8/25(Wed) Hiking Day99/ 28mi/ 6:35am- 6:45pm (12:10) /NB 2004mi
“Burning Forest” 朝が早い。 寝たと思ったらあっという間に目覚ましが鳴って驚く。 でも身体はなかなか起きずに少しうだうだする。 超高カロリーのオレオ、ケイクスターを食べて一気に血糖値上昇。 朝からPoopingをして出発。 ぐずついた割には素早く6:35am出発となる。 びっくりするほど脚の調子が良く、ぐんぐん歩いて行く。 太陽が登るのがグンと遅くなったと実感する。 山の近くにはまだ月が見えている。 朝の空の中に美しいThree Sistersの一つが見える。 歩きやすいトレイルが続いて行く。 水の流れる音が聞こえてくる。 地図によるとどうやらObsidian Fallsらしい。 トレイルからはよく見えず滝の上を回ってしまう。 下に降りる踏み跡もあるしせっかくなので滝を見に行く。 大きくはないが悪く無い。 名前が付くのがわかる綺麗さだ。 しかし、Fallsという位だからこの下にも滝が続いているのだろうか。 その滝の上に上がってトレイルを行くと今度は綺麗な流れのクリークがある。 その近くには面白い石が落ちている。 これは黒曜石の様だ。 クリークの側には調査をしているような男性がいる。 軽く挨拶をして先に進む。 大昔、日本でも石の鏃などに使われていた石と同じだろう。山の上には雪がたくさん見えている。 あれは残雪ではなく氷河なのだという。 こんな近くにあんなに大きな氷河があることに驚く。 森と岩と雪。 美しいトレイルは続いて行く。 小さな水の流れがあり、その先には人の声が聞こえてくる。 Minnie Scott Springに着いたようだ。 この水は岩の間からだくだくと流れ出している。 “こんにちは。この水はここから出ているの?” 近くにいたハイカーに尋ねると彼は“ああ、そうだよ”と答える。 “この水はここから沸き出しているんだ。だからとても綺麗だし浄水は必要ないよ” 初めての沸き出す水ではないが、岩の間から大量に流れ出す様は素晴らしい。 しかも彼らの理屈と説明。 納得いくような、いかないような。 まぁ、大丈夫だろう。 せっかくだしそのままこの土地の大地の水をいただこう。 “旨い”思わず口に出してしまう。 “そうだろう”と彼らはにんまりだ。 “君はPCTハイカーかい?” “そうだよ” “セクション?まさかホール?” “ホールだよ”そういうと彼らは驚いている。 ここから先、急にトレイルはLava(溶岩)の中となる。 急激な変化がとても面白い。 しかし、微妙に大きな石が多いので歩きづらい。 少し登ると北側が開けてよく見える。 向こうに見える雪をいただく山はMt. Hoodだろうか。 あのすぐ先にWashington州が待っている。 それにしてもずいぶん低いところに雲が集まっているものだ。 とても奇妙に感じる。 その先で休憩しているハイカーに出会う。 なんとFreebirdだ! また久しぶりの再会に驚く。 というかBendによっている間にとっくに追い抜かれたと思っていたのに。 本当予測不能な動きをする人だ。 さっそく情報交換、Forest Fire(森林火災)について尋ねる。 やはり火災は起きているらしい。 しかも広範囲で。 この先PCTの近くもしくは被るように火災が起きていると言う。 でもまず今は大丈夫らしい。 しかし、さっきから少し空気にきな臭さが混じっている。 Freebirdを追う様に歩いて行く。。 しばらくするとあまり見たく無い光景が。 森林の中から立ち上る煙。 さっきの雲みたいに薄く被っていたのはこれだったんだ。 北側は全て薄くかすんで見える。 南側はいたってすっきりと晴れている。 小さな池越しに振り返るとThree Sistersが美しい。 スリーと言ったって、ここからじゃNorth Sister しか見えないけれど。 真っ黒な溶岩の中歩きにくいトレイルは伸びている。 細かいアップダウンを繰り返しながら進んで行く。 少しずつ鼻に感じる煙の臭いが強くなっている。 丘越しにThree Sistersの二つが見える。 東側に見えるのは展望台か、だいぶ道路が近づいてくる。 ここは道路でも高い位置にある峠の様で見晴らしが良いらしい。 午後を少し回った頃、HWY242“Mc Kenzie Pass”に到着。 とても綺麗に舗装されていて開放感があり気持ちが良い。 しかし西側は煙のせいでかすんでいる。 ドキドキしながら反対側のトレイルヘッドに向かう。 道路を歩いても行けるが、真面目にトレイルを辿り道路沿いのTHまで歩く。 THに着くとフリーバードがレンジャーらしい人と話している。 嫌な予感が走る。 フリーバードもこっちに気づいて近づいてくる。 “トレイル閉まっているの?” そう聞くと笑顔で“No”と答えるフリーバード。 