、ポテトの量が多い。
と、言いつつもどんどん減るポテト。
ミルクシェイクも看板に違わぬ旨さで納得だ。

だいたい1500kcalくらいは取ったろうか。
レンタカー待ちしていた時に食べたものも考えると、降りて来てから、もう2000kcalは取った。
さすがに、腹も心も満たされた。

車は道路に沿って走って行く。
道路が角度を急に変える。
すると左手には美しい湖の姿が広がる。
South Lake Tahoe だ。
とても大きい湖で、湖上にはボートが浮かんでいる。
湖畔にはBBQの設備が並び、道路を挟んだ向かいにはキャンプ場がある。
道路脇にはモーテルや高級なホテルが立ち並び、観光地らしい風景に変わる。
その先はグロセリーやショッピングモールが並ぶにぎやかな場所になる。
ここには山に向かってゴンドラが通っている。
冬には有名なスキーエリアとなるのだ。

チャーリーが、そろそろだよ、と言うと道の先には大きなホテルが立ち並んでいる。
信号を境にCalifornia とNevada が別れ、そのNevada側にはCasinoがあるのだ。
カジノで有名なLas Vegas も、ここからは遠く遠く離れているが、Nevada州だ。

その角地にある”Harrah’s” というホテルに入って行く。
ここはカジノのホテルとするととても有名で、Las Vegasにもある。
ものすごく立派なのはもちろんのこと、遊びに来ている人も綺麗な格好をしている。
まあ当然だろう。
ここはゆっくり優雅な気分で遊びにくる場所だ。
こんな小汚い格好でくる場所では無い。

大荷物を抱え、ロービーで佇む僕を周りはどう見ているのだろう。
本当に無料で泊まれるのだろうか、一泊幾らくらいなのだろう。
周りの視線が気になる、と思いきや、あまり気にもならない。
しばらくしてチャーリーがキーを持ってくる。
手続きは終了したらしい。本当に無料なのだ。

部屋は13F、ずいぶん良い部屋のようだ。
廊下の雰囲気からして少し違った。
部屋に入ってびっくりの広さ、そして景色。
South Lake Tahoe がよく見える。
大きなベッド、大きなソファ、二つのバスルームにはテレビ付き。
アメリカのモーテルは広いからそれでも十分だったが、さらに広い。
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荷物の整理や片付け、洗濯もしたいが、それよりもまずシャワータイム。
体にこびりついた垢をごしごしと流れ落とす。
頭は三回洗うし、体も二回は洗う。

すっきりして汚れのなくなった僕らはコインランドリーに洗濯をしに行く。
そこまではカジノの中を通らなければ行けない。
臭そうな袋を持ち。うろうろ。
しかし、新しい服を着てこぎれいになったチャーリーは見違えるほどのジェントルマン。
やはり白人の裕福さがにじみ出ている。

コインランドリーはとても小さく、まあ自分で洗う人なんて少ないのだろう。
洗濯が終わる間、カジノで遊ぶことにする。
途中PCTを抜けてまで、息子とラスベガスに行くくらいカジノ好きのチャーリー。
我慢なんて出来る訳もない。

僕も少しだけ遊ぶことにしたが、ATMの手数料が高い。
自分にしてはがんばって多めに用意したつもりだったが、チャーリーは$3000スタートらしい。
$3000。確かにそれくらい使わなければカジノなんて楽しくは無いのだろう。
が、それにしても、チャーリーのお金持ちっぷりに感心してしまう。
チャーリーはBlack Jack が好きで良いテーブルを探しに行った。
僕はゲーム感覚で、カジノマシンで遊ぶ。
Star Trek のカジノマシンが面白くて何度もやってしまった。

夢中のチャーリーには期待できないので、時間になったら乾燥機にかけに行き、時間をつぶす。
洗濯を終えた僕はチャーリーを探しに行く、テーブルで一対一で楽しんでいる。
なかなか上機嫌な所を見ると、勝っているようだ。
僕に気づききり上げたチャーリーはニコニコしている。
良いゲームだったよ、とチャーリー。

少し待ちを散策しに外に出る。
街をもう一度車で回り、だいたいは把握できた。
僕は一人でショッピングモールやアウトドアショップを散策するため車を降りる。
チャーリーはもうひとゲームしに戻った。

アメリカでは本当にはっきりと空間が別れている。
ここには安全という目に見えない決まりが存在する。
みんなが開放的で楽しそうだ。
そこそこのものが揃ったアウトドアストアとハードウェアショップにキャンプグッズがある。
足りないものがあれば十分に買える。
The North Face やPatagonia のお店もある。
時期的にセールまっただ中だったが、僕に必要なものはここには無かった。
ぶらぶら散策しながらホテルに戻る。

チャーリーと約束していた時間よりだいぶ早かったので部屋に戻り少し体を休める。
昨日のこの時間はまだ歩いていたのだと思うととても不思議な気分になる。
約束の時間にロビーに行くと、チャーリーはフロントで話をしている。
今日の夕食の場所を聞いていたらしい。
今日はChinese Restaurant で良いかい?と聞いてくる。
二人とも中華料理が大好物で、フロントおすすめの店があるようだ。
二つ返事で答える。

メイン通り沿いのレストランは、こじんまりしていて、とても雰囲気が良い。
中に入ると、ほとんど中国語しか聞こえない。
もちろん客には 西洋人も混ざっているが、ほとんどがアジア人で、中国人だ。
味は間違いなさそうだ。

ついつい二人でたくさん頼んでしまう。
けれど、ちょこちょこと食べているせいか、直ぐお腹がふくれて来てしまう。
味は本当に美味しく、Fried Rice(チャーハン) やMein(麺)は刀小麺風で美味しかった。
アメリカ風にアレンジしてあるとはいえ、やはり落ち着く味付けだ。

チャーリーも僕も食べている時から眠くなってしまい、ぼうっとしていた。
ふくれた腹を抱えホテルに戻る。

サイドが割れたシューズ。良く耐えた。
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同じものとは思えないほど形が変わっている。
500mi、800kmの成果か。
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日本で待たせている妻には悪いが、少しバカンスを過ごす旨を伝える。
昨日までとは打って変わり、華やかな光の中安らかに眠る。
久しぶりのベッド。

何も考えずに休もう。
頭を空っぽにして。
今だけは少しハイキングを忘れよう。


-"easy"Turtle
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by hikersdepot | 2011-09-02 18:20 | PCT 2010 by Turtle