Tuolumne Meadows, CA to South Lake Tahoe, CA / Day76 – 82 / PART 4
7/11(sun) Hiking Day 61 / 20mi /6:30am-5:00pm (10:30)
“Happy-go-Lucky”

South Lake Tahoe まで、あと26miとなる。
今日一日で歩ききることも出来る。
けれども、チャーリーとの話で、明後日の昼くらいにゆっくり街に入ろうということになる。
こんな山の中に意外な、立派な道路を渡り、上を目指していく。

Nipple という言葉をご存知だろうか。
昨日見たであろう、あの頂きに近づくのだ。
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岩がご赤みがかったごつごつとしたトレイルだが、今までの岩質とは変わっている。
サクッと上がった直下をトラバースして歩く。
近くに来てしまうと、当然ながら、Nipple は見えない。
どこがそれだか解らないまま道を進む。
眼下には大きく綺麗な湖、Upper Blue Lake、が広がっている。
湖には大きなボートが浮かんでいるのが見える。
チャーリーと船の上でのんびりと楽しいバカンスを過ごしたいな、と話す。
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向かいからハイカーの姿が見える。
こんな早い時間に。
歩いているのは、やはり、PCTハイカーだ。
カップルで歩いている彼らは、彼を“Milk Shake”、彼女は“Cliffhanger”だ。
初めましてだと思ったら、Anderson’s で会っているという。
人の記憶なんていい加減なものだが、チャーリーも僕も全く記憶になかった。
こんなキュートな娘のことを覚えてないなんて、とあとでチャーリーと話した。

Milk Shake。なんて刺激的なトレイルネイムなのだろう。
口の中も心の中もすっかりミルクシェイクのことで一杯だ!

雪がパッチで残るトレイルを、雪はもういいよ、とぼやきながら二人は進む。
その雪解けのおかげで豊富な水に恵まれていることはラッキーなのかもしれない。
緩やかに谷に降りたあと、もう一度大きく登り返す。
“Elephant Back”馬の背ならぬ、象の背という名のピークを目指す。
今日も爽やかな天気で。空は広い。ずっと広い。
斜面を切るように斜めに上がっていき、最後はお決まりのスイッチバックだ。
上の方に出ると、花が美しく咲き、風が爽やかに通り抜ける。
アニメにでも出てきそうな、草と花と岩の美しい景色に思わず足を止める。

トレイルは、そのままもう一つ上に向かって伸びている。
この周辺は、Yogiによると、雪が残っているとデリケートで怖いと書いてある。
びっしりとトレイルには雪が張り付いている。
9000feet下だが、北東斜面には雪が残りやすい。
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斜面のトラバースは急斜面で、確かに神経を使わせる。
しかし、騒ぐほど怖いものでもない。
一カ所、大きな岩を巻くところがいやらしく、ポストホールも怖い。
それを抜けると、緩やかになり、リッジをすぐに越える。

デイハイカーとすれ違う。そろそろ人里近いようだ。
しかし、あの軽装でどこまで歩いて行くのだろうか。
まあ、気をつければ大丈夫だろう。

眼下には、Carson Pass が見える。
車がたくさん行き交っている。
最近のPassの中ではもっと交通量の多く、にぎやかだ。
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チャーリーを待ち下りはじめる。
快適なトレイルをぐんぐん降りて行く。
いくつかの分岐を通り過ぎる。
今度はファミリーハイカーがいる。
重そうな体を持ち上げて、みんな大変そうだ。
こっちは軽やかにTHまで一気にかけ下り、飛び出す。

THは大きな道路のHWY88にある。
大きな駐車場があり、ずいぶんにぎやかな雰囲気だ。
Carson Pass も道路の通るPassとしては、とても標高が高い。
ここでも自転車のレースが開かれているらしく、多くのロードランナー達がいる。