どうやら話していた人はアンケートを取っているだけらしい。 今はトレイルは閉じておらず、このまま進んで行けるようだ。 “フリーバード、今日はBig Lake Youth Campに行くのかい” するとまた彼は“いいや、行かない”と否定する。 彼はここからSistersの街に下りてそのあとCascade Locksまで行くと言う。 その理由は8月最終週末にある“PCT Days”。 そこではたくさんのPCTハイカーにも再会ができる大きなイベントだ。 “ADZPCTKO”略してKick Offパーティーのようなものだ。 それには今のペースでは間に合わない。 一日もゼロを取らなくても難しい。 一日40mi近く歩いてやっと最終日に間に合うかくらいだ。 フリーバードはそのイベントに参加するためにわざわざここからトレイルを外れる。 そういう道もあるのか。 フリーバードと別れ、僕は昼食を食べる。 ここにもLloyd のウォーターキャッシュがある。 本当に感謝しか無い。 ここにもし水が無ければ結構な距離を水無しで歩くのだ。 あんまりゆっくりもしていられない。 なんだか空の色が怪しい。 心が落ち着かない。 Lava(溶岩)の中のトレイルが続く。 本当に独特な雰囲気に包まれている。 映画に出てくるどこかの惑星のようだ、とありきたりな発想が頭をよぎる。 西側には大きな煙が立ちこんでいる。 さっきよりも火事の規模が大きくなったのか。 振り返るとさっきよりもずっと綺麗にThree Sistersが見える。 しかし、それも心無しかかすんでいるようだ。 Lavaのエリアを抜けると森になり、いつもの見慣れたトレイルになる。 でもいつもと違うのは空の色。 朝焼けと夕焼けを混ぜたような色。 その色が大地にも当たり奇妙で恐ろしい雰囲気を醸し出す。 ハイタカだろうか。 あの鳥も煙から逃げてきたのだろう。 何を思い、佇むのか。 燃える森を憂いているのか。 煙い。 本当に煙がすごい。 ずっと燻されているような状態だ。 煙に巻かれながら、大きな山の斜面の森の中を歩いていく。 目がしばしばする。 こころ無しか前方もかすんで見えるのだ。 どこを歩いているのか考える余裕もなくひたすら歩き続ける。 この方角からの方が燃えている場所がよく見える。 西に向かって歩いているので、南側を見ているのか。 木々の間から燃える森から立ち上がる煙が見える。 開けた場所に出る。 少し風向きが逸れたようで臭いは相変わらずだが視界は少し良くなっている。 距離もだいぶ離れて来たようだ。 振り返ると山火事が良く見える。 次々と消化剤や水を撒きにヘリコプターや飛行機が来ている。 しかし、一向に鎮火する様子は無い。 あとは森の中をひたすら北に向かって歩いて行くだけだ。 通り過ぎる景色を記憶に留めることもなくただひたすら真っすぐに。 トレイルは明らかに人が多く入っている雰囲気に変わっている。 今日は体が欲したらすぐに休憩を取るようにしている。 3度の休憩を取ったにも関わらず、6:30pm頃、Big Lake Youth Campに着いた。 PCTトレイルからショートカットのジープロードを入った少し先にある。 そのジープロードの入り口には、この先森林火災により閉鎖、の張り紙が。 Big Lake Youth Camp(BLYC)はこの時期は週末のみの営業らしく人気が無い。 来たのは良いものの全く人気がないのでうろうろする。 あっちこっちに声をかけて歩くが反応なし。 大きな食堂も見つけたが、やはり反応なし。 本来であればここで夕食を提供してくれるらしい。 しかし、それも時期外れのためやっていないという。 うろうろ声をかけながら20分以上が経過してやっと反応がある。 男性がドアから顔を出してくる。 荷物がどこで受け取れるのかなど尋ねると場所を教えてくれる。 ここにはMazama Village同様に食料を送っておいたのだ。 その建物に近づくと若い女の子が歩いてくる。 ここの従業員だろうか。 挨拶をすると、あそこの建物よ、と教えてくれる。 外見からではこれがなんの建物なのか不明だ。 しかし、中に入ってみると他のハイカーの姿がある。 そこにはNogaがいる! NogaはEvan達と一緒に歩いていた女性ハイカー。 Evanは大学が始まるので既にリタイアしてしまっている。 一緒にいた女友達もリタイアしたと思っていたが、Nogaは続けていたらしい。 いたとしても後方かと思っていたがいつも間に抜かれていたのだろう。 Nogaは先を急いでいるらしく、今日もここで泊まらずに進むようだ。 もう6時過ぎなので、進んだとしてもそれほどは歩けないだろうけど。 建物の中にはハイカーが送ったパッケージのストッカーがある。 そこには置いていかれた大量の食料もある。 荷物を送ってからだいぶ時間が経つ。 送った時は心配なので少し多めに送るのだが、実際には余ってしまう。 