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夜のすごし方
 若い時分は、夜な夜な街を徘徊して、何か素敵なことがあるのではないか、なんて思いながら明け方まで寝ない日々を過ごしていたのだけれど、そういうものがすっかりとなりを潜めていたと思ったら、ここ何年か冬から春にかけて同じような症状がでてきてしまう。

 夕日のきれいな場所にテントを張ってのんびりと日の沈む姿を眺める。世の中には夕日が好きな人がいるらしく、僕もどちらかと言えば夕日を追いかけて西に西に自転車を走らせてしまうような、ちょっとネジが緩んでいる子だった。(これが、追いつけないんだ!)

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 夕日を見終えるととたんに眠気が襲ってくる。特に山にいると顕著で、夕日のないときには18時くらいから23時くらいまで寝てしまう。気象概況が聞けないのでいつも弱ったなぁと思ってしまうのだけれど、三つ子の魂なのか、どうも治らない。

 23時過ぎると、不思議とすぱっと目が覚める。勢い良くテントの入り口を開けるか、タープの脇から顔を出して星を眺める。長時間撮影をすると判るのだけれど、夕日の残照が消えるのは22時くらいで、空が本当にきれいな時間は24時から夜中の2時くらいだと思う。

 風も穏やかな日には、マットと寝袋を持って外に出る。樹林帯に寝るほうが風も穏やかで暖かいのだけれど、それだと星が見難い。僕は岩の上か、雪の積もった草原にテントを張っているのでテントから少し外に出るだけで、あとはどこでも星の下だ。
 月のないときには天の川が良く見える。シャッターを開け放して夜空を撮りながら、ぼんやりと空を眺める。このときにコーヒーでも飲んだりすると、なんだか粋なんだけれど、ちょっと気恥ずかしいのでただ大の字になって雪の上で寝転んで、流れ星を数えながら、手短なお願いを考えてみたりする。

 月のあるときには星はあまり見えない。その代わりに月が照らし出す雪山が美しい。青白く輝く山肌は冬にしか味わえない楽しみだ。

 MP3プレイヤーがあるときには夜空の下で適当な歌を口ずさんでみるのも楽しい。静かな山では音のするものが少ない。風の音、コヨーテの遠吠え、樹の軋む音。自分の声と自然の音と重なり合って、自分が世界に取り込まれたような気持ちになる。まだ眠る熊や、ヒトの食べ物をこっそりと狙うアライグマ、遠くの仲間に声をかけるコヨーテ、そして寝転んでいる自分。

 2時を過ぎると寒くなってくる。テントに戻ってもう一眠りする。次に目覚めるのはちょうど明け方。ありがたいことに太陽がまた昇ってきてくれる。

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by hikersdepot | 2008-02-25 06:04 | 戯言
久しぶりのミストトレイル
山に行きたいと思いつつ、行きたい山が見つからず、ザックに食料詰めながら、思い立って地図を持つ。さぁ、どこに行こうか。
テントもある。マットもある。寝袋もある。自由もある。意志もある。お金はあまりないけれど、バナナチップと抹茶は十分だし、今川焼きだってある。

ただのんびりと雪の締まる音を聞きながら、雪の中を歩いて数時間。ずいぶんと雪が多いことに愕然とする。がっかりついでに今川焼きをほおばっては、甘みをかみ締める。冬はあんこですよ。
 ああ、そうか、ここは渓谷だから、上に積もった雪も落ちてくるのだ。増量中。トレイルなんて影も形もなく、たださまざまな斜面が続いていた。帰ろうか、登ろうか、誰かが頭の中で考えていたのだけれど、「登る派」が僅差で勝ってしまった。「帰る派」は「ライターが無いのだから困るではないか!」と力強く主張したのだけれど、「登る派」はバナナチップと今川焼きにお湯が要るのか?と鋭く切り返してしまった。がっくり。

 ヨセミテ渓谷は、もっぱら渓谷なので、雪が上から落ちてくる。暖かい日が続いていたので、上のほうからはすっかり雪がおちてしまって、ミストトレイルには呆れるくらい雪が積もっていて、その上、まだ落としたり無いのか、時おり、こぶし大の塊が落っこちてくる。上を見るとツララが見えたので、あーやだやだとこぼしつつ、ザックを頭に載せては早歩きで難所を通り過ぎた。

 上のほうは心地よい。足跡はコヨーテと鹿くらいしかなくて、ふんわりとした雪が敷き詰めてあった。ああ、もったいないなぁ、とにやけながら、縦横無尽に雪原をあるいてわだちをつけて歩いてしまった。

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 夕方テントを張ってぼんやりと音楽を聴く。食料は寂しいものだけれど、山分の補給なのであとはぼーっとしていれば良い。こういうのは昔から得意だ。授業中みたいなものなんだから。バックパッキングの基本は「何を持つのかではなく、何を持たないのか」だと言う。それは私とて同じこと。何をするのかではなく、何をしないかなのだ。きっと、うん。
(だから、ライターを忘れるんだよね。わざわざ途中で買ったのに(笑))。

 どこからかカラスの鳴き声がした。春らしい鳴き方だった。テントの縁側から外を眺める。ほんと、春なんだねぇ。

 星をぼんやり眺めていると、今日は星が少なくて残念だなぁ、と本を取り出してライトをつける。なんだか、暗い。雪盲かとめがねをはずすと、サングラスをつけたままだった。あはは。
 サングラスをはずしてみる夜空は、天の川は見えなかったけれど、春の良く冷えた空気はずいぶん心地よかった。
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by hikersdepot | 2008-02-12 04:39
雨が降りますなぁ
本日も雨です。
木曜日くらいになると山心が芽生え始めて、週末は晴れるかな?と天気予報を三遍ばかり見るのだけれど、木曜日から日曜日までずっと雨、雨、雨。緑一色、雨。もう十分下界は潤いました、と申し上げたい。
 雨をおして歩こうか、諦めて家でおとなしく落語でも聴きながら、テントを開いたり閉じたり、雨具を着たり閉まったり時間を潰そうか悩んでしまう。家に居てもオンラインで買い物が出来てしまう魅惑の世界。10年前だったら出不精だったらそれなりに買い物もせずにおとなしく無駄遣いも無かったのだけれど、いまや外に居る方が買い物をしないくらいだ。掘り出し物と称しつつ、ガラクタばかり探し出して、もはや掘り出し物は我が家の方が多く眠っているような不始末。
ごめんなさい、e0128835_9215731.jpg私がバカなんです。これもきっと雨の所為だと、重い空を牽制しつつ、熱いお茶でも飲んで気を落ち着けましょう。
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by hikersdepot | 2008-02-01 08:56 | 戯言