THの隣には小さいが綺麗なビジターセンターがある。
Yogiには、何も無い場所、として書かれていたので、期待はしていなかった。
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中は、この周辺の案内やお土産品を売っている。
働いている人達は、年配の人ばかりだが、みんなとても雰囲気の良い人達だ。
チャーリーがこの辺りのことを聞いていた。
彼らは、PCTハイカーか、と訪ねる。
そうだよ、と答えると、外のクーラーボックスの中のものをどうぞ、と言う。

外のクーラーボックスの中には、僕の大好物のネクタリンやソーダが入っていた!
思わぬ収穫に喜びが隠せない。
明日になれば自由に食べられるのは分かっていても止まらない。
駆けつけ一本!
ネクタリンも一気に2個食べる。

中には久しぶりのログブックがあり記入する。
いろいろ懐かしい名前が並んでいる。
ローンネンジェルやボストン&カービィの名前が無い。
聞いてみるとここには来ていないと言う。
おそらく朝の早い時間に通り過ぎてしまったのではないかということだ。

ログブックには以前出会ったハイカーの名前がちらほら見える。
しかし、プラッドの名前は久しく見ていないので心配だった。
実際、既に何人もがリタイアして、トレイルを離れていってしまった。

暇なのか、ビジターセンターの人達は外のベンチでくつろいでいる。
僕たちはついでに昼飯をとることにする。

今日は人が多いね、何のレースなのかな、と聞く。
どうやら、標高の高い峠越えをするレースで、Ebbetts Passのレースもその一部ということだ。
何レースという名前だったかな。

今日泊まるところの見当をつけるため、地図でキャンプサインのある場所について聞く。
彼らはあまり把握していないようだったが、一生懸命調べてくれる。
PCTのガイドブックにはキャンプサイトのことが書かれていた。
とにかく行ってみるしかない。

二本目のコーラを飲み干し、足のケアも済んで、トイレにも行った。
さあ、そろそろ行こうか。
みんなに感謝の気持ちを伝えて道路の向こう側に渡る。

たくさんのデイハイカー達がいる。
手軽に歩けることもあり有名なのだろう。
花もたくさん咲いていて、とても良い季節だ。

せまいTHを上がりきると大きく景色は開ける。
トレイルは緩やかで難しく無く、気持ちのよいハイキングを楽しめる。
丘を上がると、向こう側が見える。
あれは!South Lake Tahoe!
もう少し、もう少しだ。
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確かに何も無い。

チャーリーと、今日中に行っちゃおうか、と冗談。
そんな急ぐ気全くない。
なんとなく、ここなら電波はいるんじゃない、とチャーリーに訪ねる。
そうだな、とチャーリー。

こんなところで何も携帯なんて、と思うだろう。
しかし、チャーリーの娘がちょっと大変なことになっている。
彼女は卒業式を終え、Wrightwoodまでチャーリーを送ってくれた、あの娘だ。
看護士のCollege を卒業後、ボランティアの為行ったアフリカで感染病にかかってしまった。
一度は問題ないと医者に言われたのだが、また再発の危険があり、気が気で無いのだ。
それ意外にも、South Lake Tahoe でのバカンスのための予約にも余念がない。

感が当たって、Passでは入らなかった電波を受信する。
チャーリーが電話で忙しい間、岩に腰掛けてのんびりと景色を楽しむ。
風が心地よい。
花が揺れている。
心が穏やかだ。

結局、娘と息子と電話したので、ずいぶんと待たされたが、良い時間だった。
デイハイカーとすれ違いながら、緩やかに谷は下って行く。
小さい川は、水深は無いが飛び石も無く、防水シューズのデイハイカーは先に進めない。
川をびしゃびしゃと渡って、さっと先へ。
この辺は、奥の方にキャビンが建っているらしく、結構人の気配が多い。

木立の中に馬が繋いである。
自然に溶け込む、良い景色だった。
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ところが、チャーリーが馬の方に近づくと、馬主が“触るな!”と怒鳴る。
せっかく機嫌の良かったチャーリーの雰囲気が一変。
言い方の悪いケチな馬主もさることながら、子供思考のチャーリーも、お互いに困ったものだ。