僕も寄る予定の無いBendに立ち寄ったためものすごく食料に余裕がある。 手早く自分の必要なものを分けてパッキンングし、要らないものはHiker Boxへ。 4日分の食料は想像していたよりも重い。 最近は短い距離をつないで楽していたから。 ストッカーの奥にはランドリールームがある。 そこも無料で使わせてくれるらしい。 ありがたい。 その他にも外に別棟で綺麗なトイレやシャワールームもある。 ここまで素晴らしい設備が整っているのだがキャンプする場所は少し離れている。 さっきここの場所を教えてくれた男性が来ていくつか説明してくれる。 キャンプする場所はLake沿いにあるらしい。 なにか飲み物は買えないか尋ねるとコーラがあるらしい。 おそらくShasta Cokeだろうが、なんと3缶で2ドル。 それをお願いする。 もう日が暮れ始める時間になっている。 泊まるのはどこにしようか考えているとさっき会った女の子だ。 ものすごく若く見えるが、彼女はPCTハイカーだという。 ちょっと驚き。 どこにキャンプしているのか尋ねるとBunk roomがあるというのだ。 簡素な二段ベッドがある部屋だが十分すぎる。 時期外れでやっていないはずの食事提供も今日はしていたようだ。 どっちみち時間は間に合っていなかったので考えてもどうしようもない。 それに食事は自分のものも、Hiker Boxに残っているものも食べきれないほどある。 彼女にバンクルームに案内してもらう。 彼女の名前はGolden Childというとてもcuteな子だ。 それにしてもびっくりする位若い。 ジョーと同じくらいだろうか。 バンクルームには他に2人のハイカーがいる。 うちひとりはNoboのセクションハイカーだ。 自分のベッドを確保した後にシャワーへ向かう。 アメリカらしいシャワー室だが掃除も行き届いていて気持ちが良い。 昨日の朝シャワーを浴びたばかり。 だがいかにPCTハイカーがTrashとはいえできれば毎日だってシャワーを浴びたい。 この気持ちは毎日ハイキングをしているハイカーだからこその強い気持ちなのかも。 別に汚れたままでも構わないが、あるなら綺麗になりたいと思う。 風呂から上がると辺りはすっかり暗くなっている。 本当ならもう寝る時間だ。 でもこれから僕の夕食時間。 まずは洗濯機を回し、終わるのを待ちながら夕食。 そとに出て玄関近くでお湯を沸かし始める。 どこにこんなにたくさんいたかわからないほど人が出てくる。 団体の利用者がいたようだが、僕をとても奇異な目でみてくる。 久しぶり感覚だ。 まずは風呂上がりのコーラをぐいっと。 もう一つは夕食を食べながら。 最後一つは明日の朝にしようか。 腹一杯食べ、洗濯も乾燥も終了し、やっとベッドへ。 バンクルームの中は電灯もついていて明るい。 すでにHiker midnightなのにみんな起きている。 さっきNogaも言っていたが、ここから40mi先にClose区間があるらしい。 そのことをGolden Childに聞いてみるが、その通りの様だ。 行ってみなければわからないが、もしかしたら開いているかもしれない。 だいぶ広範囲の火災で特別にForest Fireの車が迂回を手伝ってくれているという。 それにしてもGolden Childは若い。 どうして歩いているのか聞いてみる。 彼女はハイキングが好きだからよ、と答える。 話している時はずっと笑顔でとても気持ちの良い子だ。 Golden child に思い切っていくつなのか聞いてみる。 “見た目が本当に若く見えるんだけど、いくつ?” すると彼女は。いつもそう言われて嫌なの、と言う。 なんと23歳。 学生どころか、卒業しているという。 “17か18くらいかと思っていたし、そうしか見えないよ” “友達と飲みに行っても私だけIDの提示を求められるの” まあ、無理も無い。 それくらい若く、いや正直に言うと幼く見える。 ふけ顔のアメリカ人にしては珍しいけど、そういやGuraduateもそうだったな。 “あなたも若く見えるわ。27歳くらい?” 思わず、ありがとう、と言ってしまう。 5歳も若く見られるとは、まあ、若く見えるアジア人だからだろう。 彼女の地元はこのあたりらしく、家族の迎えで家に少し帰っていたらしい。 リフレッシュをして、またここから心機一転歩き出すという。 明日からの4日間。 森林火災により、10miが足で繋がらなくなるかもしれない。 なんとも言えない気持ちになるが、まずは進むべし。 前に向かって行って、あとは成り行き次第だ。 すんなりうまくいくはずがない。 これこそが人生なんだな。
by hikersdepot
| 2012-11-15 00:25
| PCT 2010 by Turtle
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