チャーリーは一気にスピードアップ!
はあ、いらいらしているんだろうな。
僕はいつもどおり行くことにしよう。

トレイルは谷を外れ登りになる。
なかなかの急斜面をスイッチバックで登ると、Shower Lake に到着する。
朝の予定ではここで泊まることにしていた。
今日は急ぐことも無く、のんびりしていたが、歩きやすかったせいか思いのほか早い。
小さいが綺麗な湖でキャンプには申し分無い条件だが、蚊が多い。
時間も早いので、このまま通り過ぎて先を急ぐ。
同じように進むべきか、止まるべきか考えているグループがいた。
Echo Summit か上がって来たのだろうか。

トレイルは一度下がり、また上がる。
それほど高く無い場所だが、またパッチで雪が残る。
残る雪は、どうしてだか、道を塞ぐようについている。
せっかく乾いた靴が濡れるのは、嫌なものだ。

上がりきった所に候補に挙げて調べていたキャンプサイトがある、はずだった。
森に覆われだいぶ雪が残る。
どう見てもそれらしい場所が無い。
必然、降りようということになる。
どんどんEcho Summit に近づいていく。
本当にこのまま行くと今日中に終わってしまう。
といっても夜中に街に出ても出来ることは限られてしまう。

チャーリーの手綱を引きながら、ブレーキをかけつつ降りる。
Mosquiteがいっぱいの湿地を過ぎて小さい川を渡る。
止まった瞬間“やられて”しまう。

少し開けた場所に出てくる。
トレイルから外れた奥の方にはいっぱいスペースがありそうだ。
ちょっと、より、もっと、上がった場所に良い所を見つけ今日の寝床とする。
幕を張って、水を汲みにトレイルに向かうがちょっと方向に迷う。
水を汲むには、ウィンドシャツを着てフードをかぶり、蚊から身を守る。

戻る時にハイカーとすれ違う。
こんな時間に、いくら何でも遅い。
しかも、彼のバックパックは、某メーカーの超シンプルパック。
しかもしかも、ワンショルダーに改造してある。
挨拶一つで歩き去った。
何者なんだ。

あと6miを残し、早い時間に終了したのはわざと時間調整を入れたのだ。
今日はゆっくりのんびりだったが、あっさりと20mi。
本当に歩きやすくなったものだ。
それとも自分たちが速くなっているのか。

明日は久しぶりにすっきりと体を洗える。
そしてたらふく食える。
食べることしか考えられない。
"自然"に近づくにつれて、欲が露になってくる。
仙人のように霞を食べて生きるにはほど遠い。

今日も心地よい風が吹いている。
一日の疲れを風が吹き飛ばしていってくれる。
僕の思いと共に空へ飛んで、遠くまで運んでくれれば良いのに。


7/12(mon) Hiking Day 62 / 6mi / 6:00am-8:30am (2:30)
“South Lake Tahoe”

いよいよ街へ降りる日だ。
たった6mi、サクッと歩いてしまうはずだったのに、思わぬつまづき。

昨日降りてしまおうとチャーリーが言った場所はキャンプなんてできない。
雪に完全に覆われていたからだ。
谷が深く細くなるにつれ日陰が多く雪が残るのだ。
あればあったで道を気にせず歩けるのに、中途半端に残られると厄介だ。
残った雪は崩れ、ブリッジを作っている。
迂回するにはガレを歩くが、それも決して安定しているとは言えない。
まったくここにきてヒヤヒヤさせられるとは思わなかった。

谷は閉ざされ始め、濃い森と変わって行く。
湿った空気が体を包むと、体が汗ばむのを感じる。
下から犬を連れたハイカーが上がってくる。
運動がてらに来たようだ。
少し話をしたかったが、蚊が多くじっとしていられない。

だいぶ下に降りた頃、なにやらサインがある。
PCTハイカーにトレイルマジックがあるとのこと。
橋のたもとに隠してあると書いてあったが、見つけられなかった。
トレイルは広い広い人口スペースにぶつかる。
Echo Summit のParking Lot に到着だ。
ちょうど二人ともトイレに行きたくなっていたので、寄って行く。
季節でないからか、たくさんあるトイレも空いていたのはたった二つ。
それでも、ゆっくり出来るのは助かる。
よくよく見ると二人ともぼろぼろだ。
思わず写真を取り合う。
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今日これから降りる街は、綺麗なリゾートタウンで、カジノがある街らしい。
こんな格好で良いのだろうか。
チャーリーが言うには、カジノのホテルに無料で泊まることができるらしい。
良く分からないのだが、“任せておけ”とチャーリーが言うのでお任せしている。

Parking Lot から10分もかからずにPCTルートがHWY50にぶつかる。
東に向かえば、South Lake Tahoe の街に入れる。
歩くには距離がだいぶあるので、ヒッチハイクをする。
時間はだいぶ早く、まだ朝の8:30am。
今までのヒッチハイキング成功率はとても高い。
今日もそんなもんだろうと思っていた。
ところがなかなか女神は微笑まない。

あとで振り返れば、時間が早すぎたのかもしれない。
どう考えても出勤時間の人がほとんどで、余裕も無く急いでいるようだった。

携帯の電波が入る場所だったので、久しぶりに電源を入れる。
Mammoth Lakes 以来だったので、溜まったメールがたくさん届いた。
それを全部読み終えてもまだ、車は捕まらない。
かれこれ、一時間が経過していた。

着いた当初は、朝食に間に合うかも、なんて調子に乗っていた。
今や二人の顔からは笑顔が消えている。
サングラスを付けているからいけないんじゃないか。
帽子を取ってみよう。
バックパックを目立つように置いたらどうか。
いろんな手を尽くしたが、一つとして効果の兆しは見えてこない。

あとからハイカーが追いついて来てしまう。
エスフェイスだ。
いつの間に逆転!?
どうやらおとといの段階でどこかで追い抜いていたようなのだ。
一緒に街に行くかい、と聞くと、彼はこのまま先に行き、トラッキーの街まで歩くという。

エスフェイスが去っても、一向に車は捕まらない。
レンタカー会社に迎えにくるように言っても、距離があるからと断られてしまう。
我慢が出来なくなったチャーリーはとうとうタクシーを呼ぶことにする。
なんてブルジョアなアイデアだ!
一人ならあり得ないことだが、まあこれもまた楽しい。

Yellow Cab はヒッチハイクより確実な方法だし、気兼ねなく使える。
しかし、まさかPCTハイク中に使うなんて思いもしなかったことだ。
大きな谷をうねりながら道は下って行く。
すぐに建物が多く見えてくる。
突き当たった道を西に向かって走り出すと、今までとは規模の違う風景が広がる。
いままで通って来たPCT沿いの街は、十分なものが揃っていたが、それほどの大きくは無かった。
しかし、South Lake Tahoe は並ぶ店の多様さからも想像できるほどの街だった。
チャーリーレンタカーにこだわるのがようやく分かった。
まずはPOに行って、チャーリーのクレジットカード、僕の靴やバウンスボックスをピックアップ。
その後、レンタカー会社の”Enterprise” に行く。
日本では聞きなじみの無い会社だが、こちらではポピュラーで価格が安いのが特徴だ。
もうすんなり行くものと考えていたが、そうは済まなかった。
あのヒッチハイクが暗示していたのだろう、会社には人がいなかった。
どこに行ってしまったのか分からない。
チャーリーが電話をしても誰にもつながらないのだ。
チャーリーは予約の時にだいたいの到着時間を言ってあったのに、とご立腹。

と待つこと30分以上。未だ車は借りられないままだ。
その間に、向かいのGSのストアに日本では想像しにくい大きさのコーラーとスナックを買いに行った。
それを二人で食べながらため息だ。
他にも返却の客達が次々と訪れるも、鍵を返す相手がいないのではどうしようもない。
みんなで愚痴を言い合う。

もうすぐ一時間になる頃、やっと帰って来た。
そのスタッフもびっくりしていた。
話では一人残っているように言っていたヤツがいないのだという。
と、もう一人が帰って来た。
彼は僕たちが着いた時に車で出て行った人だ。
どうやらピックアップサービスに行っていたというが、怪しい。

かなり平謝りの彼らを無視して淡々と手続きを済ませる。
チャーリーは、ちゃっかり、と帰りにEcho Summit まで送るように約束を取り付けた。

出る頃にはここについてから一時間が経過していた。
結局、ブレックファストどころか、ランチの時間も過ぎてしまっている。
すぐにホテルに向かうと思ったら、さっきのPOがある場所に戻る。
そこには、Russ という安売りの洋服屋がある。
僕は最低限の着替えを持っているし、バウンスボックスにも着替えがある。
しかし、チャーリーは何も持っていない。
さすがにこの格好でカジノは出来ない、ということで服を物色しに来たのだ。

どうしようもないものも多いが、細かい所を気にしなければ、この価格で一揃いは安い。
チャーリーはポロシャツ2枚とハーフパンツを買った。
その後はホテルへ。
しかしところが、道路の途中にとっても美味しそうな看板が見える。
Milk Shake とHamburger!
チャーリーの体は自然とハンドルを切っていた。

この街の美味しいお店ランキングで何度も一位を取ったり、雑誌に紹介されているようだ。
マッシュルームが入った店の名物”Famous Burger”とポテト、それにチョコレートシェイクを注文する。
チャーリーはチョコレートシェイクのMalt とFudge を足していた。
想像以上の量に驚く。
ハンバーガーの大きさもそうだが、ポテトの量が多い。
と、言いつつもどんどん減るポテト。
ミルクシェイクも看板に違わぬ旨さで納得だ。

だいたい1500kcalくらいは取ったろうか。
レンタカー待ちしていた時に食べたものも考えると、降りて来てから、もう2000kcalは取った。
さすがに、腹も心も満たされた。

車は道路に沿って走って行く。
道路が角度を急に変える。
すると左手には美しい湖の姿が広がる。
South Lake Tahoe だ。
とても大きい湖で、湖上にはボートが浮かんでいる。
湖畔にはBBQの設備が並び、道路を挟んだ向かいにはキャンプ場がある。
道路脇にはモーテルや高級なホテルが立ち並び、観光地らしい風景に変わる。
その先はグロセリーやショッピングモールが並ぶにぎやかな場所になる。
ここには山に向かってゴンドラが通っている。
冬には有名なスキーエリアとなるのだ。

チャーリーが、そろそろだよ、と言うと道の先には大きなホテルが立ち並んでいる。
信号を境にCalifornia とNevada が別れ、そのNevada側にはCasinoがあるのだ。
カジノで有名なLas Vegas も、ここからは遠く遠く離れているが、Nevada州だ。

その角地にある”Harrah’s” というホテルに入って行く。
ここはカジノのホテルとするととても有名で、Las Vegasにもある。
ものすごく立派なのはもちろんのこと、遊びに来ている人も綺麗な格好をしている。
まあ当然だろう。
ここはゆっくり優雅な気分で遊びにくる場所だ。
こんな小汚い格好でくる場所では無い。

大荷物を抱え、ロービーで佇む僕を周りはどう見ているのだろう。
本当に無料で泊まれるのだろうか、一泊幾らくらいなのだろう。
周りの視線が気になる、と思いきや、あまり気にもならない。
しばらくしてチャーリーがキーを持ってくる。
手続きは終了したらしい。本当に無料なのだ。

部屋は13F、ずいぶん良い部屋のようだ。
廊下の雰囲気からして少し違った。
部屋に入ってびっくりの広さ、そして景色。
South Lake Tahoe がよく見える。
大きなベッド、大きなソファ、二つのバスルームにはテレビ付き。
アメリカのモーテルは広いからそれでも十分だったが、さらに広い。
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荷物の整理や片付け、洗濯もしたいが、それよりもまずシャワータイム。
体にこびりついた垢をごしごしと流れ落とす。
頭は三回洗うし、体も二回は洗う。

すっきりして汚れのなくなった僕らはコインランドリーに洗濯をしに行く。
そこまではカジノの中を通らなければ行けない。
臭そうな袋を持ち。うろうろ。
しかし、新しい服を着てこぎれいになったチャーリーは見違えるほどのジェントルマン。
やはり白人の裕福さがにじみ出ている。

コインランドリーはとても小さく、まあ自分で洗う人なんて少ないのだろう。
洗濯が終わる間、カジノで遊ぶことにする。
途中PCTを抜けてまで、息子とラスベガスに行くくらいカジノ好きのチャーリー。
我慢なんて出来る訳もない。

僕も少しだけ遊ぶことにしたが、ATMの手数料が高い。
自分にしてはがんばって多めに用意したつもりだったが、チャーリーは$3000スタートらしい。
$3000。確かにそれくらい使わなければカジノなんて楽しくは無いのだろう。
が、それにしても、チャーリーのお金持ちっぷりに感心してしまう。
チャーリーはBlack Jack が好きで良いテーブルを探しに行った。
僕はゲーム感覚で、カジノマシンで遊ぶ。
Star Trek のカジノマシンが面白くて何度もやってしまった。

夢中のチャーリーには期待できないので、時間になったら乾燥機にかけに行き、時間をつぶす。
洗濯を終えた僕はチャーリーを探しに行く、テーブルで一対一で楽しんでいる。
なかなか上機嫌な所を見ると、勝っているようだ。
僕に気づききり上げたチャーリーはニコニコしている。
良いゲームだったよ、とチャーリー。

少し待ちを散策しに外に出る。
街をもう一度車で回り、だいたいは把握できた。
僕は一人でショッピングモールやアウトドアショップを散策するため車を降りる。
チャーリーはもうひとゲームしに戻った。

アメリカでは本当にはっきりと空間が別れている。
ここには安全という目に見えない決まりが存在する。
みんなが開放的で楽しそうだ。
そこそこのものが揃ったアウトドアストアとハードウェアショップにキャンプグッズがある。
足りないものがあれば十分に買える。
The North Face やPatagonia のお店もある。
時期的にセールまっただ中だったが、僕に必要なものはここには無かった。
ぶらぶら散策しながらホテルに戻る。

チャーリーと約束していた時間よりだいぶ早かったので部屋に戻り少し体を休める。
昨日のこの時間はまだ歩いていたのだと思うととても不思議な気分になる。
約束の時間にロビーに行くと、チャーリーはフロントで話をしている。
今日の夕食の場所を聞いていたらしい。
今日はChinese Restaurant で良いかい?と聞いてくる。
二人とも中華料理が大好物で、フロントおすすめの店があるようだ。
二つ返事で答える。

メイン通り沿いのレストランは、こじんまりしていて、とても雰囲気が良い。
中に入ると、ほとんど中国語しか聞こえない。
もちろん客には 西洋人も混ざっているが、ほとんどがアジア人で、中国人だ。
味は間違いなさそうだ。

ついつい二人でたくさん頼んでしまう。
けれど、ちょこちょこと食べているせいか、直ぐお腹がふくれて来てしまう。
味は本当に美味しく、Fried Rice(チャーハン) やMein(麺)は刀小麺風で美味しかった。
アメリカ風にアレンジしてあるとはいえ、やはり落ち着く味付けだ。

チャーリーも僕も食べている時から眠くなってしまい、ぼうっとしていた。
ふくれた腹を抱えホテルに戻る。

サイドが割れたシューズ。良く耐えた。
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同じものとは思えないほど形が変わっている。
500mi、800kmの成果か。
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日本で待たせている妻には悪いが、少しバカンスを過ごす旨を伝える。
昨日までとは打って変わり、華やかな光の中安らかに眠る。
久しぶりのベッド。

何も考えずに休もう。
頭を空っぽにして。
今だけは少しハイキングを忘れよう。


-"easy"Turtle
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by hikersdepot | 2011-09-02 18:20 | PCT 2010 by Turtle


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